こんにちは、小林可夢偉です。前回は第5戦メキシコのレースで3位表彰台獲得の報告ができました。今回はテキサス州オースティンにあるサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で行われた第6戦の報告です。まず、最初にお伝えしましょう。COTAでも3位表彰台をゲットしました。2戦連続の表彰台です。気持ち良いですね。今回はちょっと嬉しかったので、最後まで黙っておくことができませんでした。
でも、オースティンに行くまではちょっと不機嫌でした。岡山で行われたスーパーフォーミュラのレース、地震で被害を被ったオートポリスの代替戦として土曜・日曜と2レース制で行われましたが結果は18位と17位。どうもドン底です。なんでこんなに調子が悪いのか原因が分かりません。今年に入って一度も入賞がなく、獲得ポイントはゼロ。なんとかしなきゃですね。
でも、飛行機でアメリカに来ることで気持ちを切り換えることが出来ました。別のカテゴリーの不調をずっと引き摺っていているわけにいきませんから。
オースティンのCOTAをLMP1-Hで走るのは今回が初めてでしたが、問題なくスムーズに走ることが出来たと思います。見た感じはアップダウンがあるコースですが、実際に走るとほとんど分かりませんね。暑くて体力的に厳しいと聞いていましたが、それもあまり問題ではありませんでした。
木曜日、金曜日と走ってクルマのセッティングを煮詰めていくことができました。気温が高く、路面温度が高いのでタイヤに厳しいと言われていたんですが、3回の公式練習、予選と走ってみて、全く問題ないんですよ。タイヤは凄く良い状態で、摩耗も少ないし、グリップも落ちませんでした。タイヤの心配をせずに普通に走ることが出来たおかげで予選でも1分47秒218のタイムで4番手グリッドを獲得出来ました。予選はマイク(コンウェイ)がまず走って5番手タイム、それを僕が引き継いで走って平均タイムが1分47秒218となり、グリッドは4番手に上がりました。
僕たちのクルマは予選向きじゃないので最初から決勝レースに向けてのセッティングを重視していくのですが、それでも予選でそこそこのタイムを出すことができてグリッド2列目からのスタートとなると嬉しいですね。やる気が出ますよ。ただ、トップから1秒3の遅れはちょっと・・・。
しかし、決勝レースは最終的には上手くいきました。まずマイクがスタートし、スタート直後の競り合いでは順位を6位に下げてしまいました。第1スティントが終わって僕の番が来たときには6番手でした。そこから結構頑張りましたね。今回は遅いクラスのクルマを抜くのもスムーズでした。その後、僕たちの#6号車は不調の#5号車をパスし、ポルシェ#2号車、アウディ―#8号車をピットで逆転し、中盤までに3番手に上がれたので、なんとしてもこの順位は落としたくないと思いました。レースが終盤をむかえたところでアウディ#7号車の事故で2番手に浮上しました。優勝も見えてきていて、最後のスティントはステファン(サラザン)にクルマを託しました。最低でも2位ゴールを目指したのですが、最後のピットでタイヤ交換とドライバー交替なしでタイムを縮めたアウディー#8号車に逆転され、結果的には3位入賞でした。それにしても、最後のステファンの追い上げはチームメイトとしても興奮しました。7秒前を行くアウディ#8号車との差をぐんぐん詰めて、もしかしたら2位復活じゃないかと期待したほどです。最後は本当にコンペティティブでした。そういう意味ではこの3位は特別な3位でした。
次は我々にとってホームレースの富士です。僕らのクルマは富士に合っているはずなので、ガンガン行きます。もし、いまのクルマのどこかを富士に向けて手直し出来たとしたら・・・まあ、ここという特別に悪いところもないので全体的なレベルアップでしょうか?正直なところ、一発ではライバルに遅れを取っているのですが、決勝レースになると案外そういうことはないんです。ですから、特別にどこを直したらいいのかは、運転している僕らにも良く分からないというのが正直なところです。確かに空力性能が足りていないかもしれません。一般的にダウンフォースがないとタイヤには辛くなりますが、ダウンフォースがあったらどうなるのかな。とにかく富士では表彰台の真ん中狙って頑張ります。