特別戦
2016 TOYOTA GAZOO Racing Netz Cup Vitz Race Grand Final 富士スピードウェイ レポート

関東・関西のダブルシリーズチャンピオンの峯選手。
ついに自身初の「Grand Final」を制覇する!!!

 2016年11月26日(土)・27日(日)「TOYOTA GAZOO Racing Netz Cup Vitz Race 2016 Grand Final」が昨年と同じく、「TOYOTA GAZOO Racing Festival」にて、65台のエントリーを集め富士スピードウェイで開催された。Grand Finalは、全国5シリーズのポイントランキング3位までのドライバーがシード選手として登録される一方、シード外の出走枠を求めて、全国から多くの選手が集まるVitzドライバー日本一を決定する特別戦だ。今年のシード枠での参加は10名となり、残された35枠を目指し55台が予備予選に臨む事になった。
 その中には、海外からの参戦組インドネシア国内で一番有名な女性ドライバー #361 Alink HARDIANTI選手の姿もあった。11月24日(木)、寒波の影響を受けて東京都心で54年ぶりに11月の降雪が記録されたが、今大会の舞台となる富士スピードウェイにも影響を及ぼし、一面の銀世界となっていた。翌朝からの懸命の除雪作業も追いつかず、金曜日に予定されていた練習走行はすべてキャンセルとなり、土曜日の予備予選開始は、当初予定から約1時間遅れのスケジュールに変更となった。

 11月26日(土)午前10時5分、天候は「晴れ」ではあるものの、降雪の影響で路面はウェットから予備予選が始まった。A組・B組に分かれて走行するが、ここで20名が姿を消すことになる。予備予選でも熱いタイムアタックが続くが、そのなかには歴代のシリーズチャンピオンも顔を覗かせる。A、Bそれぞれ15分間のタイムアタックの結果、A組は#714中村選手が、B組は#25水谷選手がトップタイムをマークし、35名の予備予選通過ドライバーが決定した。
 そして午後には、この予備予選通過の35名とシードドライバー10名をあわせた、45台による今年最後の公式予選タイムアタックが行われた。この時点でコースコンディションは回復、ドライとなっていた。予備予選から好調の水谷選手が、序盤からトップタイムをマークし予選を引っ張る。#120堀内選手・#108峯選手・#1北田選手・#13蓬田選手ら、シードドライバーが次々に上位に名を連ねてくる。そして、15分間の公式予選が終了。予備予選をトップ通過、2014年の「Grand Final」のチャンピオンでもある水谷選手が見事ポールポジションを獲得した!2位には今シーズン関東・関西の両シリーズを制した峯選手、3位には今シーズン関西シリーズ3位の堀内選手が入る結果となった。

 そして日曜日、早朝より多くの観客が『TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2016』に訪れ、華やかに開幕する中、今シーズン最後のVitz Race決勝が行われた。前夜からの雨はあがったものの、朝から濃い霧にサーキットが包まれ、一時はコースの走行自体が危ぶまれたが、コースインの頃には次第に視界がクリアになっていった。そして10時50分ウェットコンディション・オンタイムで8周回の決勝レースが始まった。
 ポールポジションスタートの水谷選手がきっちりとスタートし、ホールショットを決めてレースを引っ張る。落ちついたレース運びだ。オープニングラップが終わる頃には、水谷選手・峯選手・岩瀬選手・堀内選手の4台でトップグループが形成される。一方5番手以降はトップグループから徐々に引き離される展開となる。そんな中、トップグループの4番手につけていた堀内選手が突然スローダウン、3周でレースを終え、トップ争いから姿を消す。3台となったトップ集団は更に激しいトップ争いを続けていく。何度となくトップ水谷選手に並びかける峯選手と岩瀬選手だがポジション変更はない。そして中盤、1コーナーで峯選手が水谷選手をパスし、ついにトップに立つ。しかし、水谷選手も黙ってはいない。峯選手の背後にピッタリとつけ、猛プッシュを続ける。そしてそのまま周回を重ね、レースはファイナルラップへと移っていき、最大の見せ場が訪れる。

 最終コーナー・パナソニックコーナーでイン側についた水谷選手が、絶妙なラインどりでコーナーを立ち上がると、ストレートではなんと峯選手と完全な並走状態へ。じわじわと加速していき、水谷選手の逆転トップチェッカーかと思われたが、水谷選手のさらにイン側にチャンスを狙っていた岩瀬選手が飛び込んでくる。水谷選手がそのカバーに入った直後に、トップ3台が入り乱れてフィニッシュラインを通過。チェッカーフラッグがふられた。結果、僅差でトップチェッカーは峯選手!!!関東・関西シリーズに続き、自身初のうれしいGrand Final制覇となった!!2位には、最大の見せ場はつくった水谷選手、3位にはその水谷選手を追い詰めた岩瀬選手が入り、表彰台を獲得した。トップ争いはクリーンでかつ見応えのある「Grand Final」らしいレースを展開し終了した。TGRFの来場者もワンメイクレースの魅力を十分に共有できる時間となった。
 今大会で、今シーズン全てのスケジュールが終了し、来シーズンの開幕は2017年4月が予定されている。今年以上に多くのエントラントに参戦願うとともに、新しいVitzドライバーの参戦も期待したい。

RESULT特別戦リザルト(TOP3)

順位 No. Driver Team / car Total Best
1 108 峯 幸弘 犬印NヤサカファクターVitz 19'35.319 2'25.574
2 25 水谷 大介 ネッツ東京ヴィッツ 19'35.441 2'25.348
3 55 岩瀬 亮平 夢プロジェクト菱木Rヴィッツ 19'35.483 2'25.115

Race DataNetz Cup Vitz Race Grand Final 富士スピードウェイ

  • 開催日

    2016年11月26日(土)・27日(日)

  • サーキット

    富士スピードウェイ(静岡県)

  • 天候

    晴れ・くもり

  • 参加台数

    65台

特別賞Grand Final特別賞

特別賞 No. Driver
グッドイヤー賞 62 デパマン石渡
ベストパフォーマンス賞 80 高橋 泰裕