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WEC 参戦記 2017 中嶋一貴編 vol.6
「僕らのレースをやろう、とみんなで話し合いました」

WEC 参戦記 2017 中嶋一貴編 vol.6 「」

テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカ(以下オースティン)では3位とはいえ表彰台に上ることが出来て満足しています。3位で満足というのも変ですが、もっと苦戦を強いられることを予想していましたから。だから、思ったより戦えたので、その点では満足しているということです。

予選で最前列が取れなかったのは、TS050 HYBRIDがいまひとつコースに合っていなかったからだと思っています。第1コーナーを過ぎてから右へ左へとコーナーの続く個所があるのですが、ここはタイヤのグリップ不足からリズミカルなドライビングが出来ず、タイムに繋がりませんでした。いや、クルマ自体のバランスは悪さというよりは、どちらかというと選択したタイヤで上手く走れなかったということです。

決勝レースでは、使えるタイヤセット数の制限があって、新しいタイヤで走れるドライバーもいれば、古いタイヤで走らなければならなかったドライバーもいたので、それによってタイム差が出たと思います。コース上が混雑していたタイミングもあって、それも影響したと言えるでしょうね。

結果はライバルにかなわず、僕らが新しいタイヤを履いて、彼らが古いタイヤのときにも、思いの外ギャップを詰めることが出来ませんでした。その差がききましたね。それでもニュルブルクリンクやメキシコの時と比べると差は小さかったので、かなりの進歩はあったと思います。次の富士に向けては期待出来るレースになるだけのオースティンだったと思います。

最初はライバルに離されて苦しかったのですが、3時間を過ぎた頃から次第にペースが掴めてきました。しかし、ほんの少しずつの差が積み重なって、最後は大きな差になってしまいました。純粋なペースとしてはやはりライバルの方が速かったと思います。まあ、予選を見ればそれは分かっていたことですけど。

レース後半、最後のピットストップまで僕が運転していたのですが、そのストップで本来はステファン(・サラザン)に交替する予定でした。しかし、その時点で何もしなければ、もう我々にはチャンスがないことは分かっていたので、セバスチャン(・ブエミ)にステアリングを託したんです。それからのセバスチャンの走りは想像を超える速さでしたね。でも、ライバルとの差は詰め切れませんでした。

最後にライバルは選手権タイトルのことを考えて、ポイントリーダーの#2号車を前に出す作戦を取りましたが、まあ当然でしょう。僕らだって同じ立場だったらやりますね。これでまた少しポイント差が開きました。だからここから先は選手権のことを考えるより、僕らのレースをやろう、とみんなで話し合いました。

富士はもう少し期待出来ると思います。去年も富士では何とか勝てましたから、今年も希望を捨てないで頑張ります。応援宜しくお願いします。

  • サーキット・オブ・ジ・アメリカを走行するTS050 HYBRID 8号車
  • 村田久武チーム代表と話す中嶋一貴
  • サーキット・オブ・ジ・アメリカを走行するTS050 HYBRID 8号車
  • サーキット・オブ・ジ・アメリカを走行するTS050 HYBRID 8号車
  • ピット作業を行うTS050 HYBRID 8号車
  • 表彰台に上がるステファン・サラザン、中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ

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