3月9日(土)、2019年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦ラリー・メキシコの競技3日目デイ3がレオンを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC 8号車)が総合3位に浮上。クリス・ミーク/セブ・マーシャル組(5号車)が総合5位に、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)が総合8位につけました。
- 8号車(オィット・タナック、マルティン・ヤルヴェオヤ)
ラリー・メキシコのデイ3は、サービスパークを中心に9本、計138.37kmのSSが行なわれました。天気は前日に続き晴れ。気温は30度前後に達し、グラベル(未舗装路)路面は全体的にドライコンディションとなりました。デイ2で総合4位に順位を上げたタナックは、1番手スタートだったデイ2よりもやや後方の4番手でSSをスタート。SS11ではミークのパンクによる後退もあり、総合3位に順位を上げました。午後のステージでタナックは2本のベストタイムを記録し、午後のステージが始まった時点で22.4秒あった総合2位の選手との差を、2.2秒に縮めて長い1日を終えました。
ミークは、デイ3最初のSS10でベストタイムを記録し、首位に立ちました。しかし、続くSS11でパンクにより約1分半を失い総合5位に順位を落としました。さらに、SS12では、パンクの際に負ったサスペンションのダメージによりスロー走行を余儀なくされました。それでも依然、ドライバーおよびコ・ドライバー選手権と、マニュファクチャラー選手権で多くのポイントを獲得可能なポジションにつけています。
金曜日のデイリタイアから、ラリー2規定に基づき再出走を果たしたラトバラは、午前中に2本のベストタイムを記録し、総合12位から総合8位に順位を回復。総合7位も狙えるタイム差で、デイ3を終えました。なお、ヤリスWRCはデイ2の6本のグラベルステージで、3人のドライバーが計5本のベストタイムを記録するなど、タフな路面で高いパフォーマンスとスピードを発揮しました。
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- <<トミ・マキネン(チーム代表)>>
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オィットは今日本当に良い仕事をしました。彼自身とクルマのパフォーマンスをきちんと発揮し、2位争いを続けました。明日の最終日でもまた、ベストを尽くしてくれると確信しています。明日はまだSSが60kmも残っており、このような厳しいコンディションではいかなることも起り得ます。今日、クルマは3台とも速く信頼性も確保できていました。クリスは最初のSSでトップに立ちましたが、次のSSは路面がかなりラフで多くの石が転がっており、運悪くパンクをしてしまいました。それでもまだ、ポイントを獲得できる順位につけています。ヤリ-マティは、良い出走順を活かしてベストタイムを何本か刻みました、昨日のような出来事があっただけに、とても重要なことだと思います。
- <<オィット・タナック (ヤリスWRC 8号車)>>
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良い1日になりました。 午前中のステージでは、依然かなり多くのルーズグラベルが残っていましたが、クリーンな走りで上手くまとめられました。午後は戦えるチャンスがあり、タイムを少し取り戻すことができました。路面コンディションは絶え間なく変わり、タイヤがどれくらいグリップするのか予測不可能だったので、なかなか簡単には行きませんでした。明日は、きっと興味深い展開になるでしょう。いくつか明るい材料があるので、とても楽しみです。
- <<ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)>>
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全体的には満足できる1日でした。昨日と比べると、パフォーマンスもかなり良かったと思います。クルマに少し変更を加えたのですが、それが奏功し、特に低速コーナーで効果がありました。今日の我々の合計ステージタイムは首位の選手に近かったので、満足するべきでしょう。総合8位まで順位を回復しましたが、明日も今日と同じようなスピードで走れたならば、総合7位も十分可能だと思います。また、選手権にとって重要となる、パワーステージでのポイント獲得も狙っていきます。
- <<クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)>>
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今朝の最初のステージでは素晴らしいスピードがあり、首位に立つなど存分に楽しめました。残念ながら次のステージではパンクをしてしまいましたが、タイヤを交換せずそのまま走り続けることにしました。タイムを考えると正しい判断だったと思いますが、結果的にリヤサスペンションにダメージを負い、その次のステージで大きな影響が出てしまいました。総合5位に落ちて戦うことができない状況に失望していますが、チームのために順位を守って結果を残し、ポイントを獲得するのは重要な任務であると理解しています。
- <<ラリー・メキシコ デイ3の結果>>
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1 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (シトロエン C3 WRC) 2h57m21.4s
2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (フォード フィエスタ WRC) +27.0s
3 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) +29.2s
4 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1m15.7s
5 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +4m37.1s
6 ベニート・グエラ/ハイメ・ザパタ (シュコダ ファビア R5) +12m06.0s
7 マルコ・ブラチア・ウィルキンソン/ファビアン・クレトゥ (シュコダ ファビア R5) +15m39.6s
8 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +17m32.4s
9 リカルド・トリビーニョ・ブハリル/マルク・マルティ・モレノ (シュコダ ファビア R5) +21m59.6s
10 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +21m.59.7s
(現地時間3月9日23時50分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
- <<明日のステージ情報>>
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競技4日目、ラリー最終日となる10日(日)のデイ4は、サービスパークの東側エリアで3本のグラベルステージが行なわれます。SS19「アルファロ」、SS20「メサ・クアタ」は、いずれもデイ3までに走行した他のステージと多くの部分が重なっています。また、SS7の再走ステージであるSS21「ラス・ミナス」は、トップ5タイムを記録した選手にボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。3本のSSの合計距離は60.17km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は181.98kmとなります。
- <<注目のステージ>>
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SS21 ラス・ミナス パワーステージ 全長10.72km
- <<ミーカ・アンティラ(ヤリスWRC 10号車 コ・ドライバー)>>
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パワーステージの序盤は、テクニカルでスローな道が続きます。しかし、スタート地点が現在よりも手前で、全長が長かった時代はさらに低速なコースでした。テクニカルなセクションが終了すると、幅が広い大きな道に出ます。そして最後は、村へと続く石畳の道を走りステージはフィニッシュを迎えます。