2019年プレスリリース

TOYOTA GAZOO Racing WECチャレンジプログラムレポート 第1戦シルバーストーン4時間 2019年8月30日-9月1日 英国・シルバーストーンサーキット 山下健太、初めてのWECレースでLMP2クラス7位完走
決勝でほぼ半分の周回数を走り、貴重な経験を積む

2019.09.05(木)- 16:00配信

TGR WECチャレンジドライバーの山下健太が、8月30日(金)から9月1日(日)にかけて、イギリス・シルバーストーンサーキットで行われた、FIA世界耐久選手権(WEC)第1戦シルバーストーン4時間レースに、LMP2クラス・ハイクラスレーシング(デンマーク)から参戦し、総合12位、クラス7位でフィニッシュしました。

シルバーストーンサーキットでWEC 2019-2020シーズンの開幕戦に挑むHigh Class Racing 33号車

山下にとって今回のレースは、初めての海外シリーズ開幕戦というだけでなく、LMP1シート獲得に向けた挑戦への第一歩となります。その舞台となったシルバーストーンサーキットは、飛行場の跡地に作られた平坦ながら高速コーナーが連続するハイスピードサーキットとして有名で、その歴史は長く様々なカテゴリーで使用されています。山下は2016年にこのサーキットでF3をテストした経験はありますが、実際にレースをするのは今回が初めてでした。

月曜日にイギリス入りした山下は、火曜日、水曜日の2日間、現地のシミュレーター施設を使って、今回のシルバーストーンをはじめ、今後WECで走るサーキットなどを習熟走行。木曜日にはサーキットをチームメイトやエンジニアと1周歩いて周り、縁石や走行ラインなどを確認しました。

迎えた金曜日。フリー走行1回目では、車体トラブルで走行時間が制限されてしまいましたが、金曜フリー走行2回目では、さっそく新品タイヤを履いて予選シミュレーションをトライ。そこでLMP2クラスのトップにあと0.021秒まで迫る2番手タイムをマークしました。
「僕自身高速コーナーが好きですし、特にグリップが高い新品タイヤで走るととても気持ちがよいです。日本にはなかなかない6速全開で飛び込んでいくS字区間など攻めがいもあります。毎周面白いなと思いながら走っています」
予選に向けて好感触を得て初日を終えました。

土曜日は朝のフリー走行でレースに向けたロングランでタイヤの摩耗具合を確認。そして午後にLMP1&LMP2クラスの予選が行われました。
WECの予選はドライバーふたりがタイムアタックを行い、それぞれのベストタイムの平均値でグリッド順が決まります。
最初にアタックを担当した山下ですが、クルマに問題が発生し、クルマが跳ね続ける症状を抱えたままアタックをしなければならず1分41秒931。そしてチームメイトのアンダース・フィヨルドバッハも1分42秒897。ふたりの平均タイムは1分42秒414となり6番手で予選を終えました。
「まったく満足できないラップでした」と山下。
昨日のクルマの仕上がり具合から、本来のアタックができればもう少し上位も狙えたはずですが、「今回は開幕戦なので、とにかく明日のレースをきちんとフィニッシュしたい」と気持ちを切り替えて決勝に挑みました。

日曜日の決勝レース。山下は3番目に走行予定。4時間のレースが折り返し地点にさしかかった64周目、残り2時間13分にクルマに乗り込んだ山下。コースはブリティッシュウェザー特有の一度降った雨が上がり、路面が乾き始めた状況で、「コースインした時に縁石はまだ濡れていましたが、走行ラインは完全ドライでした。その後縁石も使えるようになってからのペースは悪くなかったのでそれはよかったです」と上位勢と遜色ない1分45秒台で周回を重ねていきました。ただ、ポジション的に乗り込んだ時点ですでにクラス6番手のクルマから1周遅れになっており、まずはしっかりとクルマをゴールに運ぶことを目指して走行しました。
85周目にピットインして第2スティントへ。ここでチームはオーバーステア対策のため、リヤタイヤをより耐久性の高いコンパウンドに交換。しかし第1スティントほどペースを上げることができず、1分46秒台での走行が続きます。
「アウトラップはよかったんですが、2周目からガクンとグリップが落ちてオーバーステアがひどくなりました」。それでもこのペースで最後まで走れば、6番手を逆転できる可能性が見えた矢先、チームメイトがSC中に追い抜きをしていたため、ドライブスルーペナルティを受けてしまい、せっかく詰めていた6番手とのギャップを失ってしまいました。
103周目にこのレース最後の3回目のピットインを行い、もう一度リヤタイヤだけ交換。状態は改善しませんでしたが、なんとか19周タイヤをもたせてクラス7位でチェッカーを受けました。
「正直なところレースをしたというより、フリー走行のロングランみたいに、ひとりで淡々と走っていた感じです。ただほぼ2時間走り込めたので、GTとの間合いだったり、LMP1クラスがどれくらい速いかがかわかったのは収穫でした。また、今回の1番の目的だったアクシデントやトラブルなく走るという目的は達成できました。チームの皆さんに感謝します」

次戦は10月4日から6日のWEC第2戦富士6時間レース。山下にとって初めての母国開催レースとなります。
「富士は、ここ何年かほぼ毎週と言っていいぐらい走り込んでいるサーキットなので、チームを引っ張っていくぐらいの気持ちで戦います。できれば表彰台を争いたいという気持ちもありますが、まずはしっかりと自分の仕事ができるように頑張ります。応援よろしくお願いいたします」

  • High Class Racingのチームメイト、エンジニアと一緒に話をする山下健太
  • High Class Racing 33号車に乗り込む山下健太

WEC第1戦シルバーストーン4時間レース 山下健太 個人成績(LMP2クラス)

WEC第1戦シルバーストーン4時間レース 山下健太 個人成績(LMP2クラス)
 予選)Best Time  1:41.931(チーム内1位、LMP2クラス予選出走16人中7位)
 決勝)Fastest Time 1:44.416(チーム内1位、LMP2クラス決勝出走19人中9位)
 走行周回数 58周(全122周中)

WEC第1戦シルバーストーン4時間レース 決勝結果(LMP2クラス)

 
POS No. Team Drivers Car Laps Gap
142Cool RacingN. LAPIERRE
A. BORGA
A. COIGNY
Oreca 07
- Gibson
124
236Signatech Alpine ELFT. LAURENT
A. NEGRÃO
P. RAGUES
Alpine A470
- Gibson
12449.311
329Racing Team NederlandF. VAN EERD
G. VAN DER GARDE
J. VAN UITERT
Oreca 07
- Gibson
12451.733
437Jackie Chan DC RacingH. TUNG
G. AUBRY
W. STEVENS
Oreca 07
- Gibson
12458.972
538JOTAR. GONZALEZ
A. FELIX DA COSTA
A. DAVIDSON
Oreca 07
- Gibson
12459.457
647Cetilar RacingR. LACORTE
A. BELICCHI
G. SERNAGIOTTO
Dallara P217
- Gibson
1222 Laps
733High Class RacingM. PATTERSON
K. YAMASHITA
A. FJORDBACH
Oreca 07
- Gibson
1222 Laps
22United AutosportsP. HANSON
F. ALBUQUERQUE
P. DI RESTA
Oreca 07
- Gibson
2