ABOUT SUPER GT

SUPER GTとは

国内外のGTカー18車種が参戦する国際GTシリーズ
GT500クラスは世界最速のGTレースとも言われる

SUPER GT 2026年 第1戦 岡山  SUPER GT(スーパー・ジーティ)は、市販されるGTカー、スポーツカーをベースにした競技車両で行われる日本のみならず海外戦も行われる国際シリーズ戦です。

"GTカー"は「Grand Touring Car(グランド・ツーリング・カー)」の略称で、乗用車では長距離を高速に移動できる高性能なグレード(車両の格付け)です。この高性能なGTカーを、さらに走行性と安全性を向上させたレース専用車両として用いて、競うのがGTレースです。GTレースは世界各国で行われており、人気のあるカテゴリーです。
 その中で、日本を中心にアジアで開催されているSUPER GTはアジア圏のみならず欧米からも注目されている非常に人気ある国際シリーズです。

 2026シーズンは、昨年同様に43台(GT500クラス14台3車種、GT300クラス29台15車種)の車両と、国内外で活躍するトップドライバー96名以上が参戦※を予定しています。2025年の1戦平均は48,110人、総観客動員384,877人という、日本発祥のレースシリーズ戦では最大の人気を誇っています。

※:2026年のチーム数はシリーズエントリーリスト(3月23日時点)より。ドライバー人数もこの時点の第1~3ドライバー登録人数(未定も含む)としてます。

2026シーズンも全8戦の開催予定も
マレーシア大会が中東情勢で延期となる

 SUPER GTでは1年間で数戦のレースを行い、毎戦2つあるクラスごとに順位を決めます。この順位と結果をポイントにして、1シーズンの総計でドライバーとチームのタイトル(チャンピオン)を決定します。

 2026シーズンは全8戦を開催。4月11日、12日に第1戦(開幕戦)が行われ、11月7日、8日の第8戦(最終戦)までを国内6つのサーキット(岡山国際サーキット、富士スピードウェイ、鈴鹿サーキット、スポーツランドSUGO、オートポリス、モビリティリゾートもてぎ)と海外ではマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行う予定だった。
 だが開幕戦前の4月8日に、SUPER GTを運営するGTアソシエイション(GTA)とマレーシア大会の現地プロモーターは中東情勢の緊迫から現在の世界情勢を総合的に評価した結果、ファンや関係者が望む水準でのイベント開催は難しいとしてマレーシア大会(6月19~21日)を延期し、今後その対応を発表するとしました(4月8日時点)。

  • 日本美作市(岡山県)

    第1戦 
    岡山国際サーキット

  • 日本小山町(静岡県)

    第2戦 
    富士スピードウェイ

  • マレーシアセパン(マレーシア)※開催延期

    第3戦 
    セパン・インターナショナル・サーキット

  • 日本小山町(静岡県)

    第4戦 
    富士スピードウェイ

  • 日本鈴鹿市(三重県)

    第5戦 
    鈴鹿サーキット

  • 日本村田町(宮城県)

    第6戦 
    スポーツランドSUGO

  • 日本日田市(大分県)

    第7戦 
    オートポリス

  • 日本茂木町(栃木県)

    第8戦 
    モビリティリゾートもてぎ

周回タイムに差があるGT500とGT300クラスが混走
数多くの追い抜きがある緊張感あるレースを実現

 SUPER GTには「GT500」と「GT300」という2クラスがあります。この速さの異なる2つのクラスの車両が同時に決勝レースを走り、それぞれの順位を争います。

 上位のGT500クラスは約500馬力のエンジンを搭載することから名付けられました。現在は550馬力以上と言われています。また、車体はクラス共通のカーボン製シャシーを使い、市販GTカーのシルエットを採用したSUPER GTのGT500クラス専用車両としています。

 下位のGT300クラスは、約300馬力を想定しています。ただし現在は500馬力以上を出すGTカー(FIA GT3規定)も参戦しているため、GT300車両は車種ごとに出力制限や車両重量の調整によって周回タイムや戦闘力を均一化しています。

 このように速度差のある2クラスが同時にレースをすることで、SUPER GTでは非常に多くの追い越しが発生して、終始混戦が生じています。このため、ドライバーもチームも、そしてファンも常に高い緊張感のあるレース時間を過ごすことができるのです。

GT500クラス

 シャシーやボディカウルはGTA(SUPER GT運営団体)が定めたGT500クラスの車両規則に則り、GT500専用につくられています。基本シャシー(車体構造物)はGTAが監修したカーボンコンポジット製の共通モノコックを使用。ボディデザイン(シルエット)は、参戦メーカーの市販GTカーをベースに作られています。
 エンジンは、2000ccの直列4気筒直噴ターボというNRE規格のレース専用エンジンです。NREは「ニッポン・レース・エンジン」の略で、トヨタ(GAZOO Racing)、ホンダ(HRC/MUGEN)、日産(NISMO/日産モータースポーツ&カスタマイズ)が日本の上位カテゴリーで使う前提で基準規格を決めています。
 GAZOO Racingからは、TOYOTA GR Supra GT500が参戦しています。

GT300クラス / GT3車両

 GT3は、FIA(国際自動車連盟)が定めるカテゴリーで、自動車メーカーが製造・販売するGTレースの専用車両です。チーム独自の改造は許されず、レースごとのミッションやサスペンションの交換もできません。シャシーやエンジンに厳格な制限はありませんが、レースごとに競技団体(GTA)が性能調整を行い、車種間の戦闘力と周回タイムを均衡させています。中にはGT500車両に匹敵する最高速を記録する車種もありますが、その分コーナーリングのスピードが遅いとされています。
 GAZOO Racingからは、LEXUS RC F GT3がGT3車両として参戦しています。

GT300クラス / GT300車両

 GTAが定めるGT300クラス車両規則に沿って制作された車両です。ベースとなる市販車のモノコックを使用してチームが独自改造し、エンジンもベース車と同じメーカー製ならば変更できます。レースごとのミッションやサスペンションの交換も可能で、コーナーでは速さを示す傾向がありますが、厳しいエンジン出力の調整もあってストレートが苦手と言われます。
 GAZOO Racing公認のGT300車両は、TOYOTA GR Supra、TOYOTA GR86、LEXUS LC500、LEXUS LC500hが参戦しています。

GT300クラス / GT300MC(マザーシャシー)車両

 GTAが定めるSUPER GTのGT300マザーシャシー車両規則に則した車両です。マザーシャシーとはGTAが企画/供給するモノコックとV8の4500ccエンジン、空力パーツなどの車両キットです。これに各チームが市販車を模したボディカウルを載せます。このため低コストでチーム独自のGT300クラス競技車を製作できます。クルマの素性としては、GT300規定車と同等と言われています。
 GAZOO Racing公認のGT300マザーシャシー車両は、TOYOTA 86MCが参戦しています。

予選はQ1とQ2のノックアウト予選方式
2026年の決勝は300kmまたは3時間で実施

SUPER GT 2026年 第1戦 岡山  SUPER GTの予選はQ1とQ2の2回に分けられ、ドライバーはそれぞれを1名が担当します。なお2024シーズンのドライバー2名タイム合算方式から昨年に戻されました。

 2026シーズンの決勝レースは距離300kmが5戦行われ、それより長距離になる3時間の時間制レースを2戦行います。このレース距離よって異なるフォーマットで行われます。
 300kmレースはドライバー2名で、それより長距離になるレースではもう1人のドライバーを追加できます。決勝は必ずピットインして給油を伴うドライバー交代を行い、必ず2名以上が走らなければなりません。追加の第3ドライバーは規定の最低距離を走行しないとシリーズポイントは与えられません。
 また定められたピットイン回数を履行しなかった車両は失格になります(途中終了の場合は別途規定あり)。

 このようにSUPER GTは、ドライバー1人制のレースに較べて、勝つために多様な要素をクリアする必要があります。ドライバーの面では2名の相性やドライビング技術の面では妥協も必要で、クルマのセッティングもドライバーに加え、距離や作戦によって異なってきます。しかもレースは2時間弱から3時間もあるため、途中で天候の急変や思わぬアクシデントなどが生じることもあり、その対応も必要になるでしょう。

 このようなレース戦略も重要ですが、ピットインでは各チームのメカニックが行う作業時間もレースタイムに響きます。メカニックの素早い作業で順位が上がることも、失敗すれば順位を落とすこともあります。

 SUPER GTでは、ドライバーなどの個人の技量以上にチームとしての総合力、一体感が求められ、それが必要なように競技自体が工夫されています。単に1人のドライバーが速くても勝てない。それがSUPER GTなのです。

2026年はGT500のサクセスウェイトが変更
クラスによって異なるポイント制に注意

 SUPER GTのチーム&ドライバーが最終的に目指すものは、シリーズタイトル(年間チャンピオン)です。このため、各レースの決勝結果と予選結果に比例したポイントがドライバーとチームに与えられ、その年間合計が最も多い者がチャンピオンとなります。
 昨シーズンは、このポイントのフォーマットが変更されました。台数の多いGT300クラスのみが、その状況を考慮して決勝順位の1位~15位までを得点授与圏内とし、決勝1位の最高得点は25ポイントに増やされています。なおGT500クラスのポイント制は、今年も変更ありません(下記の表)。
 また、予選ではポールポジション(予選1位)を獲得した車両の走行ドライバー2名に1ポイントが授与されます。

GT500クラス・シリーズポイント(ドライバーとチームが対象)

決勝順位1位2位3位4位5位6位7位8位9位10位
ポイント2015118654321

GT300クラス・シリーズポイント(ドライバーとチームが対象)

決勝順位1位2位3位4位5位6位7位8位9位10位11位12位13位14位15位
ポイント252016131110987654321

予選ポイント(ドライバーのみが対象)
両クラスの予選1位:1ポイント

GT500クラス・決勝レース周回ポイント(チームのみが対象)
決勝トップからの遅れ周回数

同一周回1周遅れ2周遅れ3周遅れ以上の完走
3211

GT300クラス・決勝レース周回ポイント(チームのみが対象)
決勝トップからの遅れ周回数

同一周回1周遅れ2周遅れ3周遅れ以上の完走
3221

※ドライバーランキングは決勝と予選のポイントを、チームは決勝のポイントをシリーズ全戦で合計。同点の場合は優勝回数が多い者、それも同じなら2位、3位と回数を較べて多い者が上位となります、

 この獲得ポイントに併せたSUPER GT独自のシステムとして、サクセスウェイト制があります。これは獲得ポイントに比例したウェイト(オモリ)を積むハンディキャップの仕組みです。

 搭載するサクセスウェイト指数は各車両の参戦数で異なり、両クラスとも参戦する1戦目は搭載ウェイト(オモリ)はなし。参戦2戦目から6戦目(車両参戦数)まではポイント×2kgのウェイトを搭載。そして参戦7戦目(先に同じ)はポイント×1kgとなり、参戦8戦目(先に同じ。全戦出場なら最終戦)は搭載ウェイト(オモリ)なしとなります。
 また安全性を考慮し、両クラス共に2026年より搭載するウェイトは50kgまでとなりました。
 それ以上はGT500クラスが燃料流量リストリクターでエンジン出力を絞ることで、数値上のサクセスウェイトと同等になるハンディとします。
 なおサクセスウェイトの最大搭載重量はGT500クラスが100kg、GT3000クラスは50kgまでとなります(計算上の累積は制限なしで加算します)。

 またサクセスウェイトがGT500クラスは68kg以上、GT300クラスは51kg以上となった場合、燃料給油用のホース途中に設けられて給油時間が長くなるハンディが与えられます。この仕組みは「サクセス給油リストリクター」と言われます。これまでサクセスウェイトが大きい車両をそのハンディゆえに速度や戦闘力が低下して、上位進出の可能性が著しく減りましたが、このピットイン時間でのハンディで速さ自体の低減は最小限となり、逆に巻き返しを狙ってより激しい追い上げを見られることになりそうです。

 このようにSUPER GTでは、強い者にはサクセスウェイト、サクセス給油リストリクターが課されます。これは確かに強者に厳しいものですが、それを跳ね返す工夫やシリーズを見渡して重要レースを定めるなどの戦略も必要になります。そして、最終戦はウェイトなしと実力を存分に発揮して“総合的な最強者"を決める仕組みになっています。

今季のGT500クラスでは国産の低炭素燃料を採用
引き続きSUPER GT全体で環境改善対策を実施

 SUPER GTでは二酸化炭素排出の低減策を実施しています。これまでは海外製のカーボンニュートラル燃料(CNF)を使用してきましたが、2026シーズンのGT500クラスでは日本企業のENEOSが製造する低炭素ガソリン「E10」を使用することになりました。これは植物や古紙などを原料にした国産バイオエタノールと既存ガソリンを混合した燃料です。厳しいレース環境下でも、従来燃料と相当と評価されています。
 なお、GT300クラス車両は車種や対応メーカーの多さから早期の対応ができなかったため、来シーズン以降の導入を検討するとしています。このためGT300車両においては、従来の市販ハイオクガソリンに戻されています。

 さらに近年は大会あたりのタイヤ使用本数を減らす意図を組み込んだスポーティングレギュレーション(競技規定)で行ってきました。またタイヤメーカーの複数参戦も2026年限りとなり、来季からは両クラスともにタイヤのワンメイク化も実施される予定です。

1994年の全日本GT選手権から始まったSUPER GT
チームの参戦数と観客を増やす試みを積極的に実施

1994年の全日本GT選手権から始まったSUPER GT チームの参戦数と観客を増やす試みを積極的に実施  SUPER GTの始まりは、1994年5月に始まった全日本GT選手権(JGTC)です。この前年にも全日本GT選手権は3戦を行いましたが、参戦台数が少なく独立したシリーズとしては成立しませんでした。1990年代はスポーツカーで行われていた国際・国内シリーズが終焉を迎え、GTカーのレースに移行していくカテゴリー再編の時代でした。
 このため、これまでのスポーツカーシリーズや1993年のGTシリーズ失敗を踏まえて、多種多様な車種が参加しやすく、ファンにも満足してもらえるシリーズをつくろうという動きが起こりました。

 そして、誕生したJGTCが1994年に富士スピードウェイで初戦を迎えました。その後、参戦車種、参戦チームを着実に増やし、観客動員も右肩上がりとなったJGTCは、2000年にマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで初の海外戦(エキジビション)を開催。2002年からは海外戦もシリーズ戦として組み入れて以降は毎年海外戦を行い※、また2005年には国際シリーズとしてFIAに公認されて、名称を「SUPER GT」と改めました。
※2003年はアジア圏でのSARSでマレーシア戦は富士で代替に。2020~2024年は世界的な新型コロナウイルス禍により海外大会が行えず、国内戦のみの開催となっています。

 現在のSUPER GTは、GT500クラスにおいて参戦車両を供給するトヨタ(GAZOO Racing)、ホンダ、日産が、参戦コストの軽減やドライバーの安全性、サステナビリティなどにおいてメーカーの垣根を越えて連携しています。もちろん、プロフェッショナルレースに参加するマニファクチャラー(自動車製造会社)として、互いに競技性の向上や開発技術の追求を損なわない車両開発を行っています。

 またGT300クラスでは、FIA GT3カーと言われる国内外の自動車メーカーが販売するGTレース専用車両と、GT300カー(マザーシャシー含む)と言われる中小規模のコンストラクター(レースカー製作会社)が製造した同等の競技性を持つGTカーが共存する、日本独自の形態を取っています。

 このようにSUPER GTは、他の国や地域にはないユニークな特徴とハイレベルな競技性とレース車両性能を両立させ、アジアのみならず世界からも注目されるレースシリーズとして存在感を高めています。