LEXUS GAZOO Racing

3人の強者が起こした化学変化 前編(1/2)「強者3人が揃うも経験不足が露呈した2015年シーズン」

3人の強者が起こした化学変化 前編(1/2)
「強者3人が揃うも経験不足が露呈した2015年シーズン」

今から2年前。2015年シーズンを前にLEXUS TEAM SARDは、悲願のSUPER GTタイトルを獲得するためにチーム体制を一新。F1で優勝経験のあるヘイキ・コバライネン選手、GT500クラスのチャンピオン経験のある平手晃平選手がドライバーとなり、チャンピオンチームのエンジニアであった田中耕太郎氏が移籍してきました。3人の"強者(つわもの)"を揃えた2015年シーズンでしたが、思わぬ苦戦のレースが続きました。しかし、それは2016年シーズンへの大いなる財産になったのです。

2015年に新たな活躍の場を求めて
LEXUS TEAM SARDに集まった3人

2015年にLEXUS TEAM SARDに5年ぶりに加入した平手晃平

「5年ぶりのLEXUS TEAM SARDは、
まったく新しいチームに来たような感じ」
平手晃平

―― 2016年GT500チャンピオン獲得は、2015年のチーム体制の一新から始まったと思います。まずコバライネン選手にお聞きしたいのですが、F1後の活動の場として、なぜ日本のSUPER GTを選んだのですか?

ヘイキ・コバライネン(以下、コバライネン) いくつか選択肢があったのですが、SUPER GTもそのひとつでした。SUPER GTはすべてがハイレベルで非常にコンペティティブなレースなので、F1時代から常に注目していました。またF1とは違うタイプのレーシングカーに乗りたかったので、SUPER GTに大きな魅力を感じました。
そして、2014年の終わりに鈴鹿サーキットでLEXUS RC Fをテストするチャンスがあり、とても強い印象を受けたので、SUPER GTで戦おうと決めました。

―― 平手選手は2015年、以前に在籍していたLEXUS TEAM SARDに戻る形になりましたね。

平手晃平(以下、平手) 4年間在籍したLEXUS TEAM ZENT CERUMOではいろいろと勉強をさせてもらい、立川祐路選手と組んで2013年にはタイトルを獲ることができました。しかし、その後自分に足りない部分があって、チームを出る事になりました。その時に、GT500のデビュー時にお世話になったLEXUS TEAM SARDから『平手は速いということを、このチームで証明しよう』という言葉をいただいたんです。それまでずっとセカンドドライバー的な立場だったので『エースとしてがんばってくれないか』とも言っていただき、喜んで引き受けさせていただきました。でも、"サード"は1970年代から活躍する名門チームで、一方SUPER GTでは1度もタイトルを獲ったことがなかったので、何とか期待に応えたかった。背負うものは大きかったです。
 5年ぶりに訪れて、ガレージ自体は変わっていなかったのですが、当時とはメカニックも違うし、エンジニアも変わっていました。だから、まったく新しいチームに来たような感じでしたね。

―― 田中エンジニアも、2015年に他のメーカー系チームからLEXUS TEAM SARDに移籍されたのですね?

田中耕太郎(以下、田中) 長年お世話になっていたチームが解散ということになり、今後も『コンペティティブな環境で働きたい』と思っていたタイミングで声をかけていただいたんです。自分の中で葛藤はありましたが、『これは新たなチャレンジなんだ』とメーカーを移り、LEXUS TEAM SARDで仕事をすることを決断しました。私ができる事は限られているかもしれないが、『その中で一生懸命やってみよう。結果が出るようにがんばってみよう』という気構えでやって来ました。

ヘイキ・コバライネンと田中耕太郎エンジニア
田中エンジニアは『これは新たなチャレンジなんだ』とメーカーを移り、LEXUS TEAM SARDに加入した

―― F1で実績あるコバライネン選手ですが、平手選手はどんな第一印象をうけましたか?

平手 誰もが知っている有名なドライバーだし、『一体どんな人なんだろう、フィンランド人だからキミ・ライコネン(※1)みたいなすごいクールで、あまり喋ってくれない人なのかな?』と勝手に想像していましたね。でも、日本で初めて会った時『ハーイ、コバライネンです』とすごく社交的だったのでびっくり(笑)。よく話すし、一緒にいて楽しかったので、彼とだったら良い雰囲気で戦えるかなと思いました。
また、すごく真面目な人で、初テストに向かう道中も『GTってどんなクルマなの? どんなカテゴリーなの? 詳しく知りたいから教えて』と、勉強しようという気持ちが強く伝わってきました。

(※1)・・・キミ・ライコネン 2007年のF1チャンピオン。クールで無口な性格から「アイスマン」というニックネームを持つフィンランド人。

お互いの第一印象について語るヘイキ・コバライネンと平手晃平