2021 Rd.3 MONZA

WEC 2021 第3戦 モンツァ6時間レース

    ランキングトップで第3戦 モンツァに挑むGR010 HYBRID 8号車

    プレビュー

    ル・マンへの最終準備となるモンツァ超高速コースに挑む

    TOYOTA GAZOO Racing(以下TGR)は、約30年ぶりにFIA世界耐久選手権(以下WEC)が開催されるイタリアでの第3戦モンツァ6時間レースにおいて、ハイパーカー元年開幕3連勝を目指します。

    TGRの新型ハイパーカーGR010 HYBRIDは、今季ここまで行われてきたベルギー・スパとポルトガル・ポルティマオの2戦を制し、モンツァの超高速コースに挑みます。このモンツァ・サーキットは、トヨタの耐久レース参戦史において特別なコースでもあります。

    1992年、ジェフ・リース/小河等組のトヨタのグループCカー TS010が、ライバルのプジョーを下し、トヨタにとって初となる世界耐久スポーツカー選手権での勝利を飾りました。この勝利により、TS010はジャガーXJR-14やメルセデスベンツC11、ポルシェ962らとともに、モンツァでの勝利を挙げたグループCカーとして歴史に名を刻みました。

    この1992年のモンツァ戦以降、イタリアではWECは開催されてきませんでしたが、モンツァは2017年のWECプロローグテストの舞台として使用されました。ヨーロッパ最大の壁に囲まれた公園内に位置する、この伝統ある1周5.793kmのコースは、今季よりWECカレンダーの1戦に加わりました。

    TGRは今季、素晴らしい開幕ダッシュを見せ、ドライバーズ、チームの両ランキングトップで第3戦に臨みます。昨年のル・マン勝者であるセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID 8号車)の3名は今季ここまで2連勝でドライバーズランキング首位につけ、ディフェンディングチャンピオンであるマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス(7号車)の3名は両レース表彰台フィニッシュで続いています。

    シーズン開幕からの2戦はドラマティックな戦いとなりましたが、昨年2月以来、WECは無観客で実施され、大切な一つの要素である観客の皆様が欠けていました。しかし、今大会より、人数を限ってではありますが、サーキットに観客が戻ってきます。

    超高速で、長いストレートの直後にシケインが待ち構えるモンツァのコースは、ル・マンの舞台であるサルト・サーキットに似ており、開催時期が延期され8月21日(土)から22日(日)決勝レースとなった今年のル・マン24時間レースへ向けた準備として理想的です。

    レースは、16日(金)午後の公式練習走行で幕を開けます。17日(土)はさらに2回の練習走行に続き、37台で争われる決勝に向けたスターティンググリッドを決定する予選が行われ、翌18日(日)の現地時間正午(日本時間午後7時)に6時間の決勝レースのスタートが切られます。

    モンツァ・サーキットのコース図
    村田久武(TOYOTA GAZOO Racing WEC チーム代表):

    ファンの皆様の前で再びレースができることが楽しみで仕方ありません。レースの雰囲気に満ちた週末を観客の皆様と一緒に楽しむことが1年以上できていませんでした。イタリアの情熱的なモータースポーツファンの皆様を再び迎えることができ、モンツァは素晴らしいレースになるでしょう。実現にご尽力いただいたサーキット関係の皆様、レースオーガナイザーの皆様に深く感謝いたします。今回はル・マンに向けた重要なステップです。モンツァのトップスピードは高速で、ハードなブレーキングゾーンもあるためGR010 HYBRIDにとって過酷なレースとなりそうですが、チーム全員が今回の挑戦を楽しみにしています。

    小林可夢偉(GR010 HYBRID #7):

    WECではモンツァのレースを戦ったことはありませんが、私自身は17歳の時にジュニアカテゴリーのレースで初めて走ったのがこのモンツァであり、とても良く知っています。私のキャリア初期にはイタリアに住んでいたこともありますし、イタリアでまたレースができるのは嬉しいです。このモンツァ戦はル・マン前の最後のレースでもあり、とても重要なレースウィークです。全てを着実にこなして、GR010 HYBRIDの性能を引き出し、信頼性を確認するとともに、我々自身の準備も整える必要があります。今大会から観客が戻ってくるのは素晴らしいことですし、イタリアのファンの皆様の前でエキサイティングなレースを見せることができたらと思っています。

    マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7):

    モンツァに戻れるのは嬉しいです。数年前のプロローグテストで訪れましたが、TS050 HYBRIDでこのような超高速コースを走るのは本当に楽しかったです。GR010 HYBRIDでも同様に間違いなく楽しめるでしょう。ハイパーカーでモンツァを走るのは初めてなので、もちろん挑戦ですし、特にブレーキングや縁石通過時に向けて正しくセットアップすることが必要です。それらを上手く対応し、トップに立てることを期待しています。

    ホセ・マリア・ロペス(GR010 HYBRID #7):

    モンツァに戻れてとても嬉しいです。モンツァでのレース自体はずいぶん長い間していませんが、キャリアの初期にこの近くに住んでいたことがあり、とても良い思い出があります。ジュニアカテゴリー時代に何度か優勝したこともありますし、WECでも勝てればと思っています。モンツァは耐久レースに最適なコースですし、前戦ポルティマオで良いパフォーマンスを見せられたので、今大会に向けてもとても期待が高まっています。ル・マン前の最後のレースですし、良いレースウィークにしたいと思っています。

    中嶋一貴(GR010 HYBRID #8):

    モンツァはお気に入りのサーキットのひとつで、2017年以来となる訪問を本当に楽しみにしています。モンツァのような超高速サーキットを走るのは最高に気持ちが良いです。モンツァはブレーキングや縁石通過、そして荒れた路面でのトラクションなど、簡単なコースではないだけに、我々のハイパーカーがどれだけのパフォーマンスを見せられるのか楽しみです。大変な挑戦になるとは思いますが、ル・マンに向けての準備の助けにもなってくれるでしょう。

    セバスチャン・ブエミ(GR010 HYBRID #8):

    シーズンのスタートを2連勝で飾れたのはとても素晴らしいことで、モンツァでもこの勢いを維持していきたいと思っています。とはいえ今大会も簡単ではないことは分かっています。前戦ポルティマオではアルピーヌの速さを目の当たりにしましたし、グリッケンハウスも今回から2台体制で参戦してくるということで、彼らもさらに強力なライバルになるでしょう。ハイパーカーカテゴリーの争いはさらに接近した激しいものになると思いますが、我々もしっかりと準備をしてきました。ル・マンも目前に迫っているので、このモンツァ戦でも良い結果を得て、良い雰囲気でル・マンに臨めればと思っています。

    ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID #8):

    スピードの殿堂とも言えるコースで、GR010 HYBRIDと共にレースができるというのは最高です。耐久レースにおいて素晴らしい歴史を持つモンツァがWECカレンダーの1戦として復活するというのは素晴らしいことです。新しいハイパーカーがル・マンと同じような長いストレートを持つコースを走るのは初めてのことであり、ル・マンと同じような空力セッティングが必要になるので、準備という面でも完璧な機会となるでしょう。もちろんル・マンへの準備というだけでなく、世界チャンピオン争いにおいてポイントを獲得することも重要であり、我々の目標は3勝目です。