SPA-FRANCORCHAMPS
WEC 2023 第3戦 スパ・フランコルシャン6時間レース
プレビュー
TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、世界で最も壮観なサーキットのひとつであるベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで、4月29日(土)に決勝レースが行われる2023年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第3戦スパ・フランコルシャン6時間レースに挑みます。
ポルティマオで完璧な勝利を飾った8号車の3名は、ドライバーズ選手権でも首位に立ちました。一方で開幕戦セブリングウィナーである7号車の小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名は、ポルティマオでは不運なトラブルに見舞われるも、諦めず9位でチェッカー。貴重なポイントを追加し、首位を13ポイント差で追う形になっています。
スパ・フランコルシャンは、世界選手権黎明期の1953年からカレンダーの一戦に加わっており、長い耐久レースの歴史においても象徴的なサーキットです。TGRは、現行WECにおいてスパでは過去10戦を戦い、昨年の7号車による勝利を含めた7勝という記録を残しており、ハイパーカー時代に入ってからは過去2戦2勝です。
ベルギー、アルデンヌの森の中に位置するスパ・フランコルシャン・サーキットの1周7.004kmと長いコースは、「スパ・ウェザー」と称される、予測不能な天候で知られており、また、魅力的な高速コーナーの組み合わせによるレイアウトでファンとドライバーに愛されています。チームの本拠地が位置するドイツ・ケルンが、このスパから国境を挟んで120kmほどしか離れていないこともあり、「ホーム」として多くの応援が期待できます。
レースウィークは27日(木)、2度にわたる90分間の練習走行で開始され、28日(金)午前中の最後の練習走行で、午後に待つ予選への最終準備を行います。6時間にわたる決勝レースは29日(土)の現地時間12:45(日本時間午後7時45分)に、38台による激戦のスタートが切られます。
スパは、最大の目標であるル・マン前の最後の実戦であり、我々にとって非常に重要なレースです。また、チームにとってはホームレースでもあり、イベント中には、チーム本拠地のケルンから多くの関係者が家族連れで応援に来てくれるので、皆様に会えるのも楽しみの一つです。スパにはいつも多くの観客が集まってくれますが、今年はハイパーカーも増えるので、さらに盛り上がるでしょう。ライバルはレース毎に強くなっており、また、スパではさらに台数が増えることになるので、チームにとっても、ドライバーにとっても、忙しくタフな週末になると思います。スパは素晴らしいサーキットですが、色んなことが起こりうるので、上位を争うためには、車両セットアップやタイヤなど全て正しく把握し、ミス無く戦うことが必要です。多くの意味でル・マン前哨戦として理想的なレースであり、ここで好結果を残せれば、記念すべき100周年大会へ向けた完璧な準備となるでしょう。
スパは毎回良いイベントで、大好きです。スパには自信を持って臨みますが、まだシーズンは始まったばかりで、未知数な部分も多いです。上位を争えるポテンシャルがあることは確かですが、スパではライバルが更に増えます。レースの世界では、状況が急激に変わることも多いので、レース毎に対応していくしかありません。スパはシーズン最大のレースであるル・マン前の最後のレースであり、ル・マンに自信を持って臨むためにも、ここでの結果は重要です。
スパはハイスピードで、ランオフエリアも少ない、昔ながらのコースなので本当に走っていて楽しいですし、これまでに何度も良いレースを戦ってきました。WECではこれまでに5回勝っており、その記録を6に伸ばせればと思っています。また、スパでは天候とタイヤマネージメントがキーになります。1セットのタイヤでダブルスティントを走らなければならないので、タイヤ摩耗のコントロールがとても重要ですが、簡単にはいかないでしょう。
スパは、ドライバー誰もが5本の指に入ると思うコースで、みんな訪れるのを楽しみにしていると思います。アップダウンが大きく、美しいコースで、流れるようなレイアウトも本当に素晴らしいです。また、スパは耐久レースでの歴史も古く、いつも大観衆が迎えてくれる、特別な場所です。伝説的なスパ・ウェザーで知られていますが、今年の改良型GR010 HYBRIDでは、新しいレインタイヤとの組み合わせをほとんど経験していないため、その点では未知数な部分がまだ残っています。ただ、それもル・マンへ向けた最終準備のひとつのステップになるはずです。