WEC CHALLENGE REPORT 〜山下健太の挑戦〜 第2戦 富士6時間レース

vol.2"ルーキーの凱旋"

日本

第2戦 富士6時間レース

2019年10月4日-6日
富士スピードウェイ

TGR WECチャレンジドライバーの山下健太が、10月4日(金)から6日(日)にかけて、静岡県・富士スピードウェイで行われた、FIA世界耐久選手権(WEC)第2戦富士スピードウェイ6時間レースに、LMP2クラス・ハイクラスレーシング(デンマーク)から参戦し、総合9位、クラス4位を獲得しました。
今回の富士6時間耐久レースは、山下にとってWECに参戦して初めての母国凱旋レースでもあり、金曜日のフリー走行ではLMP2クラストップタイムをマーク、さらに決勝レースでもクラストップを奪う力走を日本のファンの前で披露しました。

サーキット入り

走りなれた富士を"初めて"歩く

木曜日にサーキット入りした山下は、午後にチームメンバーとトラックウオーク。富士スピードウェイは様々なカテゴリーのクルマでほぼ毎週走っている山下でしたが、じつは「歩いて一周するのは今回が初めてでした」。チームメイトとエンジニアにドライ/ウエット両方のコンディションでのライン取りや縁石の使い方など、ひとつひとつ丁寧に教えていました。

この週末は山下の富士での経験値が重要視され、クルマのセットアップは山下の走行とコメントを基準に進められました。

  • ホームコースである富士スピードウェイをよく知る山下は、ライン取りや縁石の使い方をチームメイトやエンジニアに教えていた

    ホームコースである富士スピードウェイをよく知る山下は、ライン取りや縁石の使い方をチームメイトやエンジニアに教えていた

10/4(金)公式練習日

走り出しでクラストップタイムを記録

金曜フリー走行1回目は、乾きかけの路面からセッションがはじまり、第1走者の山下はまずインターミディエイトでコースイン。路面状況を確認して、ソフトコンパウンドのドライタイヤに履きかえると、その計測1周目に1分29秒624のタイムを出し、その後セッティングに手を加えてチームメイトにバトンタッチ。ハイクラスレーシングは山下が出した計測1周目のタイムでフリー走行1回目をトップで終えました。

フリー走行2回目では、2種類のドライタイヤを試し、ハード側のタイヤを履いた山下の1分30秒163でこのセッションはクラス2位。山下のフリー走行1回目のタイムが金曜日のLMP2クラスのベストタイムとなり、チームとしては期待以上の滑り出しとなりました。 山下も「ベストタイムはクルマのセッティングとかせずに計測しただけのタイムでした。フリー走行2回目ではクルマもずいぶんよくなったので、もし1回目に履いたタイヤを履いていればもっといいタイムが狙えたと思います」と好感触で初日を終えました。

  • 山下はフリー走行1回目に1分29秒624のタイムを記録。初日のLMP2クラスのベストタイムとなった

    山下はフリー走行1回目に1分29秒624のタイムを記録。初日のLMP2クラスのベストタイムとなった

  • フリー走行2回目はクラス2位のタイムをマーク。好感触で初日を終えた

    フリー走行2回目はクラス2位のタイムをマーク。好感触で初日を終えた

10/5(土)予選

好調の初日から一転、トラブルがチームに試練を与える

土曜日朝のフリー走行は、レースに向けたロングランを行い、タイヤの摩耗具合を確認して午後のLMP1&LMP2クラスの予選を迎えました。

「LMP2のベストタイムを出したい」と最初にアタックを担当した山下ですが、突然ストレートでクルマが跳ねる症状が発生し、不完全燃焼な1分29秒474。チームメイトのアンダース・フィヨルドバッハも同様の症状に悩まされて1分30秒673。ふたりの平均タイムは1分30秒073となりLMP2クラス4番手で予選を終えました。

「個人的にはクラスのベストタイムを狙っていたんですが、残念でした」と山下。ただ予選4番手はWECフル参戦2戦目のチームにとっては上々の結果で、「明日のレースも自分の仕事をしっかりとしたいですね」と決勝への意気込みを見せました。

  • 予選前最後のフリー走行セッションでは、レースに向けたロングランを行った

    予選前最後のフリー走行セッションでは、レースに向けたロングランを行った

  • 予選に向けて集中する山下健太

    予選に向けて集中する山下健太

  • 予選セッションは思うようなタイムを出せずクラス4番手で予選を終えた

    予選セッションは思うようなタイムを出せずクラス4番手で予選を終えた

10/6(日)決勝

勝負強いオーバーテイクでクラストップに立つ快走を見せる

日曜日の決勝レース、山下はWEC2戦目ながら初めてスタートを任されました。事前にエンジニアとスタート手順を確認。「基本的にはスーパーGTなどと変わりませんでした」という山下は、1周目にクラス3番手、そして4周目にクラス2番手に浮上し勝負強さをみせ、その後ポジションをキープしながら26周目に給油し、2スティント目を55周目まで走行。クラス2番手でフィヨルドバッハに交代しました。
フィヨルドバッハも力走し、2スティントを走行。112周目から再び山下が乗り込むあたりから一時雨足が強くなり、コースインした山下はすぐに「雨足が強くなってる」と無線で状況を伝えましたが、チームは「あと15分で止むから我慢して走って」とドライタイヤでの走行を指示。実際に雨は上がり、山下は「思っていたよりもドライタイヤのウエットでのパフォーマンスがよかった」と耐久用ドライタイヤのウェット路面での性能に驚いていました。
133周目に前のクルマを抜き、クラストップに立った山下は、フルコースイエローのタイミングを利用して140周目に2番手のクルマと同時にピットイン。山下は満タンにするため給油時間が長く、スプラッシュ&ゴーを選択した2番手のクルマに先行されるも、コース上でジワジワと追い詰めていき、165周目にコース上でオーバーテイク。再びクラストップを取り返してみせました。

「最後は前のクルマはタイヤが厳しそうでした。こちらも辛かったですけど、1セット目に比べると、2セット目はよかったです。もしかしたらフルコースイエローが入ったり、雨が降ったことで路面温度が下がった影響があるのかもしれません」

167周目にクラストップでブロンズドライバーのマーク・パターソンに交代。その後山下はガレージでチームメイトの走行を見守りチームはクラス5位でチェッカー。レース後にクラス2番手でフィニッシュしていたクルマが失格となり、ハイクラスレーシングは順位がひとつ繰り上がりクラス4位となりました。
このレースで結局山下は219周のレース周回数のうち111周を走行、半分近くの距離を任されました。

「今回はスタートも担当させてもらいましたし、他のクルマとのバトルもできました。トップを走ることもできたし、自分がやれることはやれたと思います。レースの内容としては満足しています」

次戦は11月8日から10日の上海4時間レース。

「これからは初めて走るサーキットが続きますが、サーキットを覚えるのは早いほうだと思います。今回の富士と同じように初日からしっかりと走って、トップ争いをしたいです。引き続き応援よろしくお願いいたします」

  • WEC2戦目でスタートドライバーを任された山下健太

    WEC2戦目でスタートドライバーを任された山下健太

  • スタートシーン

    スタートシーン

  • 山下は219周のレース周回数のうち111周を走行した

    山下は219周のレース周回数のうち111周を走行した

  • 凱旋レースとなった富士6時間レースはクラス4位で終えた

    凱旋レースとなった富士6時間レースはクラス4位で終えた