今年のTGRFでは「TGRF RALLY選手権」として、会場内の各所を舞台にスペシャルステージ(SS)を披露して回ります。ホームストレートでは「TGRF RALLY選手権SS1」として、最初のパフォーマンスを行いました。

まずは、今季はWR2で日本人初優勝した勝田貴元選手が国内ラリーで活躍するコドライバーの足立さやか選手と組んで86で走行。最後にちょっと姿勢を乱しましたが、その分、パフォーマンスを追加してゴール。そしてスバル・インプレッサを駆る新井大樹選手はAWDのタイヤスモークをあげる走りを披露。さらには勝田範彦選手、新井敏弘選手という国内外のラリーを沸かせ続ける2選手も、すばらしい走りを見せてくれました。実は、この2選手は貴元選手と大樹選手のお父さんでもあり、現在もトップラリーストとして活躍しています。こんな競演を見られるのもTGRFならではですね。

そしてSS1のトリを飾るのは、もちろん2018年のWRCマニュファクチャラーズタイトルを獲得したTOYOTA GAZOO RacingのYARIS WRCを駆るオット・タナック選手&マルティン・ヤルヴェオヤ選手の妙技、激走です。

YARIS WRCはストレートで360度ターンを連続して決めみせれば、ドーナツターンでタイヤスモークを高く上げ、さらにジャンピングスポットで見事なジャンプパフォーマンスを見せてくれました。チャンピオンとなったWRCカーと、WRCで4勝したドライバーの素晴らしいテクニックを見せてくれました。
そして、走行を終えたタナック選手とヤルヴェオヤ選手にインタビューに向かったのは、なんとモリゾウ選手(豊田章男社長)でした。タナック選手は「皆さんの応援に心から感謝します。TOYOTA GAZOO Racingで参加した初年度からタイトルを獲ることができ、とてもうれしいです。でも、さらにプッシュして、さらにいいクルマをつくり、よりよい結果に繋げたいと思っています。この後も1日、皆さんと一緒に楽しみたいと思います」と、今季の応援に感謝を語ってくれました。

TOYOTA GAZOO Racingの原点とも言えるニュルブルクリンク24時間レースへの挑戦。その歴代のレーシングカーが走るデモランが行われた。
その先頭を走るのは、なんと来季、2019年参戦のLC500(土屋武士選手)だ。まだカーボン地のブラックボディのままで、期待感を高めてくれる。さらにLFA(木下隆之選手)やLFA CodeX(飯田章選手)、RC(井口卓人選手)や86の2台(影山正彦選手、佐藤久美選手)の歴代参戦カーに加え、スバルWRX STI NBR(山内英輝選手)も富士スピードウェイを駆けてくれました。

走行後、各車がスタンド前に整列。すると、GAZOO Racing Companyの友山茂樹プレジデントがサプライズで登場。2019年度のニュルブルクリンク24時間レース参戦体制が発表されました。
「ニュルへの挑戦は13年目になりますが、当初は社員有志の活動で、それもあって“GAZOO Racing”の名前での参加でした。そしてニュルは“人を鍛え、クルマを鍛える”道場でもあり、我々の原点でもあります。来季はそこに、このニュルスペックのLC500を投入します。昨年は悔しい思いをしましたが、改善を積み重ね“参戦史上最長距離を走る”ことを目指します。そのドライバーは土屋武士選手、蒲生尚弥選手、松井孝允選手、中山雄一選手。そして例年通りトヨタ社員のメカニックとエンジニアたちが、来年6月までこのクルマを仕上げていきます。皆さん応援をよろしくお願いします!」と友山プレジデントが、来季への挑戦を力強く宣言しました。

皆さんまだ記憶に新しいと思いますが、2018年6月のル・マン24時間ではTOYOTA TS050 HYBRIDの8号車(セバスチャン・ブエミ選手/中嶋一貴選手/フェルナンド・アロンソ選手)が悲願の優勝を果たし、日本車&日本人ドライバーによる初勝利という快挙を成し遂げました。その勇姿をTGRFで改めて見ていただこうと、今年ル・マンを走ったTS050 HYBRIDの8号車&中嶋一貴選手が全力で富士を走ってくれました。

場内実況席にはトヨタのグループCカーでル・マン24時間をはじめ、国内外の耐久で活躍した中嶋悟さん、関谷正徳さん。そして1999年のル・マンでTS020を駆って激走を見せ、タイヤトラブルがなければ優勝の可能性もあった2位を獲得した片山右京さんの、豪華な3人がゲストで登場して、いろいろなお話しをしてくれました。ル・マン初挑戦について中嶋さんは「もう見たこともないことばかり。ストレートが長い、相手は速い。“とにかく最後まで走れるように頑張ろうぜ”が合い言葉でしたね」と懐かしんでいました。関谷さんは「当時は中嶋(悟)選手がリーダーで、とにかく完走と。エンジンも回すな。ダブルクラッチでいけと、大事に大事に走って完走したことを覚えています」と、当時を語ってくれました。片山さんは「ル・マンの印象は強烈すぎるんです。絶対に一生忘れることはないでしょう。僕らの時代は、耐久レースですがかなりスピードが上がって、それでもゴールまで行くというのが命題でした」と1998年、1999年の気持ちを教えてくれました。

デモランが終わるとコース上にスペシャルゲストとして、YARIS WRCも登場。レッドカーペットの上にル・マン優勝カップと共に並ぶTS050 HYBRIDの傍らに、YARIS WRCも収められ、ル・マン優勝とWRCコンストラクターズタイトルの獲得を改めてTGRF来場のファンに行いました。
TS050 HYBRIDの前には中嶋選手と小林可夢偉選手、YARIS WRCの前にはオット・タナック選手&マルティン・ヤルヴェオヤ選手。そして豊田章男社長と友山茂樹プレジデントも現れると、インタビュアーは脇阪寿一TGRFアンバサダーという豪華ラインナップで、この2つの快挙をファンに報告してくれました。

トップクラスのプロラリードライバーのドライビングを間近でじっくりと確認できる「ラリー コ・ドライバー体験」。コ・ドライバーとは、ドライバーと一緒にその車両の助手席に乗り込んで、ドライバーが必要とする情報を伝える役割を担います。こちらの体験は本格的で、実際に全日本ラリー選手権に参戦している足立さやか選手、安藤裕一選手らからコ・ドライバーの講習を受けます。その後、実際のラリードライバーの助手席に座って、Aパドックからリエゾン区間を経て、P16に設けられた特設会場を実走です。

P20エリアは、パリダカの雰囲気たっぷりのDAKAR EXPERIENCE(ダカールエクスペリエンス)コーナー。今年も、ダカールラリーに出場したトヨタ・ランドクルーザーと日野レンジャーがコースを爆走。さらに同乗走行体験もできます。

朝一番の走行は、カミオン(トラック)部門で連続出場している日野レンジャー。この同乗走行の抽選は菅原義正選手と菅原照仁選手の2名が直々に抽選。照仁選手(カミオン部門総合6位)がこの日野レンジャーGTに搭乗。カミオンにとっては少し小さなコースながら、入り口のスロープを使ってジャンプをしたり、ドリフト走行をしたり、といった走行に多くの観客が拍手喝采です。

日野レンジャーGTと同じく迫力ある走りを見せてくれたのが、ダカールラリーに出場したトヨタ・ランドクルーザー。こちらをドライブするのは、出場し今年4輪部門総合25位に入った三浦昴選手。こちらの同乗走行は、実際にナビを体験できるもので、コマ図を渡されて、本当にナビゲーション体験を行った。三浦選手は「ナビの言うとおりにしか走らない」ということで、予定のコースを巡らず、早くコースから帰ってきてしまったり、という同乗走行もあり、走行中の車内でいかにコマ図を読むのが難しいかを実感できるデモ走行となりました。

また、ピットまわりでは、チームスガワラの顔出しパネルやコクピット搭乗体験も行われました。