5月17日(木)、2018年FIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦ラリー・ポルトガルが開幕。デイ1としてポルトガル北部のロウサダでスーパーSSが行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC 8号車)が総合1位に、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(9号車)が総合10位に、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(7号車)が総合13位につけ、ヤリスWRCは全3台が順調なスタートをきりました。
- 8号車(オット・タナック、マルティン・ヤルヴェオヤ)
今季ヨーロッパ初のグラベル(未舗装路)イベントとなるラリー・ポルトガルは、17日(木)の午前中に全長4.6kmのコースでシェイクダウンが行なわれ、ラトバラがトップタイムを記録しました。シェイクダウンでは3名のドライバー全員がクルマのセットアップに良いフィーリングを感じ、事前のテストで決めたセットアップをほとんど変更することなく走行を終えました。その後、19時過ぎからロウサダのラリークロスコースでSS1として2台同時走行のスーパーSSが行われました。グラベルとターマック(舗装路)が入り混じる全長3.36kmのコースで、大勢の観客が見守る中タナックがベストタイムを記録。幸先の良いスタートを切りました。
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- <<トム・フォウラー(チーフ・エンジニア)>>
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今朝のシェイクダウンは充実した内容でした。クルマのペースはとても良く、信頼性に関する問題は何も起こらずすべてが予定通りに進みました。3人のドライバーは連続して走行し、サービスパークに戻って来た時にはデータのチェックのみを行ないました。ラリー直前のテストは非常に上手く行き、ドライバーたちはクルマのセットアップにとても自信を持っていました。そして、シェイクダウンでも変わらぬ良いフィーリングが得られたようです。ラリー・ポルトガルは、前戦ラリー・アルゼンチンとやや異なる部分もありますが、クルマのセットアップに関してはかなり似ています。ですから、ほんの僅かな変更を施すことで、アルゼンチンで示した良いパフォーマンスを再現することが可能だと思っています。また、このラリーは比較的クルマに優しい1戦だと私は考えています。チーム全員がこのラリーに自信を持っていますし、準備は万全です。
- <<ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 7号車)>>
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セレモニアルスタートの段階で既に大勢の観客の姿が見えましたが、スーパーSSはまるで満席のスタジアムのようで、サッカーの試合会場にいるような雰囲気でした。ポルトガルでのラリー人気の高さを改めて感じました。スーパーSSでは最後のヘアピンで少しタイムロスをしてしまいました。何が起こったのか後で調べますが、気にはしてはいません。とても前向きな気持ちでラリーのスタートをきることができました。クルマのフィーリングは最高です。シェイクダウンではセッティングを変えることなく3回連続で走り、ファステストタイムを記録。セットアップの正しさを確信しました。自分としては、このラリーが今シーズンのターニングポイントとなることを願っています。そのためにミスのない走りをし、そしてスピードを示したいと思っています。
- <<オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)>>
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ラリーのスタートに相応しい素晴らしいスーパーSSでした。全力でステージに臨み、そしてベストタイムを記録することができました。ポルトガルのステージは大勢の観客が集まるので、いつも特別な気分になります。道の両サイドは観客で埋め尽くされ、とにかくすごい盛り上がりです。朝のシェイクダウンではクルマ全体がきちんと機能していることを確認し、良いフィーリングで走ることができました。準備は万端、きっと面白い戦いになるでしょう。我々にとって最大のチャレンジは明日のデイ2です。ステージは多くの滑りやすいルーズグラベルで覆われていると予想され、我々は3番手スタートとなりますが、土曜日のデイ3で良い出走順を得るためにベストを尽くして戦います。そして、もしそれが上手く行けばデイ3以降はさらにハードに攻めることが可能になるでしょう。ポルトガルのステージは非常に高速で流れるようなコーナーが多く、我々のクルマに合っているコースだと思いますので、自信を持って戦いたいと思います。
- <<エサペッカ・ラッピ (ヤリスWRC 9号車)>>
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スーパーSSでは、大勢の観客の前を走り最高の気分でした。今朝のシェイクダウンは非常に上手く行きました。クルマのセットアップにはとても満足しており、何も変更しませんでした。順位は7位でしたがトップタイムの選手とはたった1秒差だったので、自分にとってはこれまでのところベストなシェイクダウンになりました。ポルトガルは去年初めてWRカー(ワールドラリーカー)で出場したラリーで、今回は2度目の挑戦となりますので、去年よりもさらにハードに攻めてより良いリザルトを残したいと思います。
- <<ラリー・ポルトガル デイ1の結果>>
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1 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリスWRC) 2m34.3s
2 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (フォード フィエスタ WRC) +0.4s
3 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (フォード フィエスタ WRC) +0.4s
4 クリス・ミーク/ポール・ネーグル (シトロエン C3 WRC) +1.4s
5 アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +1.4s
6 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +1.5s
7 エルフィン・エバンス/ダニエル・バリット (フォード フィエスタ WRC) +1.6s
8 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +1.6s
9 マッズ・オストベルグ/トシュテン・エリクソン (シトロエン C3 WRC) +1.7s
10 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (トヨタ ヤリス WRC) +1.8s
13 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +3.9s
(現地時間5月17日22時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
- <<明日のステージ情報>>
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競技2日目となる5月18日(金)のデイ2は、マトジニョスのサービスパークを中心に、8本のSSが行われます。そのうちSS2、3、4と、その再走ステージとなるSS5、6、7はスペイン国境に近い北部のグラベルロードが舞台となります。また、1日の終わりにはポルトの中心部で2本の市街地SSが行なわれます。8本のSSの合計距離は148.66km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は612.64kmとなります。