川井ちゃん、右京さん、これがWECで戦っているクルマ(TS050 HYBRID)なんですよ!
後編「待望のWEC富士へ! 見どころと決意を語る」(2/2)
今年のWEC富士の展望
―― ちょっと話題が脱線しましたが(笑)ここでドライバーのおふたりに今年のWEC富士への展望をお願いします。
一貴 自信をもって臨めると思います。
可夢偉 (決して有利とは思えなかった)去年であれだけ戦えたからね。
一貴 去年はニュルブルクリンク(ル・マン後の第4戦)でポルシェから1、2秒遅かったけど、あそこまで戦えたから、今年はもっといいところで戦えると思っています。
右京 とはいえ、レースは何が起きるか分からないから、最後までがんばってよ!
一貴 去年よりは余裕を持てればいいんですけど・・・そんなに甘くもないでしょうね。
―― 富士は日本での一戦であり、トヨタのホームコースです。海外での連戦の中で、地元でのレースは違いますか?
可夢偉 夜、食べられるご飯が違うくらいかな(笑)
一貴 ご飯の選択肢がいっぱいあるね。多少は知っていますし(笑)
右京
ご飯は、さておき(笑)
ル・マンが残念な結果だったから、富士では勝って欲しいという人たちも多いでしょ?
可夢偉
勝たないといけないと思います。
それがプレッシャーになるわけではないけど、気持ちは入れないといけないなと。
一貴 自然に(気合いが)入ってしまいますね。
―― 去年の富士もそうでしたが、今年もおふたりがスタートドライバーですよね?
一貴
どうなんでしょうね。僕はいつもどおりのルーティンでいいですけどね。
チーム的には、ル・マン後はローテーションしたいみたいです。
可夢偉
いろいろやらせたいんじゃない?
ドライバーの経験にもなるし。スタートをやるならやるでやりますよ!
といっても、特に何かが違うわけではなく、ヘルメット被っている時間が長くなるくらいですけど。
右京
これで、確実にふたりがスタートドライバーになることは決まったね(笑)
スタートから、ふたりでやり合っていく?
可夢偉
一貴だから気を遣うんですよね・・・。
ふたりで意地張ったらどうしようとか(苦笑)
「一貴がんばるやん」みたいなシチュエーションはいやだなあ。意地張り合ったら、一貴は引いてくれないからね(笑)
一貴 (笑)
今年のWEC富士6時間レースはどうなる!?
右京 WECという世界の舞台で、日本人ふたりが優勝争いをしているのを見られるのも贅沢だし、いろんなことがあったらすべて楽しめる。WEC富士はいいよね。
川井
去年、WEC富士を見て思ったのは、子供にはいいレースだってこと。トヨタが出てるLMP1-Hクラスはじめ、GTクラスとか、いろんなクルマが走っているから、それだけでも楽しめるでしょ。
F1はクルマが少ないし、子供には見分けにくい。それにWECと比べたらあっという間にレースに終わっちゃうしね・・・。
一貴 WECはクラスが多いし、台数もいるので、レース展開を追いかけるにはスマートフォンのアプリが便利ですよ。
可夢偉 6時間もあるので、レースがスタートして状況が落ち着いたら、レース以外のことで楽しんでもらって、また戻ってきてもらうという楽しみ方もありますから。
川井 そういえば、去年グランドスタンドにいた子供たちは、アストンマーチンのエンジン音に喜んでいましたよ。
一貴
各車の音の違いも楽しめますよね、WECは。
それに普通の道を走っているような見覚えがあるGTカーもいつつ、僕らのLMP1-Hクラスのクルマもいつつ。LMP2クラスやGTクラスのレースは、競り合いが多いのでおもしろいと思います。
WEC富士は「勝つしかない」
―― さて、今年のWEC富士ですが、見どころはいかがでしょうか?
可夢偉 僕らは勝つしかない。
一貴
TS050 HYBRIDはもちろんですが、LMP1-Hクラスのクルマの凄さを感じて欲しいですね。
それが分かるのはパナソニック(最終)コーナーの立ち上がり。ヘアピンの立ち上がりもいいんでしょうけど、下のクラスのクルマとの加速の差にすごい違いがありますから。
普段SUPER GTやスーパーフォーミュラを見ている人は、それと比べてもいいかな。
川井 去年の決勝レースでは、最高速が300km/h出るか出ないかだったね。
一貴
たぶん、300km/hは出てないと思います。
ただ、予選だけはブーストを目一杯つかって、コントロールラインで300km/h出て、あとはそこから落ちてきます。コントロールラインで一番スピードが速いように合わせています。
意外かもしれないですけど、ストレートはスーパーフォーミュラより少し遅くて、(SUPER GTの)GT500より少し速いくらい。でもタイムはスーパーフォーミュラと同じくらいですから。いかにコーナリングスピードが速いか。
川井 100Rは(アクセルを)ちょいオフ?
可夢偉 去年はほぼ全開で行けそうだったけど、前に遅いクルマがいてアクセル抜かないとダメでした。
川井
今年もきっと、どのクラスも僅差だと思うよ。
6時間やって最終ラップまで1位と2位の差が何秒しかない・・・という世界だよね。
右京
注目ポイントと言ったら、一貴と可夢偉のどっちが勝つか、ってことかな。
あとはライバルのポルシェと最後にきちんと戦って欲しいな、トヨタと2メーカーでいいレースをしてほしいという思いもあります。
川井
一貴くんと可夢偉くんのふたりは、黙っていてもきちんと仕事をすると思うので心配していません。
とにかくポルシェに勝ち逃げだけはさせたくない(笑)それだけですね。
右京
ポルシェには、絶対勝ち逃げさせちゃだめ!(笑)
川井 といっても2人同時には優勝できないからね・・・2台ぴったり同時にゴールして、最後にじゃんけんとか?(笑)
一同 (爆笑)
可夢偉
トヨタの2台で、そんなレースにしたいですね。
最後は「同着なので、あみだくじで優勝決めました」とかになるように(笑)
右京 とにかく最後まで、一貴と可夢偉のふたりを応援しているから。
一貴、可夢偉 頑張ります!