2024 Rd.7 AUTOPOLIS

SUPER GT 2024年 第7戦 オートポリス

    関口/中山組GRスープラが10番手から追い上げ今季初勝利!

    GT500 予選/決勝

    関口/中山組GRスープラが10番手から追い上げ今季初勝利!

     2024年シーズンSUPER GTの第7戦「AUTOPOLIS GT 3Hours RACE」が10月19日(土)、20日(日)の両日、大分県のオートポリスで開催されました。
     第5戦鈴鹿が台風の影響で12月へ延期となったため、今大会は事実上の6戦目、2024年シーズンは今大会を含め残り3戦となります。
     TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は今季同シリーズのGT500クラスに6台のGRスープラで参戦。ここまでの5戦で、36号車が開幕戦ポール・トゥ・ウィン。37号車が第3戦と第6戦を制し、ランキング1-2位となっています。38号車も未勝利ながら第4戦で3位、第6戦で2位となり、首位と9ポイント差のランキング4位とタイトルを争っています。
     例年であれば、ここオートポリスラウンドは最終戦のひとつ前となるため、サクセスウェイトは半減されますが、今季は第5戦の延期により、今大会が最大重量での戦いとなります。終盤戦までタイトル争いに加わるためにも重要な一戦となる3時間のロングレースに注目が集まりました。
     オートポリスラウンドは唯一九州で開催されるSUPER GTということもあり、待ちわびていたレースファンの皆様が駆けつけました。19日(土)はあいにくの天候で予定されていた走行は全てキャンセルとなったものの、天候が回復していた間に行われたピットウォークは大盛況。20日(日)は天候も回復し、予選、決勝がワンデーで開催されました。イベント広場にはTGRブースが開設され、LEXUS LBX MORIZO RR、GRヤリスを展示。GR Supra GT500の展示&搭乗体験などのコンテンツも人気を集めていました。

    予選

     19日(土)は、朝からの雨と濃霧で公式練習がキャンセルとなりました。一旦雨が止んでピットウォークなどは実施されましたが、昼過ぎには再び雨が降り始め、雷を伴う豪雨に。天候の回復が見込めず、コース上も土砂が出るなどの被害が出たため、この日の走行は全てキャンセルとなり、予選は20日(日)の朝に延期されることとなりました。
     20日(日)、雨は止んでいるものの、霧が残り、気温は12度、路面温度も13度と寒さを感じる中、午前8時から、GT300、GT500それぞれ30分間の計時予選が行われました。
     GT300クラスが先に走ったことで、路面は徐々に回復。それでもまだ湿った路面と低い気温、路面温度という難コンディションの中でGT500の予選が開始されました。
     セッション開始と共に各車ウェットタイヤを装着してコースイン。一旦タイムをマークした後、福住の14号車、関口の39号車、阪口晴南のWedsSport ADVAN GR Supra 19号車、大湯の38号車はスリックへ交換。坪井の36号車と笹原の37号車は別スペックのレインタイヤを装着してコースへと戻りました。
     しかし、想像以上に路面が回復していたこともあり、36号車と37号車はすぐにピットへ戻りスリックへ。
     残り15分ほどで、ほぼ全車がスリックタイヤへと履き替え、アタックを開始しました。
     どんどん良くなっていく路面と、タイヤグリップのピークを合わせるのに各車苦しみながら、次々にタイムを更新する展開となる中、TGR勢では福住の14号車が58kgのサクセスウェイトを積みながらも3番手タイムをマーク。
     19号車が8番手、ランキングトップで最多のサクセスウェイトを積む36号車が9番手、39号車が10番手、38号車が13番手、37号車は14番手となりました。

    3番手グリッドを獲得したENEOS X PRIME GR Supra 14号車(大嶋 和也/福住 仁嶺)
    3番手グリッドを獲得したENEOS X PRIME GR Supra 14号車(大嶋 和也/福住 仁嶺)

    8番手グリッドを獲得したWedsSport ADVAN GR Supra 19号車(国本 雄資/阪口 晴南)
    8番手グリッドを獲得したWedsSport ADVAN GR Supra 19号車(国本 雄資/阪口 晴南)

    決勝

     予選の後、FIA-F4のレースを挟んで、午後1時20分より決勝レースが開始されました。空にはまだ雲が残っているものの、路面は完全に乾き、気温14度、路面温度は21度まで上昇。日差しも出てくる中で、大分県警の白バイ,パトカーの先導によるパレードラップ、フォーメーションラップに続き、3時間で争われる決勝のスタートが切られました。
     2列目3番手の14号車福住は好スタートを決め、1コーナーで2位へと浮上。後方では10番手スタートの39号車関口が8位へ、13番手スタートの38号車大湯が10位へとポジションアップ。9番手スタートの36号車坪井は11位へと後退。
     14号車は序盤から激しい上位争いを展開。39号車の関口は素晴らしい追い上げで13周目に6位、21周目には14号車もかわし、4位へと順位を上げました。
     23周目、12位を走行していた国本雄資の19号車がコースオフしたことにより、フルコースイエローからこの日最初のセーフティカー導入となりました。
     29周目に再スタートが切られると、14号車はピットインして大嶋へとドライバーチェンジ。
     1時間(レースの3分の1)を過ぎた32周目あたりから他の車両も続々とピットへ向かい、ドライバー交代を行いました。全車が1回目のピットを終えたところで、山下へと交代した36号車が4位、中山へと交代した39号車が5位。大嶋の14号車が7位、笹原の37号車が8位につけ、中団グループでライバル勢を含む激しいバトルが繰り広げられました。
     38周目、7位争いを繰り広げていた14号車とAstemo CIVIC TYPE R-GT 17号車が接触し、17号車がクラッシュ。これによりこの日2度目のセーフティカー導入となりました。
     43周目に再スタートが切られた後も各所で接近戦が繰り広げられ、52周目に中山の39号車が山下の36号車をパスし、4位へと浮上しました。
     14号車は先の接触でドライブスルーペナルティを科され、大きく後退。
     4位に上がった39号車の中山は、ハイペースで追い上げ、前を行く車両に追いつくと、それらの車両が60周目を終えて2度目のピットへ。39号車も翌61周目にピットへと向かいました。
     このタイミングで、クラッシュ車両が発生しセーフティカーが導入。39号車はピット作業で首位のNiterra MOTUL Z 3号車をかわして、2度目のピットを終えた組での事実上の首位に立ちました。
     一方で、他のTGR勢の36号車、37号車、38号車、14号車の4台はまだ2度目のピットを終えておらず、この4台にとっては不運なタイミングのセーフティカーとなってしまいました。
     68周目に再スタートが切られると、36号車、38号車、14号車はピットへ。37号車は翌周ピットへ向かい、8位以降へと順位を落とすこととなってしまいました。
     首位に立った39号車の中山は、好ペースで2位以下との差を広げていきました。
     85周目を終えたところで首位39号車と2位との差は約9秒。しかし、86周目、残り16分というところでGT300車両のクラッシュが発生し、フルコースイエローからこの日4度目のセーフティカーが導入。
     その後、先導走行のまま3時間を迎え、レースは終了。39号車がトップでチェッカーを受け、今季初勝利を飾りました。
     39号車として、そして中山にとっての優勝は2020年第5戦富士以来4年ぶり。関口と中山のコンビとなってからは初の勝利となりました。この勝利で関口/中山組はドライバーズランキングで11位から7位へと浮上。首位と14ポイント差に詰めより、タイトル争いに加わることとなりました。
     重いサクセスウェイトと不運なタイミングのセーフティカーに苦しんだ他のGRスープラ勢は、36号車が7位、37号車が8位、14号車が9位、38号車が10位に入りポイントを獲得。36号車はドライバーズランキング首位の座を守り、37号車も同点に並ばれたものの首位と2ポイント差の2位の座を守りました。

    1位表彰台を獲得したDENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車(関口 雄飛/中山 雄一)
    1位表彰台を獲得したDENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車(関口 雄飛/中山 雄一)

    7位フィニッシュとなったau TOM'S GR Supra 36号車(坪井 翔/山下 健太)
    7位フィニッシュとなったau TOM'S GR Supra 36号車(坪井 翔/山下 健太)

    DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車 ドライバー 関口雄飛:

     39号車、無事に優勝することができました。開幕戦では2位という結果で、まずまずの滑り出しだったのですが、そこからかなり苦しい時間を過ごしてきたので、ここで優勝することができてほっとしています。また、サードに移籍してから、表彰台はありましたが、優勝は初めてなので非常に嬉しく思っています。今日は予選が思ったより上手くいかなかったのですが、決勝のセットアップ変えたことですごく良くなりました。セーフティカーのタイミングとか、ラッキーもありましたけど、あれがなくても、その後中山選手がぱっと数周で10秒くらいかな、後続との差をつけられたし、クルマ的にも胸を張って優勝だと言えるような内容で今回は終えられました。ラッキーだけじゃなくて実力で勝てたと思っているので、本当に満足しています。これでランキングでもシリーズチャンピオンを狙えるところに戻れたと思いますので、ラスト2戦も精一杯頑張ります。

    DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車 ドライバー 中山雄一:

     皆さんの応援のおかげで優勝することができました。チームのサポートも、(チーム監督の脇阪)寿一さんの采配も良いタイミングでしたし、最高に気持ち良く運転できるクルマを用意してくれたメカニックにも感謝したいと思います。最後のセーフティカーは、なんでこんなタイミングで入るのだろう、しんどいなと思っていたのですが、でもトップで帰ってこられて本当に良かったです。なにより、去年このオートポリスで大失敗しているので、それを教訓にして、去年勝った36号車を真似したりもしました。そこに至るのも結構勇気がいることでしたが、チームみんなでその方向性で頑張れて、それがペースにつながったので、本当に良かったです。チームのみんなで勝ち取った勝利だと思います。残り2戦、チャンピオン争いはまだ残っているので、チャンピオン目指して頑張ります。

    SUPER GT 2024年 第7戦 オートポリス 決勝結果:GT500
    順位No.車名ドライバー周回所要時間/差グリッドSW
    1 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 関口 雄飛/中山 雄一 92 3:01'11.604 10 38
    2 23 MOTUL AUTECH Z 千代 勝正/ロニー・クインタレッリ 92 0.885 2 46
    3 3 Niterra MOTUL Z 高星 明誠/三宅 淳詞 92 2.966 5 70
    4 100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT 山本 尚貴/牧野 任祐 92 3.748 7 8
    5 12 MARELLI IMPUL Z 平峰 一貴/ベルトラン・バゲット 92 5.353 12 60
    6 16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16 大津 弘樹/佐藤 蓮 92 7.647 6 32
    7 36 au TOM'S GR Supra 坪井 翔/山下 健太 92 8.901 9 98
    8 37 Deloitte TOM'S GR Supra 笹原 右京/ジュリアーノ・アレジ 92 10.242 14 96
    9 14 ENEOS X PRIME GR Supra 大嶋 和也/福住 仁嶺 92 11.981 3 58
    10 38 KeePer CERUMO GR Supra 石浦 宏明/大湯 都史樹 92 12.152 13 80
    19 WedsSport ADVAN GR Supra 国本 雄資/阪口 晴南 22 70 Laps 8 12