2024 Rd.5 SUZUKA

SUPER GT 2024年 第5戦(最終戦)鈴鹿

    坪井/山下組GRスープラがチャンピオン獲得!ポール・トゥ・ウィンの今季3勝目で最終戦を締めくくる

    GT500 予選/決勝

    坪井/山下組GRスープラがチャンピオン獲得!
    ポール・トゥ・ウィンの今季3勝目で最終戦を締めくくる

     2024年シーズンSUPER GTの今季最終戦となる第5戦「SUZUKA GT 300km RACE GRAND FINAL」が12月7日(土)、8日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催されました。
     8月に台風の影響で延期となった第5戦の代替開催で、シーズン最終戦となるため、ほとんどの車両がサクセスウェイト無しで勝利を目指します。
     ここまで7戦が行われてきた今季のSUPER GTでは、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の36号車が開幕戦でポール・トゥ・ウィン、全戦でコンスタントにポイントを稼ぎ、第8戦もてぎで今季2勝目を挙げて、ランキング2位の山本尚貴/牧野任祐組 STANLEY CIVIC TYPE R-GT 100号車に18点差をつけています。
     38号車は第4戦で3位、第6戦で2位、第8戦もてぎで3位と上位入賞を重ね未勝利ながらランキング3位。第3戦と第6戦を制し今季2勝を挙げている笹原右京/ジュリアーノ・アレジ組 Deloitte TOM'S GR Supra 37号車がランキング4位で続き、この37号車までが逆転タイトルの可能性を残して最終戦に挑むこととなりました。
     週末を通して鈴鹿サーキットは好天に恵まれ、寒さをはねのけるかのように多くのモータースポーツファンが集まり、多くのイベントで盛り上がりました。イベント広場にはTGRブースが開設され、人気のトークショーの他、LEXUS LBX MORIZO RR、GRスープラ改良モデルプロトタイプ等を展示。GR Supra GT500の展示&搭乗体験などのコンテンツも人気を集めていました。

    予選

     7日(土)は朝から好天に恵まれましたが、12月ということもあり、午後1時50分からの予選は気温14度、路面温度24度、冷たい風が強く吹く中で行われました。Q1とQ2の合算タイムでグリッドを決定する予選は、通常のGT300からではなくGT500から、各セッションも通常よりも5分ずつ延長して実施されました。
     通常の10分ではなく15分となったQ1では、残り12分ほどで徐々にコースへ向かい始めるも、タイミングを遅らせる車両もあり、タイヤのウォームアップでチームごとに戦略の異なるセッションとなりました。
     TGR勢は終盤にタイムを上げていき、山下の36号車が1分43秒737というコースレコード更新の好タイムをマーク。リアライズコーポレーション ADVAN Z 24号車がこれを僅かに上回りトップに立つと、笹原の37号車は1000分の7秒差の2番手タイム。36号車はトップと僅か0.067秒差の3番手となりました。
     大嶋の14号車が6番手、国本雄資のWedsSport ADVAN GR Supra 19号車が9番手、中山の39号車が10番手、石浦の38号車が12番手となりました。
     Q2では、アレジの37号車のみがセッション開始と共にコースイン。他の車両は残り11分ほどからコースへ向かいました。
     このセッションでは、14号車の福住仁嶺が、Q1で記録されたコースレコードを更新する1分43秒143でトップタイム。注目の36号車も、坪井が1分43秒271でこのセッション3番手、Q1,Q2の合算ではトップに躍り出ました。
     14号車は合算で3番手。以下合算タイムで19号車が7番手、37号車が9番手、38号車が10番手、39号車が13番手となりました。なお、レース後にQ2での14号車にスロー走行での他車妨害のペナルティが科され、14号車は決勝5グリッド降格となります。
     36号車はポールポジション獲得により3ポイントを加算。タイトルを争う100号車、37号車、38号車が無得点に終わったことで、この予選を終えた時点で、坪井/山下組36号車の今季のドライバーズチャンピオンが確定しました。

    6番手グリッドを獲得したWedsSport ADVAN GR Supra 19号車(国本 雄資/阪口 晴南)
    6番手グリッドを獲得したWedsSport ADVAN GR Supra 19号車(国本 雄資/阪口 晴南)

    8番手グリッドを獲得したENEOS X PRIME GR Supra 14号車(大嶋 和也/福住 仁嶺)
    8番手グリッドを獲得したENEOS X PRIME GR Supra 14号車(大嶋 和也/福住 仁嶺)

    決勝

     8日(日)は、雲がかかり、気温13度、路面温度19度、風が強いコンディションの中、予定よりも5分遅れの午後12時50分、三重県警の白バイとパトカーの先導によるパレードランに続き、2周のフォーメーションラップを経て、51周で争われる決勝レースのスタートが切られました。
     ポールポジションの36号車坪井は順当に首位を守り、6番手グリッドの19号車国本、8番手グリッドの14号車福住がそれぞれ5,6位へとポジションアップ。後方では13番手グリッドの39号車関口が10位に順位を上げた一方で、9、10番手グリッドの37号車アレジと38号車石浦が13,14位へと後退しました。
     2周目のシケインで14号車福住は19号車国本をパスし5位へ。
     首位を行く36号車は、後続との差を少しずつ広げていき、10周目には2位との差を3秒以上に広げました。
     レースが3分の1を過ぎた17周目を終えたところで、2位の100号車や39号車、37号車、38号車を含む6台がドライバー交代のためピットへ。これを見て首位を行く36号車も翌周にピットイン。GT500クラスは20周目までに全車がピットを終えることとなりました。
     全車がピットを終えたところで、山下へと交代した36号車は首位を守っていましたが、Niterra MOTUL Z 3号車がすぐ後ろに追い付き、首位争いが激化。36号車の山下は首位を堅守する中、30周目にGT300クラス車両がコースアウトし、この日2度目となるフルコースイエロー(FCY)。このFCYが解除されるタイミングで、36号車のすぐ後にいた3号車がスピン。これで首位の36号車は楽になったかと思われましたが、36周目に僅かにコースオフし、タイムロス。2位Astemo CIVIC TYPE R-GT 17号車との差は再び1秒以内となり、猛攻を凌ぐ形となりました。
     その後一旦は2位との差を広げるも、レース終盤には再び猛追を受け、残り3周、130RでGT300クラス車両に引っかかった36号車は、シケイン進入で17号車に並ばれましたが、17号車がオーバーラン。山下は首位を守りました。
     その後は山下が逃げ切り、36号車はライバルの猛攻を凌ぎきってポール・トゥ・ウィン。今季3勝目を挙げました。
     14号車が6位、38号車が9位、39号車が10位でチェッカーを受け、ポイント獲得を果たしました。
     TGRは今季8戦中6勝(36号車3勝、37号車2勝、39号車1勝)。36号車、坪井は昨年に続く2連覇、2021年に続き、直近4年間で3回のチャンピオン、坪井は今季スーパーフォーミュラとあわせてのダブルチャンピオン。山下は2019年以来2度目の戴冠となりました。また、36号車のTGR TEAM au TOM'Sも昨年に続き2年連続のチームチャンピオンを獲得しました。

    1位表彰台を獲得したau TOM'S GR Supra 36号車(坪井 翔/山下 健太)
    1位表彰台を獲得したau TOM'S GR Supra 36号車(坪井 翔/山下 健太)

    6位フィニッシュとなったENEOS X PRIME GR Supra 14号車(大嶋 和也/福住 仁嶺)
    6位フィニッシュとなったENEOS X PRIME GR Supra 14号車(大嶋 和也/福住 仁嶺)

    TOYOTA GAZOO Racing オーナー 豊田章男:

     ヤマケン、坪井、そしてトムスの皆さま、チャンピオンおめでとう!

     ヤマケン、「チャンピオンチームで勝ってこい!」と36号車に送り出して本当によかった!ちゃんと勝ってくれてありがとう!

     「レース前に緊張する…」なんて言葉をヤマケンの口から聞けるとは思っていませんでした。ドライバーとしてだけでなくオトナに成長したヤマケンを見れて嬉しいような寂しいような…。ヤマケンらしくこれからも頼みます!(笑)

     坪井、「スーパーフォーミュラチャンピオン」「夫婦同時優勝」そして「2年連続のスーパーGTチャンピオン」「ポールで決めて、そのまま優勝しちゃってのチャンピオン」。改めて言います…、「最高のシーズンだったね!おめでとう!愛未さんもおめでとう!」

     ヤマケンは苦手だったみたいだけど、坪井はそろそろ英語の勉強をしてもらった方がいいんじゃないかな…(笑)

    au TOM'S GR Supra 36号車 ドライバー 坪井翔:

     3回目のチャンピオンを獲得することができました。1回目のチャンピオンは大逆転で、2回目はしっかり最終戦まで戦いましたが、今年は最終戦の決勝を待たずして決められたということで、同じチャンピオンでもそこまでのプロセスが1回目、2回目と全然違いました。今年はランキングトップを一度も譲ることなく、速さ強さというのを一番発揮できて、同じチャンピオンの中でも、今年はライバル勢に対しても「36号車にはかなわないよね」と思わせられるようなシーズンにできたと思うので、素晴らしい年だったと思います。今日のレースは、最初引き離したものの、その後は詰められる苦しい展開で、それでもトップをしっかり守ってバトンタッチできました。 後半の山下選手は長く大変なスティントでしたが、チャンピオンを決めても気を緩めず、ポール・トゥ・ウィンするという強い気持ちを持って戦い、チャンピオンらしい良いレースができたと思います。僕自身2021年に初のチャンピオンを獲った翌年も2連覇を目標に頑張ったんですけど、取れなくて今年はそのリベンジを果たすつもりでしたし、カテゴリーが違いますが、スーパーフォーミュラの方もチャンピオンを取れたのでダブルタイトルがかかっているという状況でした。応援していただいた皆様の応援のおかげもあって、ダブルタイトル、そしてチームとしてSUPER GT2連覇という素晴らしい結果を今年は残すことができました。ありがとうございました。

    au TOM'S GR Supra 36号車 ドライバー 山下健太:

     今年36号車に移籍してきて、絶対にチャンピオンを獲らなきゃいけない環境で、シーズンが始まる前は大丈夫だろうと思っていたものの、始まってみると苦戦というかうまく乗れない時もあり、最終戦に近づくにつれ、坪井選手はSFで勝ってダブルタイトルがかかってるし、チームは2連覇がかかってるし、みたいな状況で、自分は今までそういう状況があんまりなかったのですが、珍しくプレッシャーというか緊張を感じるレースが多かったです。とはいえそんな中でなんとかそれなりにチャンピオンが取れるぐらいのパフォーマンスは出せたのかなと思います。 今日は坪井選手のインフォメーションを受けて、タイヤを前半スティントとは違う、どう振る舞ったらよいかあまりわからないタイヤで走りました。結果的には最後までタレずに走れたものの、グリップ的には厳しく、40周ぐらいずっと後ろから迫られる展開で、ものすごく疲れました。チャンピオンを決めた後のレースではあったんですけど、やっぱり勝って終わりたかったですし、ちょっと気を抜けばすぐに2、3位に落ちそうな展開の中、なんとか凌ぎきって、完璧な形でチャンピオンを取れて嬉しいです。坪井選手とチーム、そして監督の(伊藤)大輔さんにも本当に感謝しています。

    SUPER GT 2024年 第5戦 鈴鹿 決勝結果:GT500
    順位No.車名ドライバー周回所要時間/差グリッド
    1 36 au TOM'S GR Supra 坪井 翔/山下 健太 51 1:44'15.090 1
    2 17 Astemo CIVIC TYPE R-GT 塚越 広大/太田 格之進 51 1.513 2
    3 12 MARELLI IMPUL Z 平峰 一貴/ベルトラン・バゲット 51 9.342 15
    4 100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT 山本 尚貴/牧野 任祐 51 16.084 4
    5 16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16 大津 弘樹/佐藤 蓮 51 16.698 5
    6 14 ENEOS X PRIME GR Supra 大嶋 和也/福住 仁嶺 51 17.2 8
    7 3 Niterra MOTUL Z 高星 明誠/三宅 淳詞 51 24.539 7
    8 23 MOTUL AUTECH Z 千代 勝正/ロニー・クインタレッリ 51 31.259 11
    9 38 KeePer CERUMO GR Supra 石浦 宏明/大湯 都史樹 51 33.992 10
    10 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 関口 雄飛/中山 雄一 51 35.494 13
    11 37 Deloitte TOM'S GR Supra 笹原 右京/ジュリアーノ・アレジ 51 46.918 9
    14 19 WedsSport ADVAN GR Supra 国本 雄資/阪口 晴南 50 1 Lap 6