MOTEGI
SUPER GT 2019年 第8戦(最終戦)もてぎ
GT500 予選/決勝
SUPER GT最終戦がツインリンクもてぎで行われ、LEXUS LC500同士の一騎打ちとなったタイトル争いは、大嶋 和也/山下 健太組 WAKO'S 4CR LC500 6号車が激戦の末に2位に入り悲願のチャンピオン獲得。平川 亮/ニック・キャシディ組 KeePer TOM'S LC500 37号車は今季初勝利を飾りましたが、2ポイント及ばずランキング2位となりました。
SUPER GT第8戦(最終戦)「MOTEGI GT 250km RACE」が11月2日(土)、3日(日)の両日、栃木県のツインリンクもてぎで開催されました。
全8戦で戦われている2019年のSUPER GTもいよいよ最終戦を迎えました。激戦の続く今季、注目のタイトル争いは2台のLEXUS LC500を含む3台がタイトルの可能性を残して最終戦に臨みました。
ランキング首位につけるのは今季2勝を挙げている大嶋 和也/山下 健太組 WAKO'S 4CR LC500 6号車。これを7点差で追うのが平川 亮/ニック・キャシディ組 KeePer TOM'S LC500 37号車。この2台がもう1台に対し圧倒的に有利な状況で最終戦を迎えることとなりました。来季のSUPER GTにはGRスープラで参戦することが発表されており、LEXUS LC500にとってはラストイヤーとなる今季、有終の美を飾るのはどちらのチームか、注目の1戦となりました。
2日(土)は朝から快晴で、暖かな日差しの下で午後2時、気温19度、路面温度25度というコンディションでノックアウト方式の予選が開始されました。
GT500クラスのQ1(15分間)は、残り8分半ほどから各車コースへ向かい、逆転タイトルを狙う平川の37号車が2番手タイム。僅差の3番手で石浦宏明のZENT CERUMO LC500 38号車が続き、中嶋一貴のau TOM'S LC500 36号車が5番手、大嶋の6号車が7番手でQ2進出。国本雄資がアタックしたWedsSport ADVAN LC500 19号車は最後に押し出される形で9番手。中山雄一のDENSO KOBELCO SARD LC500 39号車は14番手でこの2台がQ1敗退となりました。
Q2(10分間)では関口雄飛の36号車が渾身のアタックでポールポジションを獲得。最後の最後にタイムを叩き出した山下の6号車はコンマ03秒及ばず2番手ながら最前列グリッドとタイトル獲得へ向け好位置を確保しました。
追う37号車はキャシディのアタック及ばず2列目4番手。立川祐路の38号車が6番手グリッドとなりました。この結果、チャンピオン争いは6号車と37号車の2台に絞られました。
3日(日)は朝方こそ雲がかかっていたものの、心配された雨もなく、スタート時には晴れて気温20度、路面温度26度という好コンディションで、午後1時半、栃木県警の白バイとパトカーによる交通安全啓発パレードラップ、フォーメーションラップに続いて53周、250kmで争われる決勝レースのスタートが切られました。
ポールポジションの36号車中嶋一貴は順当に首位を守りましたが、2番手スタートの6号車大嶋は暖めきれなかったタイヤで当初ペースが上がらず、1周目で5位まで後退。
4番手スタートの37号車キャシディは、6号車をかわした後、6周目に1台をかわして2位へと浮上。チームメイトの36号車に続き、トムスのLEXUS LC500が1-2体制で逆転タイトルに有利な位置へとつけました。
翌周、ペースを取り戻した6号車は1台パスして4位へ上がり、この時点でタイトル争いは6号車と37号車が同点となりました。
同点では優勝回数でタイトルに届かない37号車は前を行く36号車へと迫り、6号車も負けじと猛追。19周目には3コーナーで大嶋がインにねじ込んで3位へ浮上。ポイント争いでは6号車が37号車を上回りました。
19周目を終えたところで、37号車が先陣を切ってピットイン。平川へと交代。翌周には36号車と6号車もピットへ向かい、36号車、37号車、6号車の順位は変わらない状態でコースへと復帰。アウトラップでタイヤの冷えた36号車に37号車が急接近するも、36号車の関口はポジションを堅守しました。
レース折り返しの時点ではトップ3台はそれぞれ2秒ほどの差がありましたが、その後、周回遅れに阻まれたこともありトップ3台が急接近。32周目に37号車平川が36号車関口をパスし首位に立ち、今度は37号車が逆転タイトルの位置となりました。
37号車が優勝すると、3位ではタイトルに届かない6号車は山下が猛烈なアタック。36号車の関口も絶妙なブロックで、テール・トゥ・ノーズでの激しい2位争いが数周にわたって続きました。
38周目、90度コーナー進入で6号車山下が36号車関口のインにねじ込むと、2台はそのままサイド・バイ・サイドで続くコーナーへ。最終コーナー進入時に接触した2台は、そのまま揃ってコースをショートカットする形でストレートへ。ここで6号車山下が前に出ました。
3位に後退した36号車関口はペースが上がらず、後方の38号車からも攻められる状況となり、2位に浮上した6号車は、そのまま行けばチャンピオンのポジションをキープ。
首位の37号車は充分なマージンを取ってトップチェッカー。今季初勝利を挙げました。6号車は2位でチェッカーを受け、2ポイント差で37号車を退ける形となり、大嶋と山下のコンビが今季のドライバータイトルを獲得しました。大嶋、山下共にGT500クラスでのチャンピオン獲得は初。チーム・ル・マンはJGTC時代の2002年以来17年ぶりのタイトル獲得となりました。
ドライバータイトルでの逆転は叶わなかった37号車ですが、チームタイトルを獲得しました。
3位は猛追を凌ぎきった36号車が入り、LEXUS LC500は表彰台を独占。また、4位に38号車が続き、LEXUS LC500はSUPER GT最後のレースをトップ4独占という最高の形で締め括り、ダブルタイトル獲得で有終の美を飾りました。
僕自身GT500クラスに参戦して11年目で、ようやく取れたタイトルで、ほっとしています。結果が出ず厳しい年もありましたが、そんな時もずっと僕を信じて支えてくれたチーム、そしてエンジニアや監督、メカニック全員に恩返しができたかなと思っています。今日はスタートが上手く行かず、悔しかったのですが気持ちを切り替えて追い上げました。その後は(山下)健太が本当にすごい走りをしてくれて、感謝しています。シーズン開幕当初は、まさか最後にここに居られるとは思っていませんでしたが、2戦目から皆の頑張りのお陰もあって調子を取り戻し、狙っていたタイで勝てて、上手く波に乗れた感じです。終盤戦は37号車が本当に手強く、最後の3戦とも前でゴールされたのはちょっと悔しいですが、チャンピオンを取れたのは本当に嬉しいです。
今回はチームの皆にとって特別な一戦で、絶対に勝たなくてはという強い気持ちで臨みました。僕自身はあまり緊張する方ではありませんが、今日のレース前は緊張しました。ただ、自分が後半乗り込むときには追う立場になり、緊張は吹き飛んでしまいました。厳しい展開で、36号車を抜かないとチャンピオンがないことも、関口選手のブロックがすごく上手いことも知っていました。しかし、最終戦のタイトルがかかったレースなので絶対に引けないし、引くつもりもなく攻め続けました。結果的に前に出られましたが、あそこで行かなかったら多分チャンピオンは取れなかったと思いますし、抜くことができてほっとしています。1年間支えてくれたチーム、大嶋選手、(脇阪)寿一監督、いつも良いクルマを作ってくれた阿部エンジニア、皆に感謝しています。GT500参戦2年目でチャンピオンを取ることができてとても嬉しいです。
とても難しいレースでした。強力なライバルの中でも我々のクルマが最もスピードがありましたし、冷えたタイヤで得意なスタートも完璧に決めて順位を上げられました。戦略的にも狙い通りで、レースに勝つことはできましたが、チャンピオンを取れなかったのは残念です。
僕自身はスタートから順調にポジションをキープできたんですが、後半も含め、周回遅れに遭遇するタイミングなどに恵まれなかったように感じます。(関口)雄飛もかなり頑張ってくれたんですが、どうしても流れが良くなかったようで、僕らもできる限りのことはしましたが、チームとしては残念な一日になってしまいました。今年は雄飛と組むのは2年目でお互いに慣れてきて、パフォーマンスも去年より手応えはあったんですが、上手く行かないことの多いシーズンでした。
今季はコンスタントにポイントを取れなかったのが響いたシーズンでした。今日は調子も良かったですし、優勝を狙っていたのですが、タイヤが厳しくなり、ポジションを守り切れませんでした。3位表彰台には立てましたが、悔しい結果です。
順位 | No. | 車名 | ドライバー | 周回 | ベストラップ | 所要時間/差 | タイヤ | ウエイト |
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1 | 37 | KeePer TOM'S LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 平川 亮 ニック・キャシディ | 53 | 1'39.502 | 1:31'25.868 | BS | |
2 | 6 | WAKO'S 4CR LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 大嶋 和也 山下 健太 | 53 | 1'39.372 | 12.169 | BS | |
3 | 36 | au TOM'S LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 中嶋 一貴 関口 雄飛 | 53 | 1'39.169 | 14.871 | BS | |
4 | 38 | ZENT CERUMO LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 立川 祐路 石浦 宏明 | 53 | 1'39.593 | 15.492 | BS | |
5 | 17 | KEIHIN NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E | 塚越 広大 ベルトラン・バゲット | 53 | 1'39.432 | 21.338 | BS | |
6 | 1 | RAYBRIG NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E | 山本 尚貴 ジェンソン・バトン | 53 | 1'39.070 | 22.018 | BS | |
7 | 19 | WedsSport ADVAN LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 国本 雄資 坪井 翔 | 53 | 1'40.500 | 46.232 | YH | |
8 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A | 松田 次生 ロニー・クインタレッリ | 53 | 1'39.461 | 47.481 | MI | |
9 | 16 | MOTUL MUGEN NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E | 武藤 英紀 中嶋 大祐 | 53 | 1'40.634 | 1'08.290 | YH | |
10 | 24 | リアライズコーポレーション ADVAN GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A | 高星 明誠 ヤン・マーデンボロー | 53 | 1'40.331 | 1'08.885 | YH | |
11 | 39 | DENSO KOBELCO SARD LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | ヘイキ・コバライネン 中山 雄一 | 53 | 1'40.823 | 1'29.961 | BS | |
12 | 64 | Modulo Epson NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E | ナレイン・カーティケヤン 牧野 任祐 | 52 | 1'40.086 | 1 Lap | DL | |
13 | 8 | ARTA NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E | 野尻 智紀 伊沢 拓也 | 47 | 1'39.527 | 6 Laps | BS | |
12 | カルソニック IMPUL GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A | 佐々木 大樹 ジェームス・ロシター | 13 | 1'40.824 | 40 Laps | BS | ||
3 | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A | 平手 晃平 フレデリック・マコヴィッキ | DNS | MI |