2023 Rd.2 PORTIMAO

WEC 2023 第2戦 ポルティマオ6時間レース

    2年振り開催の第2戦ポルティマオ6時間に挑む

    プレビュー

    2年振り開催の第2戦ポルティマオ6時間に挑む

    先月行われたばかりの2023年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦セブリングで1-2フィニッシュという好スタートを切ったTOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、その勢いに乗って、欧州における今季初戦となるポルティマオ6時間レースに挑みます。

    シーズン初戦セブリング1000マイルレースを、TGRは持ち味のチームワークと安定したドライビング、そして、確実なタイヤマネージメントで戦い抜き、キャデラック、フェラーリ、プジョー、また、ポルシェといった耐久レースで伝統と歴史あるメーカーとのハイパーカークラスでの争いを1-2フィニッシュという形で制しました。

    GR010 HYBRID 7号車を駆る小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名は、開幕戦セブリングで勝利を挙げたことで、ドライバーズランキング首位に立っています。ディフェンディングチャンピオンであり、連覇を目指すGR010 HYBRID 8号車のセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の3名はレースを7号車に続く2位でフィニッシュし、ランキングでも僅差の2位につけています。

    セブリングの、その独特の荒れた路面での激戦を終え、WECシーズンは欧州ラウンドに移ります。その初戦となるポルティマオは、2週間後に続く第3戦スパ・フランコルシャン6時間と共に、ル・マン24時間レースへ向けた非常に重要な準備期間のスタートでもあります。

    TGRは前回ポルティマオでWEC戦が行われた2021年の第2戦に1-2フィニッシュを果たしており、この時にブエミとハートレーは優勝を経験しています。そして、この勝利はまた、トヨタにとってFIAのスポーツカーで争われる世界選手権における記念すべき100戦目でもありました。この思い出深いポルティマオはドライバーにとってチャレンジングなサーキットであると同時に、チームのロジスティックス(物流)においても挑戦となります。GR010 HYBRIDとレース機材を積んだ5台のトラックによる、ポルトガルを目指す長い陸路での旅路は、4月6日(木)にチームの本拠地であるドイツ・ケルンからスタートします。

    チームの5台のトラックは、5カ国を通過し、2500kmに及ぶ行程を終え9日(日)にポルトガル南岸の都市ポルティマオ近郊に位置する、アルガルヴェ・サーキットに到着します。この距離は、1周4.653kmのサーキット538周分であり、ハイパーカーによるピットストップも含めた典型的なレースペースでの14時間半分の走行距離に匹敵します。

    バーレーン・インターナショナル・サーキットのコース図

    シーズン2戦目は14日(金)に開始され、この日は90分間にわたる練習走行が2度にわたって行われます。このセッションでドライバーとエンジニアはGR010 HYBRIDの様々な空力やメカニカルセッティング、タイヤコンパウンドなどの比較や評価を行います。

    そして、15日(土)午前11時過ぎからの最後の練習走行を経て、決勝のスターティンググリッドを決定する15分間のハイパーカークラス予選セッションは、午後4時20分に開始されます。全7戦で争われる2023年シーズンの第2戦となるポルティマオ6時間の決勝レースは、現地時間16日(日)正午(日本時間午後8時)にスタートが切られます。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):

    日本の仲間やパートナーの皆様の強力なサポートとチームの素晴らしい努力のおかげで、セブリングでは完璧なシーズンスタートを切ることができました。1-2フィニッシュという最高の結果は我々の努力に報いるものでした、とは言え、次戦ポルティマオはまた異なるレースであり、可能な限り競争力の高いクルマを準備するためにも、更なるチームの頑張りが必要です。ポルティマオはセブリングとは全く違うコースであり、ハイパーカーによる争いはさらに僅差となることが予想されます。ライバルの多くが近年ポルティマオでのテストを経験していますが、我々にとっては昨年4月以来の走行となります。そのため、我々は練習走行セッションから正しいセットアップやタイヤ戦略を見出すためにハードワークをこなす必要があるでしょう。ここからは全てのレースがル・マン24時間を見据えた準備の一部でもあり、それだけに、来週のレースはさらに重要なステップとなります。ハイパーカーのライバル達との戦いを楽しみにしていますし、ファンの皆様にも、またエキサイティングな戦いが見せられると確信しています。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):

    セブリングでは本当に力強いチームのパフォーマンスによって勝利を挙げ、素晴らしいシーズンスタートを切ることができたので、この勢いをポルティマオでも維持したいと思っています。ポルティマオは、ここ数年何度もテストを行ってきたコースでよく知っていますし、2021年にはGR010 HYBRIDで実際にレースを戦ってもいます。しかし、今年はクルマもタイヤも異なります。これまでの経験には価値があり、ゼロからのスタートというわけではありませんが、自分たちのアップデートも含め、全ての準備を適切に調整するためにも、金曜日は忙しい一日になるでしょう。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー):

    ポルティマオで再び戦えるのは嬉しいです。ドライブするのが楽しく、とてもチャレンジングな良いサーキットです。このポルティマオと、わずか2週間後に待ち構えているスパでル・マンへ向けた準備もしなくてはならないので、誰にとっても忙しくタフな季節が始まります。我々は勢いに乗っていると思います。チームはセブリングで素晴らしい仕事をし、マニュファクチャラーとドライバーの両タイトル争いを、首位というポジションで今レースに臨むことになるので、それを守るべく戦います。我々の目標は再び表彰台の中央に登ることです。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):

    ポルティマオでは2年前に優勝という良い思い出があるので、戻れて嬉しいです。今レースもハイパーカークラスのライバル達から激しい挑戦を受けることは間違いありません。セブリングは特殊なコースなので、まだ誰も確実なパフォーマンスの位置を明らかにすることはできていませんが、ポルティマオではそれがもっと明確になるでしょう。我々のGR010 HYBRIDの速さは分かりましたし、セブリングでは我々のチームがトップ争いをしたので、自信はあります。簡単ではないでしょうが、上位争いに留まるべく頑張りたいと思います。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):

    セブリングは新たなハイパーカー同士のバトルを初めて味わうことができたレースで、誰にとってもエキサイティングなものだったと思います。新たに現れた強力なライバルと戦い抜くためにも、さらに自分を高めていく必要があります。シーズン前から開幕戦セブリングにかけて素晴らしい仕事をしてくれたチームと共にポルティマオに向かいますが、バトルがさらに激しいものになるのは間違いありません。それはシリーズとファンの皆様にとって素晴らしいことであり、チームとしてもチャレンジのしがいがあることなので、我々自身も全員がこのレースを楽しみにしています。

    平川亮(8号車 ドライバー):

    ポルティマオでまたドライブできるのが楽しみです。私がGR010 HYBRIDを初めてドライブしたのは、2021年6月のポルティマオだったのですが、あれ以来本当に色んなことが起きたので、随分前のことのように感じます。当時は全てが私にとって初めてで、学ぶことが沢山ありましたが、今はクルマにもチームにも大分慣れてきました。我々はセブリングで力強いシーズンスタートを切ることができたので、ポルティマオでもその高いレベルを維持するべくハードにプッシュしていきます。