WEC富士の見どころと観戦ポイント
松田次生選手は"次チェカ"、平手晃平選手は"平チェカ"という富士スピードウェイのマスコットキャラクターを務めている。だからこそ富士は彼らのホームコースといえる。後編では、その彼らだから分かるWEC富士の見どころ、そして富士の観戦ポイントを教えてもらった。その前に、現役SUPER GTトップドライバーが自分も見逃せないというWEC富士の注目点を語ってもらおう。
「TOYOTA GAZOO Racingには
ル・マンでの鬱憤を晴らすレースを
期待しています」
平手晃平
―― いよいよ富士スピードウェイにWEC(世界耐久選手権)がやってきます。WEC富士6時間レースに対する期待をまずお聞かせください。
平手晃平(以下、平手) 今年のWEC富士は楽しみです。ル・マンでは残り3分までほぼ優勝確定かと思って見ていたトヨタがああいう形でレースを落としてしまった。そのトヨタが地元に帰ってきてどんなレースを見せてくれるのか。鬱憤(うっぷん)を晴らすようなレースを見せて欲しいなと期待しています。でも一方ではライバルのアウディ、ポルシェも技術進化していると思うので、それをナマで見たいなとも思いますね。
松田次生(以下、松田)
WECに詳しいファンなら、ぜひ今年のクルマのメーカー毎の違いをこの機会に自分の目で確かめて欲しいですね。アウディはかなり奇抜なエアロにしてきましたよね。プロトタイプカーでもこんなにハイノーズにするクルマがあるのか、と僕も驚いたくらいです。ポルシェは逆で、あんなに速いのに冒険をしていないんです。
TOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRIDは、昨年からはかなり変えてきていますね。1年でここまで変えるのは大変だっただろうなあと思います。そういうところも見比べるとおもしろいと思います。
レースの内容的には、今年のTS050 HYBRIDの速さに注目ですね。昨年に較べて大きく進化していてタイムもはるかに良くなるはず。日本では勝ちに行けると思っています。それに加えて、アンドレ(ロッテラー)とかロイック(デュバル)とかブノワ(トレルイエ)という、日本で育って久しぶりに日本に帰ってくるドライバーの走りも注目ですね。
僕としては、LMP2クラスにも注目して欲しいです。闘いはかなり激しいですよ。日産エンジンのクルマが多く参戦していますし、シャシーもいろいろあるのでクルマ好きは楽しめるクラスです。