2023 Rd.2 FUJI

SUPER GT 2023年 第2戦 富士

    坪井/宮田組GRスープラが独走で今季初勝利

    GT500 予選/決勝

    坪井/宮田組GRスープラが独走で今季初勝利

     SUPER GT第2戦「FUJIMAKI GROUP FUJI GT 450km RACE」が5月3日(水)、4日(木)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。
     今大会は、シリーズで通常戦われている距離の300kmに対し1.5倍の450kmで行われます。給油のためのピットインが2回義務づけられると共に、3人目のドライバーをエントリーすることができます。
     開幕戦の岡山大会は、予選、決勝を通して雨に見舞われる中での大荒れの展開で、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)勢では大嶋 和也/山下 健太組 ENEOS X PRIME GR Supra 14号車が4位、立川 祐路/石浦 宏明組 ZENT CERUMO GR Supra 38号車が5位と表彰台を逃す結果となり、今大会でのTGR勢の巻き返しに期待がかかりました。
     恒例のゴールデンウィーク期間中の開催となる今大会は好天に恵まれ、予選、決勝日の2日間を通じて8万人ものモータースポーツファンの皆様が入場。イベント広場のトークショーや、ピットウォークなどにも数多くのファンが訪れ、SUPER GTとしては3年ぶりにトヨタくま吉も登場し、大盛況のイベントとなりました。
     イベント広場のTGRブースには、先日発表されたばかりのGR Supra GT4 EVOと、GR Supra GT4生産100台到達記念特別車両“Plasma Orange 100 Edition”が初めて展示され、注目を集めていました。

    イベント広場のTGRブースには、先日発表されたばかりのGR Supra GT4 EVOと、GR Supra GT4生産100台到達記念特別車両“Plasma Orange 100 Edition”が初めて展示
    イベント広場のTGRブースには、先日発表されたばかりのGR Supra GT4 EVOと、GR Supra GT4生産100台到達記念特別車両“Plasma Orange 100 Edition”が初めて展示

    人気コンテンツのドライバートークショーにも多くのファンの皆様が集まった
    人気コンテンツのドライバートークショーにも多くのファンの皆様が集まった

    予選

     3日(水)は朝から好天に恵まれました。午前中の公式練習走行を経て、気温20度、路面温度32度の中、午後3時15分よりノックアウト方式での予選が行われました。
     Q1から僅差のタイムでアタック合戦が繰り広げられました。午前中の公式練習走行でもTGR勢トップタイムをマークした山下の14号車が真っ先に1分26秒台に入れる好走を見せると、翌周には36号車の坪井も1分26秒台に突入。終盤タイムを上げてきたライバル勢にかわされるも、14号車は4番手、36号車が5番手に。国本雄資のアタックしたWedsSport ADVAN GR Supra 19号車も7番手に入り、この3台がQ2へ進出を決めました。
     笹原 右京がアタックしたDeloitte TOM'S GR Supra 37号車は11番手、石浦の38号車はタイヤを暖めている最中にブレーキのミスでコースオフ。これでタイヤを傷めてしまい13番手。関口雄飛がアタックを担当したDENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車は、アタックラップで他車に引っかかるなどタイムを伸ばせず15番手に終わりました。
     Q2では、昨年2回行われた富士大会でどちらもポールポジションを獲得した19号車の阪口晴南が好アタックを見せましたが、0.076秒及ばず2番手。富士での3戦連続ポールポジション獲得はならなかったものの、最前列グリッドを獲得しました。
     また、出走した全8台がほぼコンマ5秒以内に入るという僅差の争いの中、14号車の大嶋は、最後のアタックで2列目4番手グリッドを確保。宮田の36号車は6番手から決勝をスタートすることとなりました。

    最前列グリッドを獲得したWedsSport ADVAN GR Supra 19号車(国本 雄資/阪口 晴南)
    最前列グリッドを獲得したWedsSport ADVAN GR Supra 19号車(国本 雄資/阪口 晴南)

    2列目4番手グリッドを確保したENEOS X PRIME GR Supra 14号車(大嶋 和也/山下 健太)
    2列目4番手グリッドを確保したENEOS X PRIME GR Supra 14号車(大嶋 和也/山下 健太)

    決勝

     決勝日の4日(木)は前売り券が完売となり、5万人近いファンの皆様がサーキットに集結。埋め尽くされたグランドスタンドの前で、熱戦が繰り広げられました。
     午後1時半、気温22度、路面温度38度とこの期間中では一番暑いコンディションの中、静岡県警の白バイとパトカー先導によるパレードラップ、フォーメーションラップを経て、100周450kmのレースがスタートしました。
     最前列2番手の国本の19号車はスタートではポジションをキープ。4番手スタートの大嶋の14号車と、6番手スタートの坪井の36号車はTGRコーナー(1コーナー)進入でややアウトにふくらみ、14号車は9位、36号車は7位へとポジションダウン。坪井はすぐに追い上げ、4周目には19号車を含む3台を一気にパスして4位へ浮上しました。
     36号車坪井の勢いは止まらず、20周目にはコカコーラコーナーで大外から豪快にリアライズコーポレーション ADVAN Z 24号車をかわして3位へとポジションアップ。31周目に前を行く2台のNSXがピットへ向かい首位に立つと、36号車も32周を終えたところでピットインして、給油とタイヤ交換を行いました。素早いピット作業にも助けられ、36号車はこの時点で1回目のピットを終えた組の中で首位に浮上しました。
     40周目を終えたところで、GT500クラス車両は全車1回目のピットを終え、坪井の36号車がトップ、国本の19号車が8位、山下へと交代した14号車が11位、関口から中山へと交代した39号車が13位、予選でタイヤを傷めたため、タイヤ交換してピットスタートすることを選択した38号車が14位。
     首位を行く36号車の坪井は、当初5秒ほどだった2位との差をじりじりと広げていき、その差を10秒以上として63周を終えてピットイン。宮田へとドライバー交代を行いました。ここでも36号車はピット作業を素早く行い、2回目のピットを終えた組での首位をキープ。2位とは15秒以上の差を保ってのコース復帰となりました。
     78周目に全ての車両が2度目のピットを終え、36号車の宮田は首位に復帰。この時点で2位とは17秒の差となっていました。後方では、山下の14号車が猛追を見せてポジションアップ。82周目には前を行く37号車アレジとの抜きつ抜かれつのバトルを展開し観客を沸かせました。このバトルを制し7位へと浮上した山下は、更に前で展開されていた4位争いのバトルに加わりました。
     残り5周で3位を走行していた24号車Zがアクシデントによりピットイン。これで6位となった14号車山下は、TGRコーナー進入でNiterra MOTUL Z 3号車をパスし5位浮上。その後、3位の車両がスローダウンしたことで4位に順位を上げました。
     首位を独走する36号車の宮田は、終盤もペースを緩めることなく後続との差を広げていき、最後は28秒もの大差をつけてトップチェッカー。TGRのGRスープラ勢にとって今季初勝利を飾ると共に、坪井、宮田のコンビでも初勝利。悔しい思いをした開幕戦岡山の雪辱を果たしました。坪井はチャンピオンを決めた一昨年の最終戦以来、宮田にとっては去年の第4戦富士大会以来となる、どちらも通算2勝目。宮田は2週間前のスーパーフォーミュラでも初勝利を飾っており、嬉しい連続勝利となりました。
     後半見事な追い上げを見せた14号車は4位フィニッシュ。37号車が6位、最後尾15番手スタートから粘り強く追い上げた39号車が8位でポイント獲得を果たしました。

    今季初勝利を飾ったau TOM'S GR Supra 36号車(坪井 翔/宮田 莉朋)
    今季初勝利を飾ったau TOM'S GR Supra 36号車(坪井 翔/宮田 莉朋)

    ENEOS X PRIME GR Supra 14号車(大嶋 和也/山下 健太)は4位フィニッシュ
    ENEOS X PRIME GR Supra 14号車(大嶋 和也/山下 健太)は4位フィニッシュ

    au TOM'S GR Supra 36号車 ドライバー 坪井翔:

     スープラと富士は相性いいと思ってますし、僕自身も富士は結構得意としている部分もあったので、昨日の段階から決勝にかける意気込みはありました。速さがあることは分かっていましたし、今日は岡山の借りを返すつもりで来たので、その借りをしっかり返せて最高の結果ですし、ちゃんと結果でチームに恩返しできたことは非常に嬉しいです。6番手スタートで前を抜いていかなくてはならない状況で、しっかりファースト、セカンドスティントでトップまで上がることができたので、そこは非常に良かったですが、それ以上に、最後は莉朋がめちゃくちゃ速いペースでリードを更に広げてくれたので、これは絶対次に生きてくると思います。次からはちょっとサクセスウエイトで車両が重くなるので、勝つレースというのはなかなか難しくなるとは思いますが、本当に流れは良いと思うので、しっかりこれをキープして、チャンピオン争いに常に絡んでいられるように、良いレースを次もしたいと思います。

    au TOM'S GR Supra 36号車 ドライバー 宮田莉朋:

     予選で6番手からのスタートで、坪井選手が担当した序盤は後で追突があったりして、ちょっと波乱の展開ではあったんですが、僕たち力をあわせて、チームも前回の開幕戦で悔しい思いをした分、しっかり改良を重ねて、優勝することができました。今日は僕じゃなくて坪井選手が頑張ってトップに立ってくれたことが大きいですが、勝てたことは嬉しいです。実は4年前、僕はこのau(36号車)に代打で乗ってトラブルで止まってしまい、前回もトラブルで止まっちゃったので完走率0%だったんですが、こうして大差で勝つことができて、ようやく36号車で結果を残せて本当に嬉しいです。

    SUPER GT 2023年 第2戦 富士 決勝結果:GT500
    順位No.車名ドライバー周回所要時間/差グリッドSW
    136au TOM'S GR Supra坪井 翔/宮田 莉朋1002:33'36.1516
    2100STANLEY NSX-GT山本 尚貴/牧野 任祐10028.5191
    317Astemo NSX-GT塚越 広大/松下 信治10049.37088
    414ENEOS X PRIME GR Supra大嶋 和也/山下 健太10050.466416
    53Niterra MOTUL Z千代 勝正/高星 明誠10058.159930
    637Deloitte TOM'S GR Supra笹原 右京/ジュリアーノ・アレジ10059.58511
    723MOTUL AUTECH Z松田 次生/ロニー・クインタレッリ1001:04.9101042
    839DENSO KOBELCO SARD GR Supra関口 雄飛/中山 雄一1001:05.169156
    91MARELLI IMPUL Z平峰 一貴/ベルトラン・バゲット1001:20.0991210
    1016ARTA MUGEN NSX-GT福住 仁嶺/大津 弘樹1001:21.1993
    1219WedsSport ADVAN GR Supra国本 雄資/阪口 晴南991 LAP24
    1338ZENT CERUMO GR Supra立川 祐路/石浦 宏明991 LAP1312