イベントレポート
GT300ドライバートークショーは、新田選手が主役に
4台8名が揃ったGT300クラスのドライバートークショーは、レクサスRC Fが8戦中3勝を挙げ、新田守男選手と阪口晴南選手が最終戦までチャンピオン争いに残りました。話題はその最終戦に集中! 新田選手のまさかの予選と、それを挽回する決勝の鬼気迫る走りは、思わず宮田選手もひるんでしまったほどだとか。
同じRC Fを運転しながら、なかなか勝ち星に恵まれなかった吉本大樹選手も、待望の初勝利を挙げるなど、GT300クラスもトヨタ/レクサスが多くの話題を作った2019シーズンとなりました。
来季SUPER GTに参戦するGR Supra GT500を立川選手がデモラン
カーボン素材のブラックそのままにレーシングコースに現れたのは、2020年のSUPER GT GT500クラスに参戦するGR Supra GT500です。1994年から2005年まで全日本GT選手権/SUPER GTに参戦し、シリーズ戦で26勝を挙げた先代Supra以来のSUPER GTへの登場となります。
GR Supra GT500をドライブするのは、先代Supraで2回、合計で3回のGT500クラスチャンピオンを獲得している立川祐路選手です。立川選手は、2005年の最終戦鈴鹿で優勝しタイトルを獲得。つまり最後にSupraで勝利したドライバーであり、現役ドライバーで唯一 、先代Supraを操ったことのあるGTドライバーです。
先行開発のテスト車両とは思えない鋭いコーナリングを見せたGR Supra GT500は、予定の3周を終えると、そのままピットに。来年のSUPER GT開幕戦でのパフォーマンスに期待してください。
脇阪寿一監督がNASCARで戦うGR Supraをデモラン
SUPER GT GT500クラスには来季から参戦するGR Supraですが、アメリカのNASCARエクスフィニティ・シリーズには、すでにGR Supraが参戦し勝利を挙げ、カイル・ブッシュ選手がタイトルを獲得しています。アメリカでもっとも盛り上がるオーバルコースのレース、NASCARのGR Supraが富士スピードウェイのレーシングコースで凱旋走行をしました。
最終のパナソニックコーナーを抜けた脇阪寿一監督のNASCAR Supraは、ストレートを駆け抜けると、途中でUターン。脇阪寿一監督曰く「ドドドドドって感じです」とNASCAR独特の排気音を存分に響かせていました。「オーバル専用のクルマなんですが、TGRFのために(NASCARチームを率いてタイトルを獲得した)服部茂章オーナーがロードコース用にセッティングを工夫してくれました。実は昨日も走らせるのに手こずって、このクルマでずっとサイド・バイ・サイドでレースするなんて信じられない。僕たちが経験してきたレースと違いますね。でも、このシリーズに出て、フロリダに住みたいな(笑)」と、脇阪寿一監督も貴重なNASCAR体験を楽しんでいました。
昨年の約束を果たし、シリーズタイトル獲得!
ニック・キャシディ選手がドライバーチャンピオンに輝いた今シーズンのSUPER FORMULA。昨年のこのステージでは「チャンピオン奪還」を力強く誓ってくれましたが、約束を果たしてくれました。そのチャンピオンと、今年1勝ずつを挙げたITOCHU ENEX TEAM IMPULの関口雄飛選手、平川亮選手、そしてKONDO RACINGに移籍した国本雄資選手と、SUPER FORMULAルーキーイヤーの坪井翔選手の5人が集まりトークを繰り広げました。
SUPER FORMULA独自のオーバーテイクシステムや、サイズや性能が変わり「難しかった!」という声が多く上がったタイヤについてなど、興味深い話が多く出ました。チャンピオンを獲得したニック・キャシディ選手以外のドライバーたちは、やはり今年の結果に満足できていないようです。このステージで来年の活躍を約束してくれました。
ライバルであるスバルBRZ、日産GT-Rもニュル24時間のデモラン
TGRFではお馴染みのニュルブルクリンク24時間に参戦したクルマによるデモラン。今年はライバルメーカーのSUBARU WRX STI NBRチャレンジとNISSAN GT-R NISMO GT3も参加して、正にニュルの"ジャパン・パワー"の競演となりました。
まず2007年から続くTOYOTA GAZOO Racingのニュル挑戦の歴史を彩ってきた歴代の参戦車両がコースイン。No.48 LFA(木下隆之選手)、No.53 LFA CodeX(飯田章選手)、No.170 Nur RC(松井孝允選手)、No.136 Nur 86(佐藤久美選手)、No.86 Nur 86(影山正彦選手)が、その勇姿を披露しました。続いてこれらニュル参戦車両のDNAを引き継いだGR SupraやLFA、LC、86の市販車なども共にコースを走りました。
そして、今季参戦車両の競演として、No.90 GR Supra Nur(矢吹久選手)、No.56 LC500(蒲生尚弥選手)、そしてNo.45 GT-R NISMO GT3(松田次生選手)とNo.88 WRX STI NBRチャレンジ(山内英輝選手)が、まさにレースのように富士スピードウェイを疾走。
最後にこの4台がメインスタンド前に整列。ここで来季のTOYOTA GAZOO Racing参戦体制がGAZOO Racing Companyの大塚友美エグゼクティブ・バイス・プレジデントから発表されました。「ニュルブルクリンク24時間レースは、TGRの活動の原点です。来年14年目の挑戦に送り込むのは、LEXUS LC 2020年ニュルスペック、3回目の参戦になる来季は新開発のV8ターボエンジンを搭載。これは近い将来、市販車に搭載する新技術を折り込み、ノートラブルで完走を目指します。ドライバーは石浦宏明選手、佐々木雅弘選手、大嶋和也選手、蒲生尚弥選手。そして例年通り社員チームが来年の5月に向けクルマを作り込んできます。応援をよろしくお願いします」と、来季の新たな挑戦を力強く宣言しました。