- Round1
- Netz Cup Vitz Race 2017 東北シリーズ
第1戦 ツインリンクもてぎ レポート
#34渡辺選手がポール・トゥ・ウィンとファステストラップで完勝
2017年6月18日(日)、「TOYOTA GAZOO Racing Netz Cup Vitz Race」の東北シリーズ第1戦が、栃木県芳賀郡のツインリンクもてぎで開催された。エントリーは昨シーズンのチャンピオン、#34渡辺選手をはじめ合計13台、6月の中旬とはいえ曇り空で午前中は気温も20℃前後と低く、ドライバーにとってもマシンにとっても優しいコンディションだった。
レースは1日で予選と決勝が行なわれる。直前に2台が出走を取りやめたため、予選に出走したのは11台。ツインリンクもてぎは抜きどころの少ないコースゆえに、予選でひとつでも上の順位を獲得することが非常に重要だ。先陣を切ってコースに入ったのは#34渡辺選手で、#244横田選手や#8イシカワ選手といったベテラン勢が背後をマークする。自身のスリップストリームを使われる形となった#34渡辺選手だが、2周目にマークした2分33秒858が結果的にベストラップとなり、見事ポールポジションを獲得することとなった。2番手は2分33秒965という僅差で#244横田選手。3番手以降も#8イシカワ選手、#150赤堀選手、#26川中子選手までが約1秒以内という接戦。
ポールポジションを獲得した#34渡辺選手は、「スリップストリームを使われるのは覚悟のうえで、絶対トップでコースインしようと思っていました。コーナリング区間といえる第2セクターで後続を引き離すことができ、95%くらいの力でリラックスしてアタックしたことが好タイムにつながったのではないでしょうか。新しいタイヤも非常に感触がいいです。空気圧も旧モデルと一緒でまったく違和感がありません」とコメント。クリアラップを狙うか、スリップストリームを狙うかは選手によってさまざまで、15分という限られた時間のなかでライバルをいかに上まわるか、各ドライバーの作戦や走りの組み立ても見応えがある予選だった。
決勝ではトップ集団が1コーナーのイン側を奪取すべくノーズをねじ込んでいくが、ポールポジションの#34渡辺選手が先頭を守り切る。その後4コーナーの立ち上がりまではサイド・バイ・サイドの接戦、しかし予選と同じく第2セクターからは#34渡辺選手がじわじわと差を広げ始めた。熾烈さを増したのは2 番手をめぐる争い。#244横田選手、#8イシカワ選手、#150赤堀選手、#26川中子選手が互いに牽制し合う展開となった。
中盤に入ると激しくバトルする2番手グループを尻目に、#34渡辺選手が独走状態を築きはじめる。また、予選からポジションをひとつずつ上げた#86桐生選手と#56横田選手も、互いに一歩も譲らず7番手争いを繰り広げる。どのドライバーも口を揃えて「抜きにくい」と評するツインリンクもてぎ、レースは#34渡辺選手が6秒以上の大差をつけて優勝。ポールポジションに加え、唯一の2分34秒台でファステストラップも獲得するパーフェクトウィンとなった。ファイナルラップまでもつれた2位争いも、ポジションを入れ変えるにはいたらず。#244横田選手、#8イシカワ選手、#150赤堀選手の順でチェッカー。接触スレスレながら決して相手に接触しないどころか、進路を塞ぐこともないスポーツマンシップに溢れるバトルは、Vitz Race歴が長いベテラン勢ならではの美技といえるだろう。
最高の結果となった#34渡辺選手は「3周目のバックストレートでマシンを左右に振って後続集団の反応を確かめたんですが、2番手争いに意識が集中しているようだったので、距離を計りながらミスのないよう走りました。狙ったとおりの展開に持ち込めたので、次もいい結果を残せるように頑張ります!」とのこと。なお途中まで2番手グループにいながら5周目でスローダウンした#26川中子選手は、「最終コーナーで詰まって行き場がなくなり、ブレーキを強めにかけたらABSが作動してはみ出しちゃって……。ただし借り物の車両にダメージはないし、約20年ぶりのスプリントレースを楽しめました」と満足した様子。
第2戦は場所を宮城県のスポーツランドSUGOに移し、7月22日(土)、7月23日(日)に行われる。#34渡辺選手が2年連続のシリーズチャンピオンに向け大きく前進するのか、それを阻止するライバルが登場するのか。今回のような手に汗を握るバトルを期待したい。
Race DataNetz Cup Vitz Race 東北シリーズ 第1戦 ツインリンクもてぎ
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開催日
2017年6月18日(日)
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サーキット
ツインリンクもてぎ(栃木県)
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天候
曇り
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参加台数
13台
特別賞東北シリーズ第1戦特別賞
特別賞 | No. | Driver |
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グッドイヤー賞 | 37 | 山口 浩昭 |
ベストパフォーマンス賞 | 56 | 横田 健一郎 |
ウェルカム賞 | 26 | 川中子 和彦 |
565 | 田島 直登 |