2024 Rd.4LE MANS

WEC 2024 第4戦 ル・マン24時間

    激戦が予想されるシーズン最大のイベント、ル・マン24時間に挑む

    プレビュー

    激戦が予想されるシーズン最大のイベント、ル・マン24時間に挑む

     TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、6月15日(土)から16日(日)にかけて決勝レースが行われるFIA世界耐久選手権(WEC)第4戦ル・マン24時間で、通算6勝目という大きな目標に挑みます。

     世界チャンピオンとして直近の6年で5勝を挙げているTGRは、来週末に行われる第92回ル・マン24時間レースへ向けて着実な準備をしてきました。ドライバー、エンジニア、そしてメカニックは、強力なチームスピリットで一丸となり、サルト・サーキットでの栄誉を賭けた戦いに臨みます。

     TGRの2台のGR010 HYBRIDは、アルピーヌ、BMW、キャデラック、フェラーリ、イソッタ・フラスキーニ、ランボルギーニ、プジョー、そしてポルシェという、強力なライバルと総合優勝を争うことになり、21世紀のル・マンでは最高峰クラス参戦最多となる、全23台ものハイパーカーがグリッドに並びます。今季の第2戦イモラで勝利を挙げたGR010 HYBRID 7号車を小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースの3名、そして、世界チャンピオンのセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮がGR010 HYBRID 8号車をドライブします。

     今季のル・マンを戦う6名のドライバーのうち5名が、ル・マンでの優勝を経験しています。ブエミは通算4勝、ハートレーが3勝、コンウェイ、小林と平川は1勝を挙げています。デ・フリースはトップカテゴリーでのル・マンは今大会がデビューとなりますが、これまでにLMP2クラスで4度参戦しています。また小林は、13.626kmのサルト・サーキットにおけるコースレコードホルダーであり、コンウェイも決勝レース中の最速ラップ記録を保持しています。

     トヨタは、ほぼ40年前となる1985年にル・マン初参戦。以来5勝を挙げ、17度の表彰台と8度のポールポジションを獲得しています。この間、決勝レースで走った総走行距離は16,000周以上にわたり、これは地球を5周以上する距離となります。

     TGRヨーロッパの副会長であり、ル・マン3連覇を成し遂げた10人のうちの一人である中嶋一貴は、6月15日(土)のスタート時、およそ30万人の観客が見守る前でフォーメーションラップを先導する、名誉あるグランドマーシャルの任をレース主催者であるACO(フランス西部自動車クラブ)から与えられることとなりました。

    スパ・フランコルシャン・サーキットのコース図

     1923年に第1回大会が開催されて以来、ル・マン24時間レースは最新の自動車技術と路面に応じた走行技術を切り拓いていく役割を担ってきました。トヨタはル・マンで技術を磨き、2012年に現行WECに復帰して以来、ハイブリッド・パワートレーンのみで参戦を続けており、耐久レースを通して「もっといいクルマづくり」に取り組み続けています。2024年仕様のGR010 HYBRIDは、再生可能原料100%のバイオ燃料を使用する3.5リッターV6ツインターボエンジンと、フロントアクスルを駆動する200kW(272ps)のハイブリッドモーターの組み合わせによる4輪駆動システムが採用されています。

     TGRは最新技術をコース上で用いるだけでなく、サーキットを訪れたファンの皆様にも公開しています。昨年はル・マンの未来の可能性を提案する、水素エンジン搭載のGR H2レーシングコンセプトを披露しましたが、今年もサーキット内に設けられた水素ビレッジでの展示と、マニュファクチャラーズビレッジにおいてはTGRのモータースポーツ活動とその理念にフォーカスを当てた展示を行います。

     6月8日(土)には、ル・マン市街中心部で恒例となった公開車検が行われ、ファンの皆様はレースに臨む2台のGR010 HYBRIDを間近に見ることができます。さらに午後3時半からは2.1kmにわたり市街周辺を巡るパレードにもGR010 HYBRIDが参加します。9日(日)は、参加する全チームにとって今年初めて行動区間を含むサルト・サーキットを走行できるテストデーとなり、6時間に及ぶテスト走行が行われます。

     ル・マン24時間レースウィークにおける公式な走行は、6月12日(水)の公式練習から開始されます。この日2回の練習走行に挟まれるように予選が行われ、この予選で各クラス上位8台が翌13日(木)現地時間午後8時(日本時間14日(金)午前3時)より行われるハイパーポールに進出し、上位8グリッドを決定します。14日(金)には走行はなく、ドライバーズパレードなどのイベントのみが行われ、24時間で戦われる決勝レースは15日(土)現地時間午後4時(日本時間午後11時)にスタートが切られます。

    ル・マン24時間特設サイトオープンとパブリックビューイング開催のお知らせ
     6月15日(土)から16日(日)にフランスで開催されるWEC(FIA世界耐久選手権)第4戦 ル・マン24時間レースに向けて、昨日5日(水)にTGR公式サイト内へル・マン特設サイトを開設しました。ここでは2台のGR010 HYBRID、ドライバーやWECチームメンバーが一丸となってル・マンに挑戦する姿を描いたキービジュアルも公開しています。
     また6月16日(日)に、トレッサ横浜(神奈川県)南棟1Fセンターガーデン、裾野市民文化センター(静岡県)、及びカラフルタウン岐阜(岐阜県)において、ル・マン24時間レース優勝を目指すTOYOTA GAZOO Racingをファンの皆様と共に応援するパブリックビューイングを開催します。詳細は決まり次第、下記ル・マン特設サイトにて随時お知らせしていきます。

    ルマン特設サイト
    URL: https://toyotagazooracing.com/jp/wec/special/2024/24h-lemans/

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):

     東富士、ドイツ・ケルン、そして多くのトヨタファミリーとパートナーの皆様全員がこの1年間、全力でル・マンに向けて準備に取り組んできました。これから10日間にわたる、強力なライバルとの戦いが待っており、トップを争うためには最高の状態で臨まなければなりません。ル・マンで新たな勝利を勝ち取るためには、チームスピリットと経験、努力の全てが必要ですが、我々は全員がそれを成し遂げるべく決意を固めています。世界中から集まったファンの皆様の応援により、ル・マンは独特の雰囲気を持つ特別なレースになります。市内中心部で行われる車検から表彰式まで、常に応援を背に感じながらレースを戦います。その一員として、またあの場所に参加するのが待ちきれません。

    ニック・デ・フリース
    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):

     ル・マンは常にシーズン最大のレースであり最も楽しみなレースです。我々はこのル・マンのためにクルマを開発しているといっても過言ではありません。チーム全員が良い結果を望んでいますが、イモラで我々も最大のパフォーマンスを発揮すれば勝てる、ということを証明しました。非常に速いライバルとの大変な戦いが待ち受けていて、困難であることはわかっています。100%最高の仕事をしなくてはならないですし、ル・マンでは運も必要です。高い目標と共にイベントに臨み、可能な限り最高の結果を目指します。コントロールすることが難しい要素も多いですが、それがレースというものですし、ベストを尽くします。

    ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー):

     ル・マンは世界で最も格式高く、象徴的なレースのひとつです。WECを戦う全ての人にとって1年で最大のレースであり、誰もが勝利を望んでいます。それはもちろん我々にとっても同じです。私にとってトヨタのレーシングドライバーとして初めてのル・マンなので、とてもわくわくしています。2022年にテストドライバーとしてチームに加わり、その年はLMP2クラスでル・マンを戦いましたが、今年は総合優勝を目指して戦うことになります。多くのチームとマニュファクチャラーによるバトルが繰り広げられることになる、耐久レースにおいてとてもエキサイティングな時代を今は迎えています。長いレースウィークですが楽しみですし、ル・マンの女神が微笑んでくれることを願っています。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):

     ル・マンは特別なレースであり、チームを構成する全員とその家族の協力の上に成り立っています。このイベントは一緒に旅をするようなもので、勝つためには限界までプッシュする必要があります。100年に及ぶ独自の歴史を誇り、30万人を超えるファンの皆様が見守る中で、60台以上のレースカー、そして、多くのマニュファクチャラーが競い合う偉大なレースです。加えて、舞台となるコースも素晴らしいです。コースは公道も使っていて、1年のうち1週間しか走れません。走った感触も、今ではなかなか見かけられない、昔ながらのサーキットそのものです。

    平川亮
    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):

     ル・マンは我々のハードワークの目的そのものです。ル・マンは恐らくシーズン全体よりも大きな位置づけです。今季のスタートが最高のものでは無かったとしても、準備は万端だと感じていますし、チームメイトやチームの全てのメンバーと全力を尽くして表彰台の中央を目指し戦いたいと思っています。昨年は本当に信じられないほどの大観衆でしたが、今年はさらにライバルが増えることで、また世界中から熱狂的なレースファンの皆様が集まってくることでしょう。様々な感情をもたらしてくれる特別なレースです。準備はできています。

    平川亮(8号車 ドライバー):

     私にとって5度目のル・マンで、TGRでは3度目となりますが、シーズンの中の本当にエキサイティングなレースウィークが待ちきれません。24時間を戦い終えて、表彰台の頂点に立ったときの感覚は他の何物にも代え難いものです。耐久レースドライバーなら誰もが夢見るものであり、私はそれを2022年に達成することができました。勝利を経験している身として、再び表彰台に上りたいのは当然ですが、それが容易ではないこともわかっています。全開で24時間レースを戦えば、何が起こるかわかりませんし、ハイパーカーの戦いは熾烈です。しかし、チームは本当に懸命な作業で準備を進めてくれましたし、あとは結果を出すためにベストを尽くすだけです。