2024 Rd.6LONE STAR LE MANS

WEC 2024 第6戦 ローンスター・ル・マン

    アメリカ・テキサスでのWEC初勝利を目指す

    プレビュー

    アメリカ・テキサスでのWEC初勝利を目指す

     TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、2024年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)チャンピオン獲得へ向け、前戦のブラジル・サンパウロで今季2勝目を挙げた勢いを維持して、9月1日(日)に米国テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で行われるWEC第6戦ローンスター・ル・マンに挑みます。

     今季のWECは激戦が続いており、前戦のサンパウロで今季2勝目を挙げたTGRは、マニュファクチャラーズ選手権において首位のポルシェとの差をわずか4ポイントまで詰め、シーズン第6戦の行われる米国へと向かいます。

     小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースのGR010 HYBRID 7号車は、前戦で速さを見せ、ポールポジションから序盤レースを支配しましたが、技術的な問題で4位フィニッシュとなりました。7号車は8号車と共に、TGRがこれまで6回挑戦して未勝利のオースティンで今季2勝目を目指します。

     ディフェンディングチャンピオンであるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車はサンパウロ戦で今季初勝利を挙げました。ハートレーと並ぶ4度のチャンピオン経験を持つブエミは、この勝利で自身の持つWEC最多勝記録を25へと伸ばしました。

     WECカレンダーに2020年以来の復帰となる、ローンスター・ル・マンの6時間レースが行われる1周5.513kmのCOTAでは、夏のテキサスの暑さがチームとドライバーを待ち受けています。

    ローンスター・ル・マン・サーキットのコース図

     TGRにとって、オースティンではこれまでに6レースを戦い、2013年と2020年の2位が最高位フィニッシュでした。ハートレーは別チームで3勝を挙げています。オースティンでは未勝利のTGRですが、米国でのWEC戦としては、2019年と2023年のセブリングで勝利を飾っています。

     COTAは、前戦の舞台であるインテルラゴス同様に反時計回りのコースで、1コーナーへ向かって急勾配を駆け上った後、流れるような高速コーナーが組み合わせられており、序盤のセクターから見応えのあるレイアウトが特徴です。

     チームは来週末のレースへ向けて、早くから準備を開始しており、7月末にはオースティンで3日間のテストを行いました。レースウィークは8月30日(金)に2回の90分間にわたる公式練習で幕を開けます。31日(土)は午前中の1時間の練習走行を経て、現地時間午後3時40分(日本時間翌1日午前5時40分)から予選とハイパーポールが実施されます。7回目となるローンスター・ル・マンの決勝は9月1日(日)現地時間午後1時(日本時間翌2日午前3時)にスタートが切られます。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):

     アメリカでのレースが本当に大好きなので、オースティンを再訪することと、熱狂的で歓迎してくれるアメリカのファンの皆様に会えることをとても楽しみにしています。私自身は今年の早い時期にNASCARでCOTAを走っており、とても楽しかったですが、もちろんGR010 HYBRIDは全く異なるタイプのクルマです。先月のテストは準備を始める良い機会となりましたし、車両セットアップとタイヤ特性の面で、このコースでの方向性を明確に示してくれました。テストの後もチームは、レースで最高のパフォーマンスを発揮できるよう、ハードワークで車両の最適化作業を続けてくれています。チャンピオン争いで大きなポイントを取る更なるチャンスですし、それが我々の目標です。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):

     私にとって、トヨタで初めてのレースが2014年のここオースティンでした。あれから10年経って、再び戻ってくることができ感慨深いです。この間、チームと共に本当に多くの経験を積んできました。10年も経ったなんて信じられません。私自身アメリカでは多くのレースを戦ってきて、雰囲気もファンの皆様も大好きなので、再訪するのが楽しみです。今シーズンずっとそうであるように、レースはタフなものになるでしょうが、我々は万全の準備を進めていて、クリーンなレースを戦い、可能な限り多くのポイントを持ち帰りたいと思っています。

    ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー):

     オースティンでのレースは数年振りなので、テストはコースを思い出すのに良い機会でした。ここは走っていて楽しいコースですし、接近戦が予想されるレースも楽しみです。レースコンディションは、前戦サンパウロ同様にとても暑くなりそうなので、タイヤの摩耗対策が重要になるでしょう。そのため、公式練習セッションで最善のアプローチを見つけ出し、決勝へ向けて良いポジションを確保する必要がありますし、また上位争いができることを期待しています。

    ニック・デ・フリース
    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):

     前戦ブラジルでは今季初勝利を上げることができて最高でした。我々8号車は結果が示す以上に競争力が高かったので、それに値する優勝だったと感じています。この勝利は、今季の残り3戦へ向けて自信を与えてくれましたし、もちろん更なる勝利を目指して戦います。先月のテスト同様、オースティンはまた暑くなりそうなので、タイヤマネージメント面での挑戦となるでしょう。しかし、サンパウロでお見せ出来たように、タイヤマネージメントは我々の強みのひとつです。今回も好成績を目指します。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):

     オースティンでのレースは大好きです。街も素晴らしいですし、高速で流れるようなコーナーとタイトなテクニカルセクションが織り交ぜられた、とてもチャレンジングなコースも最高です。私は過去に、ここオースティンで好成績を残しています。ローンスター・ル・マンでは3勝を挙げているので、もちろん4勝目を狙います。ライバルは強くなってくるでしょうし、厳しいレースになると思いますが、前戦サンパウロでは、チームが一丸となって適切なタイヤ戦略で戦えば好成績が得られるということを示せました。その再現が目標です。

    平川亮(8号車 ドライバー):

     私にとってはまた新たなサーキットということになりますが、楽しみにしています。先月のテストで前もって走ることができたのはとても良い経験でしたし、コース習熟に役立ちました。COTAはチャレンジングながらとても走っていて楽しいサーキットです。特に序盤の高速セクションは素晴らしいです。今大会もまたエキサイティングなレースになるでしょう。シーズンの終わりが徐々に見えてきたので、チャンピオン争いのためにも、少しでも多くのポイントを獲得し続ける必要があります。僅差の争いなので、あらゆるポイントが最後に響いてくる可能性があるからです。

    平川亮