「経験はまったくのゼロ。
最初は躊躇しないで
人になんでも聞きまくってました」
吉牟田 智子(よしむた・ともこ)さん
No.6 LEXUS TEAM LEMANS WAKO'S
―― 失礼ですが、そのとき、モータースポーツに興味はあったのですか?
LEMANS 吉牟田 まったくのゼロです。チームに入って2年半ですが、実は未だに解らないこともあります。私が入ったときはLEMANSにチームマネージャーという存在自体がなく、仕事を教えてくれる人が誰もいなかったんです。ですから、ドライバーへの飲み物の出し方とか、ホスピタリティ(スタッフやゲストへのサービス対応)とか、見て覚えました。最初はとにかく躊躇しないで人になんでも聞きまくる、という作業でした。
―― 確かにモータースポーツの世界は専門知識が求められ、いつも同じサーキットで行われるわけでもない、いわば"生もの"。いざレースがスタートしちゃったら、チームも必死だしピリピリしますし、人に聞けない状況もあるのは分かります。
LEMANS 吉牟田 遠慮して聞かずにいたら、間違った自己判断のためにミスを犯してしまう。そんなわけにはいかないですから、状況をバッと見て、1分くらいで答えてもらえるように質問を用意して、という感じでした。ほんとうに毎回、シチュエーションも起こるトラブルも違うので、見て覚えるしかなかったです。
例えば"レース車両が故障した"ということひとつでも、どこの部分どういう部分が壊れたらどういう対処をするか、とか、ドライバーがピットに帰ってくるとか帰って来ないとか。でも、やるしかない。
「CERUMOはみんないつもワイワイしていて、
チーム皆の仲が良いんですよ」
桃原 美奈(ももはら・みな)さん
No.38 LEXUS TEAM ZENT CERUMO
―― 皆さんの経歴が個性的すぎてびっくりしました! それにチームマネージャーのお仕事って、ほんとうに多岐に渡るのですね。ドライバーのサポートがメインなのかな、と思ってました。
BANDOH 村野 もちろんドライバーのお世話も仕事のうちのひとつなんですけど、そんなの全体の1割くらいですよ! 全体を見なきゃいけないことのほうが多い。むしろウチのドライバーは空き時間にずっとゲームをして気分転換をしているので、電源だけ与えたらあとは放置(笑)。
TOM'S 吉川 私もまったく一緒にはいないですね。トークショーなどの出演のときに呼びに行くくらいで。あとはずっと寝ていらっしゃるし。
LEMANS 吉牟田 うちも寝てるか、食べてるか、ゲームしてるか。
CERUMO 桃原 CERUMOはドライバー同士やエンジニア、メカニックとお話しているほうが多いですね。スーパーフォーミュラもほぼ同じメンバーで参戦しているので、本当にチーム皆の仲が良いんですよ。いつもワイワイしてます。
―― 個性的なチームが多いLEXUS勢ですが、お仕事で大変なところをお聞きしたいと思います。まず、2台体制で参戦するTOM'Sはいかにも大変そうなので、吉川さんから。
TOM'S 吉川 そうですね、2台体制ですから、レースウイークに多いときは1日に100人以上のゲストが来場されます。その対応もマネージャーの仕事のうちのひとつです。TOM'Sはスポンサー様向けにピット見学ツアーも行っていて、何人かのスタッフで仕事を分担して乗り切ります。フレンドリーというよりは(仕事として)きっちりとした対応を求められますね。
LEMANS 吉牟田 ゲストなら、LEMANSもすごく多いんです(笑)。この前のテストでは300人とか。
――テストで300人!? それは嬉しい悲鳴ですけど、受け入れる側は正直大変ですよね。
LEMANS 吉牟田 むしろテストだからこそ来られるんです。スポンサー様はエンジンオイルの会社ですから※。それでLEMANSをサポートしてくださるなら、私はがんばります!
※チームスタッフから使用感や要望をじっくり聞いたり、状況を確認させてもらうには勝負の懸かるレース期間は不向きと言うこと。
BANDOH 村野 でも、一番の苦労はホテルの確保。
全員 あ????!!!(同意)
LEMANS 吉牟田 そう、昨日までまさに鈴鹿のホテルと(第6戦の予約確保で)闘ってました(涙)。
BANDOH 村野 基本は定宿があるんですけど、富士や鈴鹿は本当に大変ですね。希望通りに部屋が取れない。
LEMANS 吉牟田 (宿泊先との)交渉が大変です。(部屋が)取れなくて、他のチームさんに分けていただいたりとか。