レース車両
2020年。GR SupraがGT500にデビュー!
LC500の技術も継承し、さらなる高みへ
2020年のSUPER GTにおいて、TOYOTA GAZOO RacingはGT500クラスに「GR Supra GT500」を投入しました。先代のスープラ(JZA80型)は、SUPER GTにおいて1994年第4戦(当時は全日本GT選手権)から2006年まで参戦して27勝(シリーズ外1勝も含む)、ドライバー部門では4回のチャンピオンを獲得。その活躍はもちろん、市販車としてもスープラはトヨタのスポーツカーとして多くのファンに愛されてきました。この名を引き継いだGR Supraもモータースポーツを象徴するクルマとして、SUPER GTへのチャレンジを決意したのです。
GR Supra GT500は、昨年まで3シーズン活躍したLEXUS LC500と同様にDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)と共通の車両規定「CLASS 1」に沿って開発されました。流麗なGR Supraのカーデザインを反映した上で、規定に適合したGT500クラス共通のカーボンモノコックや一部の空力パーツ、ミッションなどを使用しています。エンジンも「CLASS 1」に沿った2000ccの直列4気筒直噴ターボの「RI4AG」を搭載しています。
LC500ではユーザー(TOYOTA GAZOO Racingのドライバーやチーム)の要望を積極的に採り入れ、彼らと共に開発・改善を行い、優れたドライバビリティ(操縦安定性)や整備性を長所としてきました。そして参戦した24戦で14勝を挙げ、2017年と2019年の2度のチャンピオンカーになることができました。GR Supra GT500ではこの長所を継承しつつ、さらなる改善と技術的トライを行い、ユーザーチームによる優勝とシリーズチャンピオン獲得を目指していきます。
意のままに操れる優れたドライバビリティ
さらにパワーと耐久性を両立したRI4AGエンジン
GT500クラス車両には、2000cc直列4気筒直噴ターボのエンジンが搭載されます。これはTOYOTA GAZOO RacingをはじめとするGT500参戦の3メーカーが策定した「ニッポン・レース・エンジン(NRE)」に基づくもので、SUPER GTのGT500車両とスーパーフォーミュラで使用するレース専用エンジンとして規格されました。NREはレース専用ですが、競技性を高めるだけでなく、市販車開発にも活用できる熱効率(燃焼効率)を引き上げる技術においても意義があるものです。
TOYOTA GAZOO RacingはNREとして「RI4AG」を開発し、2014年からGT500車両に搭載。もちろん2020年に投入されるGR Supra GT500にも、改良版が搭載されています。このRI4AGはユーザーであるドライバーが、意のままに操れるドライバビリティを追求。それゆえにドライバーから"レースに強いエンジン"との高評価を得ています。
また、GT500クラスでは1シーズンで1台2基のエンジンだけという規定があるため、ライバルに互するハイパワーと壊れないという高い耐久性を両立しています。
主要諸元
シャシー&ボディ | |
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ベース車両名称 | GR Supra GT500 |
ボディサイズ | 4955×1950×1150mm(全長×全幅×全高) |
最低車両重量 | 1020kg以上 |
ホイールベース | 2750mm |
トランスミッション | 6速シーケンシャル 後退1速 |
クラッチ | ZF製 |
サスペンション形式 | F:ダブルウィッシュボーン R:ダブルウィッシュボーン |
ブレーキ | F:AP Racing 6ポッド R:AP Racing 4ポッド |
エンジン | |
エンジン型式 | RI4AG |
エンジン仕様 | 水冷直列4気筒シングルターボ |
排気量 | 2000cc |
最高出力 | 550ps以上 |