ABOUT TGRドライバー・チャレンジ・プログラム(TGR-DC)

TGRドライバー・チャレンジ・プログラム(TGR-DC)とは

 TGRドライバー・チャレンジ・プログラム(TGR-DC)は、TOYOTA GAZOO Racingが日本および世界のトップカテゴリーで活躍できるドライバーを育てるために創設した育成プログラムです。これまでも継続的に実施しており、優れた才能を発掘、磨きあげるだけでなく、次のカテゴリーにステップアップできるようサポートしています。

 このプログラムにおいて、重要な核となっているのがTGR-DCレーシングスクール(TGR-DC Racing School)です。カートレースでの実績があれば、14歳からの受講が可能で、学生でも受講しやすいよう毎年夏休み、またはそれに準じた時期に合わせて開校されています。

 校長は関谷正徳氏が務めます。関谷氏は長年トヨタのレーシングドライバーとして活躍し、日本人初のル・マン24時間レース優勝者としても著名です。講師陣はレース経験豊富で実績あるドライバーたちが務め、自らの体験や実例を踏まえたよるきめ細かい指導を行っています。日程は数日の合宿形式で行なわれます。

 TGR-DCでは、TGR-DCレーシングスクール受講生の中で特に際立つ可能性が見出された者に対し、翌年以降のレース参戦の機会が与えられています。2022年においては、4名のドライバーがTGR-DCレーシングスクール スカラシップドライバーとしてFIA-F4選手権に参戦しました。技術的なアドバイスに加えて、フィジカルトレーニングやメンタルトレーニングのコーチにもサポートを受けて、1年間のレース活動を行っています。

 そしてFIA-F4選手権でチャンピオン、もしくはそれに匹敵する結果を示した者には、さらに全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権や、SUPER GT等のレース参戦を支援しています。更にステップアップを遂げた後も実績により、その後の上位カテゴリー参戦への支援も継続していきます。

 TGR-DC出身ドライバーには、SUPER GTやスーパーフォーミュラなどに参戦する小林可夢偉、石浦宏明、大嶋和也、国本雄資、平川亮、山下健太など国内を代表するトップドライバーが顔を揃えています。また、小林可夢偉、平川亮は伝統のル・マン24時間レースを含む世界耐久選手権(WEC)に参戦しています。そしてTGR-DC出身ドライバーとしてWECチャンピオンやル・マン24時間の3連覇、スーパーフォーミュラ王者2回などの好成績を残して引退された中嶋一貴さんは、2022年にTOYOTA GAZOO Racing ヨーロッパの副会長に就任して、TOYOTA GAZOO Racingを牽引する立場となっています。

 このようにTGR-DC出身ドライバーは国内外のレースシーンで活躍する実力を持ち、多くがその力を発揮する立場に成長しています。

TGR-DCのステップアップイメージ
TGR-DCのステップアップイメージ
TGR-DCのこれまでと主な戦績
1995年
  • 国内外のトップカテゴリーで活躍できるレーシングドライバーの発掘・育成と正しいドライビング教育によるモータースポーツ底辺の健全な拡大を目的に、フォーミュラトヨタ・レーシングスクール(FTRS)が開校する
2000年
  • FTRSにスカラシップシステムが制定される
2001年
  • 現在のTDPドライバーの前身、FTRSスカラシップ生がレース参戦( フォーミュラ・トヨタ)を開始、同シリーズで初優勝達成
2002年
  • フォーミュラ・トヨタで優勝(平手晃平:16歳2ヶ月 当時四輪最年少優勝記録)
  • 全日本F3選手権に参戦、同シリーズでの初優勝を達成(片岡龍也)
2003年
  • 初の欧州参戦(ユーロF3、フォーミュラ・ルノー)
  • フォーミュラ・トヨタでプロジェクト初のタイトル獲得(中嶋一貴:当時日本人史上最年少王者)
  • SUPER GT GT300クラスに参戦、同シリーズで初優勝を達成(片岡龍也)
2004年
  • SUPER GT GT500クラス、フォーミュラ・ニッポンに参戦
2005年
  • 欧州の育成プログラム「TOYOTA DRIVERS ACADEMY (TDA)」と併合し、日欧共同の「TOYOTA YOUNG DRIVERS PROGRAM(TDP)」となる
  • フォーミュラ・ルノー イタリアシリーズおよびユーロカップでWタイトルを獲得(小林可夢偉)
  • フォーミュラ・トヨタでスカラシップ生2人目となるタイトルを獲得(大嶋和也)
  • SUPER GT GT500クラス、フォーミュラ・ニッポンに参戦
2006年
  • F3ユーロシリーズで初優勝を達成(平手晃平)
  • SUPER GT GT300クラスでGT史上最年少ポールポジションを獲得(大嶋和也)
2007年
  • GP2シリーズ参戦(中嶋一貴、平手晃平)
  • SUPER GT GT300クラスのタイトル獲得(大嶋和也、石浦宏明)
  • 全日本F3選手権でタイトル獲得(大嶋和也)
  • フォーミュラ・チャレンジ・ジャパンでタイトルを獲得(国本京佑)
  • TDPドライバーが初めてF1に参戦、同時に初ポイント獲得(中嶋一貴)
2008年
  • F1世界選手権にフル参戦(中嶋一貴)
  • トヨタF1チームのサードドライバーに抜擢(小林可夢偉)
  • GP2アジアシリーズ、および GP2シリーズで初優勝(小林可夢偉)
  • SUPER GT GT300クラスの最年少優勝を記録(国本京佑)
  • フォーミュラ・ニッポンで初優勝(平手晃平)
  • F3世界選手権(マカオGP)でTDPドライバーが初優勝(国本京佑)
  • フォーミュラ・チャレンジ・ジャパンのシリーズタイトルを2年連続で獲得 (国本雄資)
2009年
  • GP2アジアシリーズタイトル獲得(小林可夢偉)
  • トヨタF1チームよりF1参戦(小林可夢偉)
2010年
  • SUPER GT GT500クラス、GT300クラス両クラス全員がTDPドライバーでの優勝を達成(大嶋和也、石浦宏明、井口卓人、国本雄資)
  • 全日本F3選手権で、日本記録となる開幕から10 連勝を達成(国本雄資)
2011年
  • F1世界選手権で連続入賞記録と獲得ポイントの日本人記録を更新(小林可夢偉)
2012年
  • ル・マン24時間レースを含むFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦し、
    第6戦WEC富士で初優勝(中嶋一貴:FIA世界選手権で日本人20年ぶりの勝利)
    フォーミュラ・ニッポンでドライバーズチャンピオンを獲得(中嶋一貴)
2013年
  • ル・マン24時間レースを含むFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦し、
    第6戦WEC富士で優勝(中嶋一貴)
2014年
  • ル・マン24時間レースを含むFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦し、
    ル・マン24時間レースで日本人初のポールポジションを獲得(中嶋一貴)
2015年
  • ル・マン24時間レースを含むFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦(中嶋一貴)
    TOYOTA GAZOO Racing WECチームのリザーブドライバーに抜擢(小林可夢偉)
2016年
  • ル・マン24時間レースを含むFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦(中嶋一貴、小林可夢偉)
    欧州ル・マン シリーズ(ELMS)及びル・マン24時間レースに参戦(平川亮)
2017年
  • ル・マン24時間レースを含むFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦(中嶋一貴、小林可夢偉)
    ル・マン24時間レースの予選でコースレコードを樹立しポールポジションを獲得(小林可夢偉)
    WEC第2戦及びル・マン24時間レースに参戦(国本雄資)
2018年
  • ル・マン24時間レースを含むFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦(中嶋一貴、小林可夢偉)
    ル・マン24時間レースを初制覇(中嶋一貴)
2019年
  • ル・マン24時間レースを含むFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦(中嶋一貴、小林可夢偉)
    ル・マン24時間レース連覇を達成し、2018-2019シーズンのドライバーズタイトルを獲得(中嶋一貴)
    WECチャレンジプログラムドライバーとして、LMP2クラスでFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦(山下健太)
2020年
  • TGRラリーチャレンジプログラムとトヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム(TDP)を統合し、TGRドライバー・チャレンジ・プログラムとなる
  • フォーミュラトヨタ・レーシングスクール(FTRS)からTGR-DCレーシングスクール(TGR-DC Racing School)へ名称を変更
  • ル・マン24時間レースを含むFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦(中嶋一貴、小林可夢偉)
    前年に引き続き、LMP2クラスでル・マン24時間レースを含むFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦(山下健太)
    ル・マン24時間レース3連覇を達成(中嶋一貴)
    2019-2020シーズンのドライバーズタイトルを獲得(小林可夢偉)
2021年
  • ル・マン24時間レースを含むFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦(中嶋一貴、小林可夢偉)
    ル・マン24時間レースを初制覇(小林可夢偉)
    2021シーズンのドライバーズタイトルを連覇(小林可夢偉)
2022年
  • 中嶋一貴(2021年現役引退)がTOYOTA GAZOO Racing ヨーロッパ・副会長に、小林可夢偉がTOYOTA GAZOO Racing WECチームの代表(ドライバー兼任)に就任。
  • ル・マン24時間レースを含むFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦(小林可夢偉、平川亮)
    ル・マン24時間レースを初制覇し、2022シーズンのドライバーズタイトルを初獲得(平川亮)