日本車、日本人ドライバーによる初のル・マン制覇

日本車、日本人ドライバーによる初のル・マン制覇

 2016年の無念の後も開発を続け、信頼性を高め、競争力を向上させたトヨタ。2018年、悲願を成就させる。セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/フェルナンド・アロンソの駆るTS050 HYBRIDがついに総合優勝を果たしたのだ。日本車、日本人ドライバーによる初のル・マン制覇でもあった。2位もトヨタTS050 HYBRIDが続く圧勝だった。

 この2018年、ACOはスイスのグリーンGT社の協力を得て、2024年に水素燃料車のクラス創設を目指す「Mission H24」プロジェクトを立ち上げた。「先進テクノロジーを試す場」を標榜してきたル・マン24時間が、次世代エネルギーとして期待される水素をテーマに大きな一歩を踏み出したのだ。

トヨタ悲願の初優勝を飾った2018年は、日本人による日本車での初優勝でもあった
トヨタ悲願の初優勝を飾った2018年は、日本人による日本車での初優勝でもあった

 またACOはこの年、LMP1に代わる最上級クラスの車両規定として、自動車メーカーのイメージをアピールでき、コストの大幅削減やLMP1よりも抑制したパフォーマンス等をコンセプトとした「ハイバーカー」の概要も発表した。

 LMP1最後の年、2020年は新型コロナ感染症が世界中で猛威を振るった年でもあった。開催が危ぶまれたル・マン24時間だったが、ACOは通常の6月から9月に時期を変更し、さらに無観客で開催に踏み切った。またこの年から予選方式が変更され、「ハイパーポール」と呼ばれるノックアウト方式が採用された。レースはトヨタが3連覇を果たした。

コロナ禍で無観客開催となった2020年、新予選方式が導入され小林可夢偉が最速の栄誉を掴む
コロナ禍で無観客開催となった2020年、新予選方式が導入され小林可夢偉が最速の栄誉を掴む
長きにわたるLMP1規定の最終年となった2020年スタートシーン
長きにわたるLMP1規定の最終年となった2020年スタートシーン