10月26日(金)、2018年FIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦ラリー・スペインの競技2日目デイ2がスペインのサロウを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組 (ヤリスWRC 8号車)が首位に立ちました。また、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(7号車)は総合5位に、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(9号車)は総合10位につけ、ヤリスWRCは全車がデイ2を走破しました。
- 8号車(オット・タナック、マルティン・ヤルヴェオヤ)
ラリー・スペインのデイ2は、サロウの西側で6本計144.88kmのSSが行なわれました。ステージは基本的にグラベルで、クルマもグラベル仕様でしたが、ロングステージの途中にはターマック路面も含まれるなど、複雑な路面構成の1日でした。前日に行なわれたバルセロナ市街地でのSS1で総合3位につけたタナックは、デイ2オープニングのSS2でベストタイムを記録し総合2位に浮上。SS3では、ラトバラに続くセカンドベストタイムをマークし、首位に立ちました。以降、タナックは安定して上位のタイムを刻み続け、2位に26.8秒差をつけてトップでデイ2を終えました。
ラトバラはSS3が終了した時点で総合2位につけていましたが、SS4で左後輪のパンクにより約50秒をロス。総合10位まで順位を落としましたが、その後SSベストタイムを2回マークするなどして総合5位まで順位を回復しました。総合2位との差は11秒弱であり、表彰台を目指す戦いは明日も続きます。
ラッピにとっては困難な1日となり順位は総合10位に留まりましたが、デイ2最後のSS7では4番手タイムを記録。9位の選手とのタイム差は僅差であり、明日から始まるターマックステージに向けてラッピは気持を新たにしました。
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- <<トミ・マキネン(チーム代表)>>
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今日もオットは強さを証明し、彼にとっては本当に素晴らしい1日になりました。ドライバーズタイトル争いは依然続いていますし、3人のドライバーによる戦いはとてもエキサイティングです。また、ヤリ-マティもとても良い走りをしていました。パンクはアンラッキーでしたが、それさえなければきっとラリーをリードしていたでしょう。彼は十分に自信を持っていますし、依然として良い位置につけています。エサペッカにとっては困難な1日となりましたが、彼は明日のターマックステージを楽しみにしています。明日は降雨の可能性がかなり高いようですが、事前のテストではウェットコンディションでも良いテストが出来ていますので、自信を持っています。
- <<ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 7号車)>>
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今日は初めからクルマとドライビングに良いフィーリングを感じていました。最初の2本のステージは上手く行き、3本目のステージも過去に苦労したターマック区間が途中にありながら、上手く走れました。それなのにパンクをしてしまいとてもフラストレーションが溜まりました。しかし、すぐに気持ちを切り替え、午後も同じスピードを維持することができました。あまり考え過ぎずに、思い通りに運転できるのことは良い事だと思います。
- <<オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)>>
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全体的には良い1日だったと言えるでしょう。特に、多くのドライバーが自分より後方の出走順で、良い路面コンディションで走っていた事を考えればなおさらです。朝のステージは良いリズムで走れ、特に最初の2本は流れるようにスムーズな走りをできました。そして午後も最初のステージは本当に良いフィーリングで、続くステージではその良い感覚が少し失われましたが、それでも攻め続ける事ができたので、十分なギャップを築けました。とはいえ、ラリーはまだ終わっていません。明日から新たなるラリーが始まるようなものです。しかも、どうやらウェットコンディションになりそうなので、気を引き締めて臨まなくてはなりません。
- <<エサペッカ・ラッピ (ヤリスWRC 9号車)>>
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正直に言うと、とても大変な1日でした。いくつか小さな問題が起こりましたが、それでも戦い続ける事ができているのが重要です。今日の最後のステージでは、すべてが正しい状態にあれば良いタイムが出せる事を証明できたと思いますが、まだまだ改善すべき点もあります。明日からはターマックのステージが始まりとても楽しみです。雨により条件がかなり難しくなると予想され、私はそのような路面コンディションでここスペインのステージを走った事がありません。しかし、とにかく頑張りたいと思います。
- <<ラリー・スペイン デイ2の結果>>
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1 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリスWRC) 1h34m27.4s
2 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +26.8s
3 エルフィン・エバンス/ダニエル・バリット (フォード フィエスタ WRC) +29.7s
4 セバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ (シトロエン C3 WRC) +30.2s
5 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +37.6s
6 アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +39.1s
7 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (フォード フィエスタ WRC) +39.4s
8 クレイグ・ブリーン/スコット・マーティン (シトロエン C3 WRC) +44.7s
9 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +59.7s
10 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (トヨタ ヤリス WRC) +1m07.4s
(現地時間10月26日22時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
- <<明日のステージ情報>>
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競技3日目となる10月27日(土)のデイ3は、サービスパークの北東部を中心に7本のSSが行われます。デイ3の路面はすべてターマックとなるため、クルマはデイ2の最終サービスで普段よりも長い75分間の作業時間を使いグラベル仕様からターマック仕様へと変更されます。SS8/11「サバイアー」、SS10/13「アル・ムンメイ」、SS14「サロウ」は2017年と基本的に同じステージを走行します。また、SS9/12「ケロール」は、2017年の「アル・ポン・ダルマンテーラ」を逆走するステージです。7本のSSの合計距離は121.80km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は465.80kmとなります。