Round1
Netz Cup Vitz Race 2017 北海道シリーズ
第1戦 十勝スピードウェイ レポート

ベテランの底力! #16橋本選手が予選4番手から怒涛の追い上げで逆転優勝

2017年5月21日(日)、「TOYOTA GAZOO Racing Netz Cup Vitz Race」の北海道シリーズ第1戦が、北海道河西郡の十勝スピードウェイで開催された。エントリーは地元・北海道のドライバーを中心に、本州からの遠征組を加えた9台だ。
 
レースは1日で予選と決勝が行なわれた。前日の練習走行は5月の北海道とは思えない30℃に迫る猛暑。当日も朝から20℃をオーバーする暑さとなり、各チームとも路面温度のチェックに追われていた。地元勢である#812下地選手や#118長澤選手らは、「異様な暑さでタイヤの空気圧に関するデータ取りが完全に不足しています。もう出たとこ勝負しかありません」と、半ば達観したような表情を見せる。

予選がスタートする時間には強烈な日差しが降り注ぎ、気温や路面温度はさらに高まっていた。2周目で1分46秒527をマークしトップに立ったのは、Vitz Race歴14年の#18みなぴよ選手。前日は車両トラブルに見舞われぶつけ本番に近い状況だったが、ベテランらしい対応力でしっかりとタイムを刻んでくる。続く3周目にタイムを更新したのは地元の#135阿部選手で、1分46秒494で最終的にポールポジションを獲得した。そして3番手には同じく地元のベテラン、#87加藤選手が1分46秒621で食い込む。昨年のシリーズチャンピオン#16橋本選手は4番手。ただし実力は3周目に記録した1分46秒948を上まわると誰もが感じており、決勝では間違いなくトップ争いに絡んでくるだろうと予想された。
 
ポールポジションの#135阿部選手によると、「タイヤは昨年までのモデルと空気圧のセッティングがまるで違います。今日のセットだと減りが早く悩みどころではありますが、決勝では何とか後続を抑えてフィニッシュしたいですね」とのこと。なお予選はトップから8番手までが1秒以内にひしめき合い、ひとつのミスでポジションが大きく入れ替わりそうな大混戦状態だ。十勝スピードウェイは抜きどころが少ないコースのため、スタートダッシュの成否が決勝のレース展開に大きな影響を与えるに違いない。同じくフロントローの#18みなぴよ選手は、「今回こそ万年4位を返上しないと。最低でも表彰台を目標に頑張ります!」と意気込む。

決勝は午後2時半ごろにスタート。タイヤに熱が入りすぎないよう配慮したのか、ほとんどウェービングをせずフォーメーションラップを終え、静まり返ったグリッドに9台のマシンが整列する。見事なスタートダッシュを決めたのは4番手の#16橋本選手だ。1コーナーで早くも2番手にポジションを上げ、3周目のホームストレートに戻って来る頃にはトップを奪取。以降は予選を上まわるラップタイムで後続をどんどん引き離し、終わってみれば圧勝に近いレースだった。#16橋本選手は「予選はあまり気にしていませんでした。5番手までに入れば決勝で何とかできる自信もありましたし」と、Vitz Race歴16年という大ベテランならではと言うべき、余裕あるレース展開だったことを明かしてくれた。
 
予選のタイム差が示すとおり、他のポジションも接戦だらけ。#87加藤選手はアライメントに問題を抱えペースの上がらない#18みなぴよ選手を、レース後半でパスし表彰台の一角を奪い取る。その後方からは#417山田選手と#730本間選手、さらに#118長澤選手が1分47秒台を連発し猛追するがわずかに届かず。ネッツトヨタ北見からエントリーの#322佐々木選手は、予選と同じ9位ではあるものの自己ベストタイムは着実に更新。次なるレースに向け明るい材料は少なくなかったようだ。「ドライバーは社内でオーディション的なテストをやって決めました。レースカーも普段は試乗車やイベントで使っています」と#332佐々木選手。
 
北海道シリーズはいつもタイム差が少ない接戦。そんな言葉を証明するかのような2017年の開幕戦だった。第2戦は7月30日に同じく十勝スピードウェイで行なわれる。地元組と遠征組による意地と意地のぶつかり合い、熱くもクリーンなレースを見せてくれるだろう。

RESULT北海道シリーズ第1戦リザルト(TOP3)

順位 No. Driver Team / car Total Best
1 16 橋本 元 ADVICSヤサカVitzとま 21'22.988 1'45.528
2 135 阿部 晃久 トバコスμVitz南郷運転代行Zn 21'32.426 1'46.387
3 87 加藤 由記 アッシュランド33VitzED 21'39.441 1'46.695

Race DataNetz Cup Vitz Race 北海道シリーズ 第1戦 十勝スピードウェイ

  • 開催日

    2017年5月21日(日)

  • サーキット

    十勝スピードウェイ(北海道)

  • 天候

    晴れ

  • 参加台数

    9台

特別賞北海道シリーズ第1戦特別賞

特別賞 No. Driver
グッドイヤー賞 417 山田 浩
ベストパフォーマンス賞 16 橋本 元
ネッツ・アナザー・ストーリー賞 322 佐々木 健人

"Vitz RS Racing"との、Vitz Race 以外の素敵な付き合い方を語ってくれた選手に授与
ネッツ・アナザー・ストーリー賞 #322 佐々木 健人選手

普段は会社の試乗車として利用されていて、Vitzレースはもちろんのこと、ジムカーナイベントやテストコースの走行体験イベントにも参加しています。以前はイベントでエンジンが故障するなどハプニングもありました。私自身もタイヤバリアに突っ込んでますが…壊れたら直し、そしていたわりつつ、この車の活躍の場がもっと広がって、モータスポーツの良さを伝えられる1台にできたらいいなと思いながらメンテナンスしております。