RALLY CAR
WRC 2017年 ラリー車両解説
エンジン
形式
直列4気筒直噴ターボエンジン
排気量
1,600cc
最高出力
380馬力以上
最大トルク
425Nm以上
ボア×ストローク
83.8mm x 72.5mm
エア・リストリクター
36mm(FIA規定による)
トランスミッション
ギアボックス
油圧式6速シフト
駆動方式・差動装置
4WD、機械式ディファレンシャルx2、アクティブ・センター・ディファレンシャル(トルクスプリットオプション)
クラッチ
焼結ツインプレート・クラッチ
シャシー/サスペンション
フロント/リア
マクファーソン・ストラット
サスペンションストローク量
非公開
ステアリング
油圧式ラック&ピニオン
ブレーキ・システム
・グラベル用:300mm(空冷および水冷)
・ターマック用:370mm(空冷および水冷)
寸量および重量
全長/全幅/全高
4,085mm(空力パーツ込)/1,875mm/調整可能
トレッド幅
調整可能
ホイールベース
2,511mm
最低重量
1,190kg
性能
加速性能
非公開
最高速度
201kph(理論値)
ヤリスWRCマシン解説
新規定に基づいて開発されたワールドラリーカー
ワールドラリーカーは、ラリー競技を戦うために開発されたWRCのトップカテゴリーマシンである。ラリーで最大の性能を発揮するために大幅な改造が施されてはいるが、ボディのベースは市販車に準拠している。あくまでも市販車の延長線上にあるマシンであり、ナンバープレートが装着されているため公道を走行することも可能だ。
ワールドラリーカー規定は1997年にWRCに導入され、初期は2リットルのターボエンジンを搭載していた。しかし技術の進化により少ない排気量でも同等の性能を発揮できるようになった結果、2011年より1.6リットルの直噴ターボエンジンが搭載されることになった。そして2017年にマシンのパフォーマンスをさらに引き上げるべくレギュレーションが大幅に改訂され、エンジンの吸気量を制限するエアリストリクターのサイズは33mmから36mmに拡大。その結果、エンジンの最高出力は従来の320馬力以上から、380馬力以上に高まった。そのビッグパワーは、アクティブセンターデファレンシャルを備えたフルタイム4WDシステムによって、効率的に4輪に伝えられる。また、ボディに関してはエアロパーツ等の設計自由度が広がり、空力効果の高い大胆なエクステリアデザインへと進化した。
ヤリスWRCは2017年の新ワールドラリーカー規定に基づいて開発され、高いエンジン性能、インテリジェントな4WDシステム、そして磨き抜かれた空力性能により、世界中のあらゆる道を安全に、速く走ることが可能なマシンに仕上がっている。