1985-1988 量産ベースの小排気量エンジンでル・マン挑戦が始まる
1985-1988
量産ベースの小排気量エンジンでル・マン挑戦が始まる

トヨタがル・マン24時間に残した軌跡 The History of TOYOTA at Le Mans 1985-1988
量産ベースの小排気量エンジンでル・マン挑戦が始まる

 1975年のシグマMC75によるトヨタ・エンジンのル・マン初登場からちょうど10年。1985年に2台のトヨタトムス85Cがル・マン24時間に参加した。トムス/童夢製のアルミモノコック・シャシーに、トヨタ4T-GT改(4気筒)2.1リッターターボエンジンを備えた85C、スタートした2台のうち1台が見事24時間を走り切り、12位でチェッカーフラッグを受ける。こうして、今へと続くトヨタのル・マン24時間挑戦の歴史が動き出した。

 翌1986年は発展型のトヨタトムス86Cが2台参加。ボディ形状を一新し、大幅にダウンフォースを増した86Cは、1台が夜明けを待つことなくエンジントラブルによりレースを終えるが、もう1台はレース後半に7位まで浮上。だがゴールまで残り1時間となったところでターボトラブルによりリタイアした。

 1987年になるとトヨタは体制を強化。チーム名はトヨタ・チーム・トムス(TTT)となり、車両も前年モデルの進化版ながら、その名をトヨタ87Cとした。(4気筒2.1リッターターボながら)大幅にパワーアップしたトヨタ3S-GT改を積む87Cは、全日本スポーツプロトタイプカー選手権(JSPC)富士1000㎞でついに常勝ポルシェを破り、優勝を果たす。翌月のル・マン24時間でも2台の87Cが序盤一時5位、6位を力走する。だが、スタートから6時間を経ることなく、ともにリタイアに終わった。

 それでも翌1988年のル・マンでは、87Cの発展型88Cが予選で8位、10位と小排気量ながら好位置(日本車最上位)につけ、決勝でも出走した2台がともに完走。日本車最上位の12位と24位でチェッカーフラッグを受けた。

  • 1985 TOYOTA 85C(S.Nakajima/K.Hoshino/M.Sekiya)
  • 1985 TOYOTA 85C(E.Elgh/G.Lees/T.Suzuki)
  • 1986 TOYOTA 86C(G.Lees/S.Nakajima/M.Sekiya)
  • 1986 TOYOTA 86C(E.Elgh/B.Gabbiani/T.Suzuki)
  • 1987 TOYOTA 87C(A.Jones/G.Lees/E.Elgh)
  • 1987 TOYOTA 87C(T.Needell/K.Hoshino/M.Sekiya)
  • 1988 TOYOTA 88C(G.Lees/K.Hoshino/M.Sekiya)
  • 1988 TOYOTA 88C(P.Barilla/T.Needell/H.Ogawa)