2019年プレスリリース

TOYOTA GAZOO Racing WECチャレンジプログラムレポート 第2戦 富士6時間 2019年10月5日-10月6日 日本・富士スピードウェイ 山下健太選手、初めての母国凱旋レースでLMP2クラス4位完走
ホームグラウンドの富士で一時クラストップを奪う力走を披露

2019.10.10(木)- 17:00配信

TGR WECチャレンジドライバーの山下健太が、10月4日(金)から6日(日)にかけて、静岡県・富士スピードウェイで行われた、FIA世界耐久選手権(WEC)第2戦 富士スピードウェイ6時間レースに、LMP2クラス・ハイクラスレーシング(デンマーク)から参戦し、総合9位、クラス4位を獲得しました。

WEC 2019-2020シーズン 第2戦 富士に挑んだ High Class Racing 33号車

今回の富士6時間耐久レースは、山下にとってWECに参戦して初めての母国凱旋レースでもあり、金曜日のフリー走行ではLMP2クラストップタイムをマーク、さらに決勝レースでもクラストップを奪う力走を日本のファンの前で披露しました。

木曜日にサーキット入りした山下は、午後にチームメンバーとトラックウォーク。富士スピードウェイは様々なカテゴリーのクルマでほぼ毎週走っている山下だが、じつは「歩いて一周するのは今回が初めてでした」。チームメイトとエンジニアにドライ/ウェット両方のコンディションでのライン取りや縁石の使い方など、ひとつひとつ丁寧に教えていました。

この週末は山下の富士での経験値が重要視され、クルマのセットアップは山下の走行とコメントを基準に進められました。
金曜フリー走行1回目は、乾きかけの路面からセッションがはじまり、第1走者の山下はまずインターミディエイトでコースイン。路面状況を確認して、ソフトコンパウンドのドライタイヤに履きかえると、その計測1周目に1分29秒624のタイムを出し、その後セッティングに手を加えてチームメイトにバトンタッチ。ハイクラスレーシングは山下が出した計測1周目のタイムでフリー走行1回目をトップで終えました。
フリー走行2回目では、2種類のドライタイヤを試し、ハード側のタイヤを履いた山下の1分30秒163でこのセッションはクラス2位。山下のフリー走行1回目のタイムが金曜日のLMP2クラスのベストタイムとなり、チームとしては期待以上の滑り出しとなりました。
山下も「ベストタイムはクルマのセッティングとかせずに計測しただけのタイムでした。フリー走行2回目ではクルマもずいぶんよくなったので、もし1回目に履いたタイヤを履いていればもっといいタイムが狙えたと思います」と好感触で初日を終えました。

土曜日朝のフリー走行は、レースに向けたロングランを行い、タイヤの摩耗具合を確認して午後のLMP1&LMP2クラスの予選を迎えました。「LMP2のベストタイムを出したい」と最初にアタックを担当した山下ですが、突然ストレートでクルマが跳ねる症状が発生し、不完全燃焼な1分29秒474。チームメイトのアンダース・フィヨルドバッハも同様の症状に悩まされて1分30秒673。ふたりの平均タイムは1分30秒073となりLMP2クラス4番手で予選を終えました。
「個人的にはクラスのベストタイムを狙っていたんですが、残念でした」と山下。ただ予選4番手はWECフル参戦2戦目のチームにとっては上々の結果で、「明日のレースも自分の仕事をしっかりとしたいですね」と決勝への意気込みを見せました。

日曜日の決勝レース、山下はWEC2戦目ながら初めてスタートを任されました。事前にエンジニアとスタート手順を確認。「基本的にはSUPER GTなどと変わりませんでした」という山下は、1周目にクラス3番手、そして4周目にクラス2番手に浮上し勝負強さをみせ、その後ポジションをキープしながら26周目に給油し、2スティント目を55周目まで走行。クラス2番手でフィヨルドバッハに交代しました。
フィヨルドバッハも力走し、2スティントを走行。112周目から再び山下が乗り込むあたりから一時雨足が強くなり、コースインした山下はすぐに「雨足が強くなってる」と無線で状況を伝えましたが、チームは「あと15分で止むから我慢して走って」とドライタイヤでの走行を指示。実際に雨は上がり、山下は「思っていたよりもドライタイヤのウェットでのパフォーマンスがよかった」と耐久用ドライタイヤのウェット路面での性能に驚いていました。
133周目に前のクルマを抜き、クラストップに立った山下は、フルコースイエローのタイミングを利用して140周目に2番手のクルマと同時にピットイン。山下は満タンにするため給油時間が長く、スプラッシュ&ゴーを選択した2番手のクルマに先行されるも、コース上でジワジワと追い詰めていき、165周目にコース上でオーバーテイク。再びクラストップを取り返してみせました。
「最後は前のクルマはタイヤが厳しそうでした。こちらも辛かったですけど、1セット目に比べると、2セット目はよかったです。もしかしたらフルコースイエローが入ったり、雨が降ったことで路面温度が下がった影響があるのかもしれません」
167周目にクラストップでブロンズドライバーのマーク・パターソンに交代。その後山下はガレージでチームメイトの走行を見守りチームはクラス5位でチェッカー。レース後にクラス2番手でフィニッシュしていたクルマが失格となり、ハイクラスレーシングは順位がひとつ繰り上がりクラス4位となりました。
このレースで結局山下は219周のレース周回数のうち111周を走行、半分近くの距離を任されました。
「今回はスタートも担当させてもらいましたし、他のクルマとのバトルもできました。トップを走ることもできたし、自分がやれることはやれたと思います。レースの内容としては満足しています」

次戦は11月8日から10日の上海4時間レース。
「これからは初めて走るサーキットが続きますが、サーキットを覚えるのは早いほうだと思います。今回の富士と同じように初日からしっかりと走って、トップ争いをしたいです。引き続き応援よろしくお願いいたします」

  • High Class Racing 33号車に乗り込む山下健太
  • コースウォーク中、High Class Racingのエンジニアと話す山下健太

WEC 第2戦 富士6時間レース 山下健太 個人成績(LMP2クラス)

予選)Best Time 1:29.474(チーム内1位、LMP2クラス予選出走14人中6位)
 決勝)Fastest Time 1:31.412(チーム内1位、LMP2クラス決勝出走24人中10位)
 走行周回数 111周(全219周中)

WEC 第2戦 富士6時間レース 決勝結果(LMP2クラス)

POS No. Team Drivers Car Laps Gap
129Racing Team NederlandF. VAN EERD
G. VAN DER GARDE
N. DE VRIES
Oreca 07
- Gibson
222
237Jackie Chan DC RacingH. TUNG
G. AUBRY
W. STEVENS
Oreca 07
- Gibson
2211 Laps
322United AutosportsP. HANSON
F. ALBUQUERQUE
O. JARVIS
Oreca 07
- Gibson
2202 Laps
433High Class RacingM. PATTERSON
K. YAMASHITA
A. FJORDBACH
Oreca 07
- Gibson
2193 Laps
542Cool RacingN. LAPIERRE
A. BORGA
A. COIGNY
Oreca 07
- Gibson
2193 Laps
636Signatech Alpine ELFT. LAURENT
A. NEGRÃO
P. RAGUES
Alpine A470
- Gibson
2175 Laps
747Cetilar RacingR. LACORTE
A. BELICCHI
G. SERNAGIOTTO
Dallara P217
- Gibson
2166 Laps
838JOTAR. GONZALEZ
A. FELIX DA COSTA
A. DAVIDSON
Oreca 07
- Gibson
222失格