SUZUKA
SUPER GT 2023年 第5戦 鈴鹿
GT500 予選/決勝
SUPER GT第5戦「SUZUKA GT 450km RACE」が8月26日(土)、27日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催されました。
全8戦で競われている今季のSUPER GTも後半戦に入りました。第5戦の舞台は、第3戦に続き今季2度目の開催となる鈴鹿。TOYOTA GAZOO Racing勢は、6月に行われた第3戦鈴鹿で19号車が優勝、36号車が2位で1-2フィニッシュと好結果を残しています。
36号車は現在ランキング2位につけており、88kgと重いサクセスウェイトながら、チャンピオン奪還へ向け着実なポイント獲得を目指します。サクセスウェイトの軽い車両は後半戦での巻き返しに向けて活躍が期待されます。
サーキット内GPスクエアには、TOYOTA GAZOO Racingブースが設置され、訪れるモータースポーツファンの皆様へ向けた多くのコンテンツが展示されました。特に、今季限りでSUPER GTドライバーの引退を発表している立川にとっては最後の鈴鹿でのレースとなることもあり、チャンピオン獲得時の車両である2005年ZENT CERUMO SUPRA、2013年ZENT CERUMO SC430の他、レーシングギア、優勝トロフィーなども展示され、ファンの皆様の注目を集めていました。立川と脇阪寿一、高木虎之介とのトークショーには、多くのお客様が集まり、会場が大いに盛り上がりました。
また、レクサスくま吉がSUPER GTの現場に4年ぶりに登場。サーキットの様々な場所でお客さまを楽しませていました。
26日(土)予定よりも10分遅れの午後3時20分より、気温33度、路面温度52度という猛烈な暑さの中で、ノックアウト方式の予選が行われました。
Q1には14号車が大嶋、36号車は宮田、Deloitte TOM'S GR Supra 37号車がジュリアーノ・アレジ、38号車は石浦、39号車は関口がアタックを担当。
TGR勢はやや早めにアタックに入り、石浦の38号車が1分47秒176の好タイムをマーク。他のTGR勢の車両もQ2進出圏内のトップ8につけていましたが、セッション終了間際にライバル勢がタイムを更新していきました。結局、38号車が7番手でQ2進出を決めるも、14号車が11番手、39号車が12番手、19号車が13番手、37号車が14番手、36号車が15番手と、GRスープラは5台がQ1で敗退。決勝での追い上げを目指すこととなりました。
Q2では、TGR勢で唯一進出した38号車を鈴鹿ラストランとなる立川がアタックして、6番手のタイムをマーク。その後、走路外走行で1台の車両がタイム抹消となったことで順位が繰り上がり、決勝レースは5番手グリッドを獲得しました。
27日(日)も朝から好天に恵まれ、午後2時45分、気温33度、路面温度50度と変わらぬ猛暑の中で、三重県警の白バイとパトカー先導によるパレードラップ、フォーメーションラップを経て77周で競われる決勝レースがスタートしました。
序盤、5番手スタートの38号車を含め、上位勢は順位変動のない展開となりました。一方、後方から追い上げることとなった他のTGR勢は、1周目に11番手スタートの14号車山下が1台かわして10位、12番手スタートの39号車関口も1台かわすなど、着実な追い上げを開始しました。
今大会は450kmレースのため、2回の給油ピットインが義務づけられており、ピットインが許可される、首位が5周目を終えたところから各チームは様々なピット戦略を採りました。TGR勢はややピットを引っ張る戦略を採り、他車のピットインで8位に上がった14号車山下は、前を行く4位争いのグループに追いつき、更なる上位浮上を目指しました。
10周目にはGT300クラスの車両がタイヤ脱落のアクシデントでストップ。レースはフルコースイエロー(全車80km/hに制限)が出されると、運良くこのタイミングでピットに入れた車両がある中、TGR勢は全車そのまま走行を継続。
FCY解除後、5位を走行していた立川が駆る38号車は15周目の1コーナーでアウト側から見事なパッシングを見せ4位へと浮上しました。
追い上げを見せていた14号車は17周終了でピットへ向かい、大嶋へとドライバーチェンジ。さらに他の車両もピットへ向かい、2位へと順位を上げた38号車立川は、ハイペースで周回を重ね、首位との差をじりじりと詰めていきました。
27周を終えたところで、38号車を含むその時点での上位3台が一斉にピットイン。38号車は立川から石浦へとドライバー交代しました。
29周を終えて、宮田の36号車がピットインし、坪井へとドライバー交代。これで全車が1度目のピットを終え、12番手スタートから関口が追い上げを見せた39号車が4位、14号車が5位、37号車が8位、38号車は10位につけました。
TGR勢最上位へ浮上した関口の39号車は、前を行くNiterra MOTUL Z 3号車との激しい3位争いを展開。32周目の1コーナーでアウトからかわし、3位へ浮上。この後につけていた大嶋の14号車も続いて3号車との激しいバトルを展開し、4位へとポジションを上げました。
レースは後半に入り、各車2度目のピットへ。全車が2度目のピットを終えた時点で、39号車が3位、その後に5位の38号車、6位の14号車まで4台が連なり、激しい表彰台争いとなりました。
57周目のシケイン進入で14号車山下は38号車石浦をパスして5位に浮上。勢いに乗る山下は翌周にはAstemo NSX-GT 17号車もかわして、4位へ順位を上げると、後半は逃げる中山の39号車を、山下の14号車が追い、表彰台争いのバトルが続くこととなりました。
GT300クラスの周回遅れ車両をかいくぐりながらのこのバトルは最後まで続きましたが、39号車中山は14号車山下の猛追を凌ぎ切り、3位でチェッカー。レース後、2位の車両が失格となったため、39号車は2位という結果になりました。11番手スタートの14号車は3位となり、39号車と共に今季初表彰台を獲得しました。38号車は6位。終盤、19号車、36号車、37号車の3台のGRスープラによるバトルは、逃げ切った阪口の19号車が9位、坪井の36号車が10位でポイント獲得を果たしました。
今日は 12番手グリッドからしっかり追い上げて、表彰台を獲得できました。自分はスタートと真ん中のスティントを担当しましたが、最初のスティントはあまりペースが良くなかったので、どちらかというと早めのピットインを選択して、違う種類のタイヤに履き替えたところ、それが今の車とすごくマッチして追い上げることができました。後半は、中山選手に変わってから、GT300クラス車両の巡り合わせが悪かったりして、後ろ4,5台くらいに迫られることになりましたが、そこを中山選手がしっかり押さえてくれて、3位になれて、今日の結果には満足しています。
今シーズンここまであまり結果が残ってない中で、昨日の予選も12番手と結構悔しい結果だったんですが。今日は寿一さん(脇阪監督)の作戦と、関口選手の力強い走りで3位まで上がって、僕がバトンを受けとってからも、そのポジションはなんとか死守しようと思いながら走りました。本当に皆さんの応援で最後3位でなんとかゴールすることができました。シーズンはまだ残り3戦あり、まだまだ巻き返せると思うので、強い気持ちで戦っていきたいと思います。
(コメント後、2位の車両が失格となり、39号車は2位に繰り上がりました)
順位 | No. | 車名 | ドライバー | 周回 | 所要時間/差 | グリッド | SW |
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1 | 16 | ARTA MUGEN NSX-GT | 福住 仁嶺/大津 弘樹 | 77 | 2:32'27.491 | 1 | 32 |
2 | 39 | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 関口 雄飛/中山 雄一 | 77 | 24.372 | 12 | 16 |
3 | 14 | ENEOS X PRIME GR Supra | 大嶋 和也/山下 健太 | 77 | 26.2 | 11 | 42 |
4 | 17 | Astemo NSX-GT | 塚越 広大/松下 信治 | 77 | 26.825 | 3 | 42 |
5 | 1 | MARELLI IMPUL Z | 平峰 一貴/ベルトラン・バゲット | 77 | 29.758 | 9 | 36 |
6 | 38 | ZENT CERUMO GR Supra | 立川 祐路/石浦 宏明 | 77 | 40.231 | 5 | 26 |
7 | 100 | STANLEY NSX-GT | 山本 尚貴/牧野 任祐 | 77 | 42.979 | 8 | 54 |
8 | 64 | Modulo NSX-GT | 伊沢 拓也/太田 格之進 | 77 | 53.659 | 4 | 32 |
9 | 19 | WedsSport ADVAN GR Supra | 国本 雄資/阪口 晴南 | 77 | 01:08.6 | 13 | 44 |
10 | 36 | au TOM'S GR Supra | 坪井 翔/宮田 莉朋 | 77 | 01:09.0 | 15 | 88 |
11 | 37 | Deloitte TOM'S GR Supra | 笹原 右京/ジュリアーノ・アレジ | 77 | 01:09.4 | 14 | 16 |