WEC

世界と戦うジャパンパワー 小林可夢偉編 vol.2

パフォーマンスをさらに伸ばしてル・マンへ行きたい

世界と戦うジャパンパワー 小林可夢偉 vol.2 「パフォーマンスをさらに伸ばしてル・マンへ行きたい」

こんにちは、小林可夢偉です。WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間レースを振り返ってみたいと思います。
シルバーストンの後で日本に帰ってスーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿のレースを戦い、それから今回は一貴と一緒にここに来ました。5月3日(火曜日)の夕方フランクフルトに着いてから一貴とレンタカーで3時間走り、スパに入ったのは夜ですね。スパのコースは2013年のWECでLMGTEを運転して走りました。F1に乗っているときには2010年から3年間ザウバーで走ったんですが、14年のケータハム時代は来ていません。だから3年ぶりのスパです。ここは山間を縫いながら結構なアップダウンがあり、いくつかの難しいコーナーもあり、なかなかテクニカルなサーキットだと言うことが出来ます。でも3年間のブランクは感じませんでしたね。僕の好きなサーキットのひとつですから。

驚いたのは今回の天気の良さです。スパといえば不順な天候が有名で、雨も多く寒くて困るんですが、今年は凄く良い天気で驚いています。ここに来てから1週間雨が一滴も降らないですからね。こんなスパは初めてです。

第1戦シルバーストンでは2位に入れましたが、優勝したポルシェからは1周遅れ。内容的には歯が立ちませんでした。しかし、ここに来て木曜日に練習走行を走った感想ですが、クルマはとても良い感じになってきたのかなと感じました。第1戦後のスペインのアラゴンでのテストには僕は参加出来ませんでしたが、そこでやって来たことがしっかりクルマに反映されている感じでした。全体的に乗りやすくなっていますね。細かい所を詰めてきてくれたんだと思います。シルバーストンで運転していて違和感があったところが改善されています。あと、僕らのクルマのダウンフォースレベルがここのサーキットに合っているということだと思いました。

今回の予選では僕が最初に乗りました。実はこのクルマで(燃料の軽い)予選アタックは初めてだったんです。遅いクルマにちょっと引っかかったので、それがなければもう少しタイムを上げられたかと思います。僕のタイムが1"57.778、二人目のステファン(サラザン)が1"57.619で、平均タイムで1"57.698の3番手になり、アウディをかわしてポルシェの後ろに着けられたというのは、僕らにとって大切なことです。でも、正直言って予選は余り重視していません。重要なのはレースです。ただレースでは遅いクルマを抜く時にリスクがあります。その時どれだけ追い抜きという行為のリスクマネージメントが出来ているかですね。僕は、第1戦で学んだ経験を活かし、いかに安定して冷静に走るかということを常に考えて走りました。

僕の印象を言うと、WECはちょうど学校の合宿みたいですね。共同作業でしょ。みんなで集まって工作を作りあげる感じです。レースの週末のほとんどの時間は楽しいですよ。ひとりぽっちになって孤独になるのは運転席に座ってドアが閉められた時ですね。狭い空間に一人。誰も助けてくれない。凄く孤独になる瞬間ですが、僕は孤独は嫌いじゃないから大丈夫です。

決勝レースは残念な結果でした。序盤、アウディ8号車との競り合いの中で仲間がLMP2と接触してボディワークも少し壊れたんです。僕は2番目のドライバーとして乗り込み巻き返そうとしました。クルマは接触の影響でハンドリングが少々悪くなっていましたが、そんな状態でも中盤には3番手に復帰しました。更に追い上げようとしたところで突然エンジンに違和感を感じました。エンジン音がおかしくなったので、調べてもらおうとピットへ入ったんです。調べた結果、エンジンオイルが減っていたそうです。そこで追加でオイルを入れて、もう少し行けるんじゃないかという判断で、僕から3番目のステファンに替わりました。でも、ステファンは1周してきて再びピットイン。残念ながらリタイアです。

でも、それまでは速かったでしょ。レースの内容は良かったのでポジティブですよ。シルバーストンと比べてレースセッティングでもパフォーマンスは随分上がっていることを感じました。あとは、このパフォーマンスをさらに伸ばしてル・マンへ行きたいと思っています。

序盤の接触アクシデントでダウンフォースも減少していたので、タイヤ的にもきつかったですね。ズルズル滑りっぱなしでした。それでもアウディ8号車より速かった。最後はトラブルでリタイアしましたが、そこまでのレースの中身は良かったので次戦ル・マンは期待出来ると思います。

こうやってレースでリタイアして落ち込んでいるときの僕の気分転換の方法を教えましょうか? サウナです。僕はサウナに入って汗をかいて、それから水風呂に入って気を引き締めるんです。僕の行くサウナは素晴らしいところですよ。サウナの聖地です(笑)。そこの水風呂の温度が12℃。とびきり冷たいんですが、冷たい方が身も気分も引き締まります。ストレスなんて一発で飛んでいきます。今回も日本に帰ったらすぐそのサウナに行き、次のスーパーフォーミュラ第2戦岡山に臨みます。それが終わるといよいよビッグゲームが待っています。ル・マンです。TS050 HYBRIDのパフォーマンスは良くなったし、僕も全力で頑張りますから、皆さん応援宜しくお願いします!

  • 第2戦スパ・フランコルシャンは快晴となった
  • オー・ルージュを駆け上がる TS050 HYBRID
  • チームスタッフと話す小林可夢偉
  • TS050 HYBRIDに乗り込む小林可夢偉
  • 小林可夢偉
  • TS050 HYBRID
  • TS050 HYBRID
  • 小林可夢偉

中嶋一貴編

小林可夢偉編

エンジニア編