2021 Rd.4 MOTEGI

SUPER GT 2021年 第4戦 もてぎ

    酷暑の中で猛追を見せた国本/宮田組GR SUPRAが2位フィニッシュ 関口/坪井組が3位で今季2度目の表彰台

    GT500 予選/決勝

    酷暑の中で猛追を見せた国本/宮田組GR SUPRAが2位フィニッシュ
    関口/坪井組が3位で今季2度目の表彰台

     SUPER GT第4戦「MOTEGI GT 300km RACE」が7月17日(土)、18日(日)の両日、栃木県のツインリンクもてぎで開催されました。
     今季、第3戦として5月末に予定されていた鈴鹿ラウンドが8月に延期となったことで、ゴールデンウィークの第2戦富士ラウンド以来、約2ヶ月半ぶりのSUPER GTとなります。 今季のSUPER GTは、開幕戦でGR SUPRAがトップ4を独占する速さを見せ、第2戦では惜しくも勝利は逃したものの、2位、3位を獲得。第1戦で勝利、第2戦で2位と連続表彰台の大嶋 和也/山下 健太組 ENEOS X PRIME GR Supra 14号車がドライバーズランキングで首位につけています。
     例年、もてぎでのSUPER GTは最終戦として比較的寒い時期に行われてきましたが、昨年のコロナ禍で行われたシリーズと同様、今年も年2回の開催で、1回目は真夏の7月開催となりました。ブレーキやタイヤ、車両とドライバーにも厳しいと言われるもてぎで、熱い戦いが繰り広げられました。
     今大会も、KeePer TOM'S GR Supra 37号車のシーズンエントリードライバーとして登録されているサッシャ・フェネストラズが入国できないため、代役として阪口晴南がドライブ。この阪口晴南が乗るはずだったGT300クラスのK-tunes RC F GT3 96号車は、TGR-DCドライバーの平良響が開幕2戦に続きドライブします。
     今大会も新型コロナウイルス感染拡大防止策を十分に配慮した上で、有観客で開催。イベント広場には、8/6公開の映画「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」に使用されたGR SUPRAが展示され、大きな注目を集めていました。

    映画「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」に使用されたGR SUPRAがイベント広場に展示され、ファンの注目を集めていました
    映画「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」に使用されたGR SUPRAがイベント広場に展示され、ファンの注目を集めていました

    予選

     7日(土)、梅雨が明けたばかりのもてぎは、強い日差しに照らされ、猛烈な暑さとなりました。午後2時15分、気温33度、路面温度45度という灼熱のコンディションで、ノックアウト方式の予選が開始されました。
     10分間で行われたQ1は、上位8台がQ2へと進出します。残り8分程から各車コースへ向かい、セッション終盤にアタック開始。19号車の国本がGR SUPRA勢最上位の3番手タイムをマーク。第1戦、第2戦と連続3位表彰台で、ランキング3位につける37号車は平川亮のドライブで4番手。第2戦で2位に入りランキング4位の36号車は坪井が5番手タイムをマークしました。石浦宏明がアタックしたZENT CERUMO GR Supra 38号車は最後に7番手タイムで滑り込み、ここまでの4台がQ2進出。
     中山雄一がアタックしたDENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車は12番手、ランキングトップで70kgものサクセスウェイトとなり、2段階の燃料リストリクター規制を受けることとなった14号車は、大嶋がアタックするも13番手に終わりました。
     Q2では、前戦でポールポジションをマークした19号車の宮田が、1分37秒台に入れる好走を見せましたが、惜しくも0.05秒届かず、最前列2番手グリッドを確保しました。関口の36号車は最後のアタックでやはり1分37秒台に入れ2列目4番手。阪口晴南の37号車が5番手。立川祐路の38号車は8番手から決勝レースに臨むこととなりました。

    最前列2番手グリッドを獲得したWedsSport ADVAN GR Supra 19号車(国本 雄資/宮田 莉朋)
    最前列2番手グリッドを獲得したWedsSport ADVAN GR Supra 19号車(国本 雄資/宮田 莉朋)

    ランキング3位につけるKeePer TOM'S GR Supra 37号車(平川 亮/阪口 晴南)は、5番手から決勝レースに臨むことになりました。
    ランキング3位につけるKeePer TOM'S GR Supra 37号車(平川 亮/阪口 晴南)は、5番手から決勝レースに臨むことになりました。

    予選アタックに向かうZENT CERUMO GR Supra 38号車(立川 祐路/石浦 宏明)
    予選アタックに向かうZENT CERUMO GR Supra 38号車(立川 祐路/石浦 宏明)

    決勝

    18日(日)も好天に恵まれ、気温33度、路面温度は51度という厳しい暑さの中、午後1時10分に63周、300kmで争われる決勝レースのスタートが切られました。
     1コーナー進入から1列目、2列目ともにサイド・バイ・サイドのバトルが展開。国本が最前列2番手からのスタートを担当した19号車は首位の車両に迫りますが、惜しくも抜けず、2位をキープ。その後方では、4番手、5番手スタートの関口の36号車、阪口晴南の37号車がひとつずつポジションアップを果たしました。
     スタート直後こそペースの上がらなかった国本の19号車でしたが、タイヤが暖まるとペースを上げて首位との差を一気に詰め、周回遅れが出始めた7周目、アウト側から豪快に前車をパス。首位に立ちました。
     首位に立った19号車は後続を引き離して行き、その差は一時4秒以上にまで広がりました。
    レースが3分の1を過ぎると、徐々にドライバー交代と給油、タイヤ交換のためにピットイン。首位を行く19号車は28周終了時でピットイン。しかし、タイヤ交換作業中にややミスがありタイムロス。ライバルの先行を許すこととなってしまいました。
     先にピットインした5位走行中の37号車もタイムをロスし、大きく順位を落とすこととなりました。
     国本から宮田へとドライバーチェンジした19号車は、コース復帰時で実質的な首位の車両に5秒ほどの差をつけられていましたが、タイヤが暖まると宮田が猛追。ライバルよりもはるかに速いペースでその差を削り取っていき、35周目にはその差は1秒以内。テール・トゥ・ノーズでコーナーごとに前車にプレッシャーをかけ、息を飲むような首位争いが続きました。
     41周目、GT300クラスの35号車から出火し、コース脇にストップ。このアクシデントにより、コース内の車両は全車80km/h制限のフルコースイエロー(FCY)が導入されました。43周目にFCYは解除されましたが、46周目にも他者の接触により2度目のFCY。このFCY解除の時には、首位の車両と19号車は3秒ほどまで差が開いてしまいました。
     諦めない19号車の宮田は、なおも追い上げを続け、残り10周の時点で再びその差は1秒を切るまでに詰め寄りましたが、首位を行く車両の巧みなブロックを破ることはできず、2位でフィニッシュ。2019年の第4戦タイラウンド以来2年ぶりとなる表彰台を獲得しました。
     関口から坪井へとドライバーチェンジし、終始着実なレースを戦った36号車は3位で続き、今季2度目の表彰台を獲得。ピットインで順位を落としながらも追い上げた37号車が7位、38号車が8位、39号車が10位でポイントを獲得しました。

    首位を争い、2位フィニッシュを果たしたWedsSport ADVAN GR Supra 19号車(国本 雄資/宮田 莉朋)
    首位を争い、2位フィニッシュを果たしたWedsSport ADVAN GR Supra 19号車(国本 雄資/宮田 莉朋)

    3位でフィニッシュし、今季2度目の表彰台を獲得したau TOM'S GR Supra 36号車(関口 雄飛/坪井 翔)
    3位でフィニッシュし、今季2度目の表彰台を獲得したau TOM'S GR Supra 36号車(関口 雄飛/坪井 翔)


    WedsSport ADVAN GR Supra 19号車 ドライバー 国本雄資:

     2番手からのスタートで、1周目に絶対前を抜くつもりでいたんですが、ウォームアップは向こうの方が良く、1周目はチャンスがありませんでした。逆に後から36号車に迫られて厳しい場面もありましたが、タイヤが暖まってからは良いペースで走れました。ちょうどトラフィックが来たときに、タイヤ的にも一番ピークな時があって、チャンスはここしかないと思っていて、運良く4コーナー、一番引っかかったらロスするようなところで前が引っかかってくれたので、ここは絶対逃すまいとブレーキングで勝負して、抜くことができました。その後もペースは良かったですし、トラフィックの巡り合わせもすごく良くて、ギャップを作ることができたので、そういった部分では、僕のスティントでは運も味方してくれてトップを守ることができました。結果としての2位はちょっと悔しいですけれども、ただ、長い間結果が出ていなかったので、悔しい反面、ほっとしているというか、これから良い流れに乗れるように頑張りたいです。

    WedsSport ADVAN GR Supra 19号車 ドライバー 宮田莉朋:

     国本選手がトップに出ることができて、ペースは良かったんですが、ライバルの燃費の良さだったりとか、そういう所で負けてしまって先行を許してしまいました。そうは言っても、5秒くらい差があったのをなんとか射程圏内まで持って行けたんですが、そのあとFCYとか様々な要因で、僕らには運が向いてなくて、優勝することはできませんでした。本当は勝ちたかったですが、去年の今頃はポイントを取れるか否かの状況だったので、それをここまで来られたというのはみんなの努力が、結果として身になっているので、悔しいと思えるこの時間が本当に幸せだと思いますし、もっとこれから、予選もそうですが、決勝もトップ争いができるように、努力をし続けて優勝を目指して頑張ります。次の鈴鹿はちょっとウェイトを積む状況でのレースになると思うので、正直ウェイトを積んだ状態での車のパフォーマンスは未知数なんですが、暑い鈴鹿も1000kmでは調子よかったですし、貪欲に結果を求めてプッシュしたいと思います。

    SUPER GT 2021年 第4戦 もてぎ 決勝結果:GT500
    順位No.車名ドライバー周回所要時間/差グリッドSW
    11STANLEY NSX-GT山本 尚貴/牧野 任祐631:54'03.865122
    219WedsSport ADVAN GR Supra国本 雄資/宮田 莉朋633.221210
    336au TOM'S GR Supra関口 雄飛/坪井 翔6311.880430
    416Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT笹原 右京/大湯 都史樹6329.2263
    58ARTA NSX-GT野尻 智紀/福住 仁嶺6330.521914
    63CRAFTSPORTS MOTUL GT-R平手 晃平/千代 勝正6354.164716
    737KeePer TOM'S GR Supra平川 亮/阪口 晴南6356.742546
    838ZENT CERUMO GR Supra立川 祐路/石浦 宏明6357.272810
    923MOTUL AUTECH GT-R松田 次生/ロニー・クインタレッリ6357.77310
    1039DENSO KOBELCO SARD GR Supraヘイキ・コバライネン/中山 雄一6358.3201226
    1314ENEOS X PRIME GR Supra大嶋 和也/山下 健太621 Lap1370