2023 Rd.1SEBRING

WEC 2023 第1戦(開幕戦)セブリング1000マイル

    2022年 セブリング1000マイル

    プレビュー

    激戦が予想される2023年シーズン、開幕戦セブリングに挑む

    TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、ハイパーカーによる新たな時代を迎えるFIA世界耐久選手権(WEC)でのタイトル防衛を目指し、3月17日(金)に決勝が行われる2023年シーズン開幕戦セブリング1000マイルレースの舞台となる、米国フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイへ向かいます。

    2022年 セブリング1000マイル

    エキサイティングな戦いが予想される2023年シーズンへ向けて、TGRは2021年のデビュー以来、これまでに12戦中10勝を飾っているGR010 HYBRIDをさらに改良して臨みます。この改良型GR010 HYBRIDを用いたシーズン前のテストプログラムは順調で、信頼性とドライバビリティの最適化、車両重量の軽減などを目的とした様々な変更について検証してきました。

    今季のTGRは昨年と変わらぬドライバーラインナップで挑みます。GR010 HYBRID 7号車は5シーズン連続で小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名がドライブ。そして、8号車は2022年シーズンのシリーズチャンピオンを獲得し、ル・マン24時間を制したセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の3名が、タイトル防衛とル・マン連覇を目指します。

    TGRは2023年、現行WECでの11度目のシーズンを迎えますが、昨シーズンまで5年連続でのル・マン24時間レース制覇、そして、4季連続でのドライバーズ、マニュファクチャラーズのダブルタイトル獲得という喜ばしい戦歴を残しています。

    8時間以上にわたって戦われるセブリング1000マイルレースは、ドライバーと車両にとって、他に類を見ないチャレンジとなります。米国耐久レースの聖地とも言えるセブリングは、1950年のオープン以来、その荒れた舗装の路面でよく知られており、また、この時期のフロリダは蒸し暑く、天候の予想が難しいコースでもあります。

    2023年シーズンの戦いは、ハイパーカークラスに新たにキャデラック、フェラーリ、ポルシェ、そして、ヴァンウォールといったライバルが加わり、既に参戦しているグリッケンハウス、プジョーと併せ、さらに激しさを増すことになるでしょう。全7戦で争われる2023年シーズンの開幕戦には11台のハイパーカーが名を連ね、現行WECが2012年に開始されて以来最多の車両がグリッドに並びます。

    そして、この週末、例年通り同じセブリングで行われるプロローグテストは、チーム、またファンの皆様にとっても、これらチームと車両が一堂に会する最初の機会です。11日(土)と12日(日)の2日間、チームは1周6.019kmのコースを合計12時間半にわたって、テストのために走行することが可能となり、開幕戦へ向けた準備を行います。

    プロローグテストの翌週、15日(水)に行われる2度の練習走行でセブリング1000マイルのレースウィークが開幕します。16日(木)は1時間の最終練習走行を行ったあと、日が沈み、夕闇にコースが包まれる中で、今季最初のスターティンググリッドを決定する15分間の予選が行われます。そして、17日(金)の現地時間正午に約8時間、1000マイルで争われる決勝レースのスタートが切られます。TGRは、セブリングでの2019年以来2度目の勝利を目指します。

    セブリングサーキットのコース図
    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):

     全てのハイパーカーチームにとって、セブリングは大きなチャレンジになりますが、我々の準備は万端で、世界チャンピオンとル・マン防衛へ向け闘志に満ちています。日本のトヨタ関係者、及びパートナーの皆様の素晴らしい協力体制とサポートにより、我々はとても結束力高く、安定したチームになっています。ル・マンでの輝かしい戦歴を誇るフェラーリ、プジョー、ポルシェといった強力なマニュファクチャラーや他のハイパーカーと相対することは非常にタフなものになると思いますが、彼らと共にレースの上位争いに加われることはエキサイティングなことでもあります。このチャレンジに向けて、開幕戦セブリングから、我々は真のチームスピリットでこれまで以上に固く協力していく必要があります。ドライバーとしても、ミス無く、速く、安定した走りが求められていることは当然ですし、チームもプロローグの初日から最適なセットアップを見出すために懸命に動いてくれるでしょう。開幕戦へ向けて準備が整っている自信はありますし、スタートが待ち遠しいです。

    GR010 HYBRID 7号車の小林 可夢偉
    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):

     セブリングのような最高のコースでシーズンの開幕を向かえることにワクワクしています。セブリングはアメリカのファンの皆様をはじめとして全てが醸し出す雰囲気が素晴らしいですし、今年はこれまで以上に多くのハイパーカーがグリッドに並ぶということでさらに特別なものとなるでしょう。耐久レースに携わる誰もが、今シーズンがどうなるのかを楽しみにしていると思いますが、我々自身も素晴らしいバトルを期待しており、セブリングはその最初の舞台となるはずです。セブリングはその長い歴史と共に、開幕戦の舞台として完璧な場所であり、素晴らしいイベントになることは間違いないと思います。我々はレースウィークを順調に戦うためにも、プロローグからGR010 HYBRIDの適切なセットアップを見出すべく、ハードワークを続けます。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー):

     セブリングは、荒れた、様々な舗装路面を持つ昔ながらのサーキットで、再び走れるのが楽しみです。しかし、その特性から、ドライバーやエンジニアにとっては最良のセットアップを見出すのが簡単ではありません。そのため、直前に行われるプロローグテストで、改良されたGR010 HYBRIDをセブリングにあわせて調整することがとても重要です。シーズン前のテストは順調で、改良点は期待通りに動いているので、来たるシーズン開幕へ向けての自信に繋がっています。セブリングでは、この改良された車両パッケージと、ライバル勢との競争力が比較できる最初のチャンスという意味で興味深いですし、我々も楽しみにしています。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):

     新たなハイパーカーカテゴリーのライバル達とのバトルが始まるのが待ちきれません。今季のWECにおけるこの大きな変革の中に携われるというのは本当に特別なことですし、このエキサイティングな挑戦が楽しみです。セブリングでのレースは楽しいですし、2019年に8号車で勝利を挙げているので、セブリングでの勝利の味もよく知っています。僅差の戦いになるでしょうが、我々は上位争いに加われるはずです。これまで以上に、一切のミスなく、全てを正しい方向で進め、週末を完璧に戦う必要があります。我々にはこれまでWECを戦ってきた経験と知見があるので、力強く上位争いができると確信しています。

    GR010 HYBRID 8号車のセバスチャン・ブエミ
    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):

     素晴らしいシーズンになるであろう2023年のWECにおいて、セブリングは最高の開幕戦の舞台です。サーキットも、アメリカのファンの皆様の情熱や歴史が感じられる雰囲気も大好きです。レースウィークを前に我々は、改良されたGR010 HYBRIDで初めてセブリングを走るチャンスであるプロローグテストに臨み、忙しい数日間を過ごすことになります。レースウィークへ向け、セットアップやタイヤコンパウンドなどの評価をしなくてはならないので、このテストは重要です。トヨタ同様に耐久レースで輝かしい歴史を刻んできたマニュファクチャラーが参戦してくることで、激しいバトルになることが予想されますし、間違いなく最高のイベントになるでしょう。

    平川 亮(8号車 ドライバー):

     セバスチャン、ブレンドンと共にまたレースに臨めることをとても嬉しく思います。我々は昨年、とても素晴らしいシーズンを戦い、最高のチームを作り上げました。私にとってのハイパーカーでの初シーズンは予想以上のものとなり、ル・マンを制し、世界チャンピオンも獲得できたのは、素晴らしい経験でした。シーズンを通して多くのことを学び、GR010 HYBRIDに慣れると共に、セブリングのような初めて走るサーキットについても学びました。これらの経験は、WECチームで2年目のシーズンへ向けて良い準備になりましたし、セブリングのコースやコンディションについても何が起こるかわかるので、昨年以上に準備は万端です。セブリングは特別な場所で、昨年も本当にレースを楽しむことができたので、今年も期待しています。