OKAYAMA
SUPER GT 2021年 第1戦(開幕戦)岡山
GT500 予選/決勝
SUPER GT第1戦「たかのこのホテル OKAYAMA GT 300km RACE」が4月10日(土)、11日(日)の両日、岡山県の岡山国際サーキットで開催されました。
2021年シーズンのSUPER GTがいよいよ開幕。昨シーズンは新型コロナウィルスの影響もあり、開幕が遅れ、開催サーキットも限られましたが、今季は一昨年までと同様、4月に岡山を舞台として開幕戦が開催される運びとなりました。
今季の同シリーズには、昨年に引き続き、トヨタはGT500クラスに6台のGRスープラで参戦。昨年、最終戦の最終ラップで失ったタイトルの悔しさを晴らすためにも、今季はタイトル奪還を目指します。
GT500クラスの参戦チームは変わりませんが、6チームのうち3チームでドライバーの変更がありました。また、GT300クラスでは昨年デビューし、初年度ながら速さを見せたGT300車両のGRスープラが1台から3台へと増加しました。
昨年はSUPER GT大会が行われなかったため、2年ぶりとなった岡山での開幕を迎え、待ちに待ったレースファンの皆様が会場へと足を運んでくださいました。好天に恵まれたこの週末、まだまだ密を避けての開催ではありましたが、イベント広場では、4月5日に発表されたばかりの新型GR 86とBRZがお披露目され、大きな注目を集めていました。
10日(土)午後2時よりノックアウト方式の予選が行われました。晴れ渡った空の下、気温15度、路面温度32度と、日差しは春の暖かさを感じさせるコンディションで予選が開始されました。
GT500クラスの予選は、15台が出走したQ1から、2年目のGRスープラ勢が速さを見せました。まずトムスで4年目のシーズンを迎える関口が、36号車で1分18秒台に入れると、ZENT CERUMO GR Supra38号車の石浦宏明がこのタイムを更新。さらに、昨年最後までタイトルを争った37号車の平川が1分17秒台に入れてトップに躍り出ました。
そして、2019年以来のシーズンフル参戦となる14号車の山下が2番手タイムで平川と石浦の間に割って入りました。WedsSport ADVAN GR Supra19号車の国本雄資は7番手タイム。そしてなかなかタイムを上げてきていなかった39号車のコバライネンはチェッカーラップで8番手に滑り込み、GRスープラ勢はトップ4を含め6台全車が、Q2進出を果たしました。
Q2では、セッション開始2分ほどで8台全車がコースインしましたが、宮田莉朋がドライブする19号車は1周でピットへ戻り、そのままガレージへ入ってしまいました。
このQ2では、37号車でシーズンエントリーされているサッシャ・フェネストラズが入国制限により今大会出場できないため、代役として37号車をドライブする阪口晴南が素晴らしいアタックを見せ、Q1での平川のタイムを上回るトップタイムをマークして見せました。
チームとしては2年目ながら、山下との、2019年シーズンチャンピオンコンビで今季を戦うこととなった14号車のQ2を担当した大嶋も1分17秒台に入れる好走を見せましたが、37号車には僅かに及ばず2番手。36号車へと今季移籍した坪井が3番手。中山雄一の39号車が4番手、立川祐路の38号車が5番手で続き、GRスープラは2021年の開幕戦を、トップ5グリッド独占でスタートすることとなりました。19号車は再出走せず、8番手グリッドとなりました。
11日(日)好天の下、気温19度、路面温度33度という暖かな春のコンディションで午後1時半に82周(300km)で競われる決勝レースのスタートが切られました。
阪口晴南がスタートを担当したポールポジションの37号車は好ダッシュを決めて後続を引き離し、2番手グリッドの14号車大嶋に3番手の36号車関口が並びかけましたが、順位は変わらず。上位勢はグリッド順のまま序盤戦に入りました。
上位が周回遅れに追いついてバトルが激化し始めた6周目に、ヘアピンで30号車がスピン。これにより8周目にセーフティカーが導入され、12周目にレース再開となりました。再スタート後もGRスープラ勢はトップ5を占める中、代役参戦ながら好走を見せる37号車の若き阪口晴南を、14号車のベテラン大嶋が激しく追撃。しかし、阪口晴南は懸命の走りで首位を堅守しました。
33周目、GT300車両がコース脇にストップしたため、セーフティカーが出る前にほとんどの車両が一斉にピットへと向かいました。大混乱となるピットで、首位につけていた37号車は若干タイムロス。山下へとドライバーチェンジした14号車が首位、坪井に代わった36号車が2位、中山雄一の39号車が3位へと上がり、平川へと代わった37号車は4位へと順位を落としてしまいました。
その直後にセーフティカーが出され、隊列を整えて40周目に再スタート。ピットインしていなかった1台に続く2位で再スタートを切った山下の14号車はすぐに首位を奪還すると、その後は追いすがる36号車坪井とのマッチレースになりました。
その後方では39号車の中山雄一に37号車平川が襲いかかり、56周目についに平川が3位に浮上。この時点で3位の37号車と2位の36号車とは15秒もの差があり、首位争いは完全に14号車と36号車のバトルとなりました。
同じ25歳同士、若きドライバー2人による首位争いは後半戦ずっと続き、終盤には何度も並びかける展開となりましたが、14号車山下は懸命に凌ぎ、息をもつかせぬバトルが続きました。
残り8周となった75周目、勝負に出た36号車坪井はバックストレートで並び、続くヘアピンへの進入でブレーキング勝負となりましたが、ここで坪井は止まりきれず痛恨のオーバーラン。なんとかそのままグラベルを突っ切ってコースには復帰しましたが、14号車山下との差は9秒ほどに広がり万事休す。
厳しいタイヤの摩耗に苦しみながらも首位を堅守した14号車山下はこれで楽になり、そのままトップチェッカー。開幕戦を制するとともに、チーム創設2年目のTGR TEAM ENEOS ROOKIEに初勝利をもたらしました。
惜しくも逆転はならなかったものの最後まで健闘を見せた36号車が2位。37号車が3位。終盤後続の猛追を受けるも逃げ切った39号車が4位でチェッカーを受け、GRスープラは2021年の開幕戦をトップ4独占という好結果で終えました。38号車は6位でポイント獲得。19号車は12位に終わりました。
順位 | No. | 車名 | ドライバー | 周回 | 所要時間/差 | グリッド |
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1 | 14 | ENEOS X PRIME GR Supra | 大嶋 和也/山下 健太 | 82 | 2:06'55.425 | 2 |
2 | 36 | au TOM'S GR Supra | 関口 雄飛/坪井 翔 | 82 | 1.187 | 3 |
3 | 37 | KeePer TOM'S GR Supra | 平川 亮/阪口 晴南 | 82 | 13.621 | 1 |
4 | 39 | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | ヘイキ・コバライネン/中山 雄一 | 82 | 30.142 | 4 |
5 | 17 | Astemo NSX-GT | 塚越 広大/ベルトラン・バゲット | 82 | 30.562 | 9 |
6 | 38 | ZENT CERUMO GR Supra | 立川 祐路/石浦 宏明 | 82 | 31.677 | 5 |
7 | 8 | ARTA NSX-GT | 野尻 智紀/福住 仁嶺 | 82 | 32.171 | 14 |
8 | 1 | STANLEY NSX-GT | 山本 尚貴/武藤 英紀 | 82 | 32.929 | 11 |
9 | 3 | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R | 平手 晃平/千代 勝正 | 82 | 33.438 | 10 |
10 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 平峰 一貴/松下 信治 | 82 | 46.798 | 13 |
12 | 19 | WedsSport ADVAN GR Supra | 国本 雄資/宮田 莉朋 | 82 | 58.091 | 8 |