2023 Rd.7 AUTOPOLIS
SUPER GT 2023年 第7戦 オートポリス

GT300 予選/決勝
SUPER GT第7戦「AUTOPOLIS GT 450km RACE」が10月14日(土)、15日(日)の両日、大分県のオートポリスで開催されました。
全8戦で競われている今季のSUPER GTも残すところ2戦となりました。ここまでの6戦は獲得ポイント×2kgのサクセスウェイト(GT500クラス。GT300クラスは×3kg)が課され、特に前半戦で好成績を残したチームにとっては中盤戦以降厳しい戦いが続いていましたが、今大会はサクセスウェイトが獲得ポイント×1kgと半減(GT300クラスは×1.5kg)となります。
14日(土)午後3時よりノックアウト方式で予選が行われました。朝方は小雨も見られたものの、曇り空ながら天候は回復し、気温は18度、路面温度は25度の完全なドライコンディション。
2グループに分けてQ1を実施。A組では51kgのサクセスウェイトを積みながらも午前中の練習走行でトップタイムと好調な2号車の平良がA組では唯一1分42秒台に入れる速さを見せてトップに。そしてランキング首位で75kgのサクセスウェイトを積む52号車の川合が2番手で続きました。イゴール・オオムラ・フラガのANEST IWATA Racing RC F GT3 50号車が5番手、高木真一のK-tunes RC F GT3 96号車が7番手に入り、A組は4台全車がQ2へと進出を果たしました。
B組では、根本の31号車が2番手タイム。平中克幸のシェイドレーシング GR86 GT 20号車が6番手でQ2へ進出。上村優太のapr GR86 GT 30号車は9番手、吉本大樹のSyntium LMcorsa GR Supra GT 60号車は10番手でQ1敗退に終わりました。
Q2では、小高の31号車が42秒342という好タイムをマーク。そして好調2号車の堤は1分42秒016というコースレコードを更新するタイムを叩き出し、自身初となるポールポジションを獲得しました。
31号車は3番手。吉田の52号車が4番手で2列目に並ぶことに。清水英志郎の20号車は8番手、新田守男の96号車が12番手、古谷悠河の50号車は15番手から決勝をスタートすることとなりました。
15日(日)は天候が回復。気温17度、路面温度27度とやや肌寒いものの路面はドライコンディション。午後1時半、グランドスタンドを埋め尽くしたファンの皆様の見守る中、に大分県警の白バイとパトカー先導によるパレードラップ、フォーメーションラップを経て、97周、450kmの長丁場で競われる決勝レースのスタートが切られました。
ポールポジションの2号車平良、3番手の31号車小高、4番手の52号車川合とグリッド通りの順当なスタートを切りましたが、31号車は5周目という早いタイミングで最初のピットインを行う変則的な作戦に。これで3位に上がった52号車は8周目に2位に上がると、2号車を猛追。18周目に52号車が2号車をパスして首位に浮上しました。
1回目のピットを終えたところで52号車、31号車、2号車のトップ3となり、52号車と31号車はやや早めに2度目のピットへ。57周目まで2回目を遅らせた2号車がピットへ向かい、コース復帰後31号車をパス。堤の2号車は4秒ほどあった52号車との差を削っていき、ここからチェッカーまで20周以上にわたってテール・トゥ・ノーズでの首位争いが繰り広げられました。
最後まで諦めない2号車の堤が追撃を続けましたが、52号車の吉田も懸命な走りで凌ぎ切り、トップでチェッカー。52号車が前戦SUGOに続き2連勝を飾りました。2号車は惜しくも2位。この結果、2号車がランキング2位へと浮上するも、52号車とのポイント差は20点に。チャンピオン争いはこの2台に絞られることとなりました。3位にはこちらも後続の追撃から逃げ切った31号車が入り、LEXUS LC500hは初の表彰台を獲得。そしてGT300クラスはTGR/LEXUS勢が表彰台独占という結果となりました。
我々のチームは、店舗から来たメカニックが、今回もバッチリ完璧なタイヤ交換作業で送り出してくれました。初めは戦っている相手が見えてない状況で約50周と長い自分のスティントでタイヤをもたせなきゃいけないということを意識して走っていました。僕らはタイヤを2回に分けて走りましたが、同じタイヤで走っていた2号車が3スティントに分けてきて、ビットから出てきたらやっぱり早い段階で後ろにつかれてしまいました。残り30周、正直抑えきれるのかとも思いましたが、前日ロングランのペースも確認できてましたし、(川合)孝汰が前半で長く走ってパフォーマンスも見えていたので、しっかりミスせず走りきりました。チームも500クラスが来るタイミングを細かく無線に伝えてくれたり、ラップダウンになるチームに状況を伝えてくれたりしたので、決して楽なスティントではなかったんですが、ギリギリ乗り切れて最高の形で終われたので、チームみんなで喜べるし良かったなと思います。去年も最終戦までタイトル争いに絡んではいたんですが、周り次第みたいなところがあったので、今年は自分たちで決められそうなところに今いるので、いつも通り思いっきりやりたいと思います。20ポイント差があるとはいえ、2位の2号車はすごい速くて、本当にポール取られてもおかしくなさそうなので、油断することなく、僕らも全力で優勝を目指して、チャンピオンがついてくればいいかなと思っています。
予選ではサクセスウェイトがある中で一番良いポジションにつけられたと思うんですが、思った以上に前の3台との差があって、その原因はわかりませんでした。決勝ペースに関して僕らは自信があって、今回もタイヤは1回交換っていう作戦をとったんですが、やはりピックアップなどもあり、最初の4台で争う中で2号車に離されてしまいちょっと焦りました。その後うまく前の2台をパスしてトップに立つことができましたが、後半の吉田さんのパートが長いので、なるべくマージンを稼ぎたかったところですが、やっぱり引っかかってしまったりしたのがちょっと悔しかったかなっていうのはあります。正直あまりチャンピオンどうこうという意識はないです。一戦一戦をしっかり優勝することに重きを置いているので、変わらず次も優勝にこだわりたいと思います。
今回この場にいられることも、関係者の皆様の協力があってのことで、このような優勝のタイミングで色々と学ぶことがたくさんありました。昨日からチームに帯同して、戦略とか、本当に手堅くこの優勝を狙っていたのかなというのは、ドライバーとして勉強になる部分でした。今回乗る機会はありませんでしたけども、お二人のドライビングやレースの組み立て方から、本当に自分も今後につながることがたくさんあると思うので、この経験を糧に僕自身もまた乗るチャンスがあれば頑張りたいと思います。
順位 | No. | 車名 | ドライバー | 周回 | 所要時間/差 | グリッド | SW |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 52 | 埼玉トヨペットGB GR Supra GT | 吉田 広樹/川合 孝汰/野中 誠太 | 91 | 2:52'08.683 | 4 | 75 |
2 | 2 | muta Racing GR86 GT | 堤 優威/平良 響/加藤 寛規 | 91 | 0.612 | 1 | 51 |
3 | 31 | apr LC500h GT | 嵯峨 宏紀/小高 一斗/根本 悠生 | 90 | 1 Lap | 3 | 21 |
4 | 61 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 井口 卓人/山内 英輝 | 90 | 1 Lap | 2 | 47 |
5 | 56 | リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/名取 鉄平 | 90 | 1 Lap | 17 | 59 |
6 | 4 | グッドスマイル 初音ミク AMG | 谷口 信輝/片岡 龍也 | 90 | 1 Lap | 5 | 23 |
7 | 88 | JLOC ランボルギーニ GT3 | 小暮 卓史/元嶋 佑弥 | 90 | 1 Lap | 6 | 24 |
8 | 7 | Studie BMW M4 | 荒 聖治/ブルーノ・スペングラー | 89 | 2 Laps | 11 | 60 |
9 | 11 | GAINER TANAX GT-R | 富田 竜一郎/石川 京侍/塩津 佑介 | 89 | 2 Laps | 16 | 39 |
10 | 10 | PONOS GAINER GT-R | 安田 裕信/大草 りき | 89 | 2 Laps | 14 | 23 |
11 | 50 | ANEST IWATA Racing RC F GT3 | イゴール・オオムラ・フラガ/古谷 悠河/小山 美姫 | 89 | 2 Laps | 15 | 8 |
13 | 20 | シェイドレーシング GR86 GT | 平中 克幸/清水 英志郎/山田 真之亮 | 89 | 2 Laps | 8 | 24 |
16 | 30 | apr GR86 GT | 永井 宏明/織戸 学/上村 優太 | 89 | 2 Laps | 18 | 3 |
20 | 60 | Syntium LMcorsa GR Supra GT | 吉本 大樹/河野 駿佑 | 88 | 3 Laps | 20 | 12 |
96 | K-tunes RC F GT3 | 新田 守男/高木 真一 | 21 | 70 Laps | 12 | 14 |