3月30日(土)、2019年FIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦ラリー・フランス(ツール・ド・コルス)の競技2日目デイ2が、コルシカ島東北部バスティアのサービスパークを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC 8号車)が一時首位に立ちながらも、総合6位に順位を下げました。なお、デイ1で大きく遅れをとったクリス・ミーク/セブ・マーシャル組(5号車)は総合9位に、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車) は総合10位に、それぞれ順位を上げました。
- 8号車(オィット・タナック、マルティン・ヤルヴェオヤ)
競技2日目のデイ2は、島の北部に展開する3本のステージを、午前と午後で各2回走行。6本のステージの合計距離は174.50kmでした。前日に続き天気は良く、路面は全体的にドライ。日中、気温は摂氏20度前後まで上がりました。デイ1でライバルと激しい首位争いを展開したタナックは、4.5秒差の総合2位でデイ2をスタート。オープニングのSS7、続くSS8と2ステージ連続でベストタイムを記録し、差を0.2秒に縮めました。そしてSS9ではついに首位に立ち、SS10でもその座を堅守しました。しかし、午後2本目のSS11でタナックはクルマを止めてタイヤ交換を行なうことになり、2分程度タイムをロス。首位の座を失い総合6位でデイ2を終えました。ただし、総合5位の選手との差は22.4秒とそれほど大きくないため、ポジションアップを実現すべくデイ3に臨みます。
ミークとラトバラは、金曜日デイ1のミスによってトップ10圏外に沈みましたが、デイ2ではいずれもトップ10内に入りました。ミークはドライビングを心から楽しみ、午後は好タイムを記録。SS10ではベストタイムを、SS11では僅か0.1秒差のセカンドベストタイムを刻みました。その結果、ミークはデイ1の総合16位から、9位へとポジションアップ。ラトバラも総合13位から、10位に順位を上げました。
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- <<トミ・マキネン(チーム代表)>>
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オィットは非常に良い順位につけていたので、あのような事が起こってしまったのが残念でなりません。なぜ問題が起きたのか、その原因を注意深く調査する必要があります。ただし、我々のクルマは舗装路でとても速く、性能も非常に安定していました。明日は、我々の3人のドライバー全員にポイント獲得のチャンスがあると思いますし、次のラリーが楽しみでもあります。
- <<オィット・タナック (ヤリスWRC 8号車)>>
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クルマのフィーリングは良く、ミスなく良いリズムで走ることができていたので、途中までは順調でした。SS11で何が起きたのか未だ理解できていませんが、とても残念です。チームの素晴らしい仕事のお陰で今週末クルマの仕上がりは非常に素晴らしく、私も全力で戦っていました。このラリーは我々にとってもっとも難しいラリーのひとつだと思っていたので、本当に一生懸命準備をして臨みました。それだけに、この結果は簡単には受け入れられません。明日はポイントを獲得できる可能性がありますし、ここまでとても良い走りができているので、最後まで諦めずチャンスを掴みたいと思います。
- <<ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)>>
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今日は自分自身のドライビングがあまり良くなく、困難な1日でした。今朝は速さが十分ではなかったので、午後はプッシュして走ろうとしました。しかし、SS11でタイヤの空気が抜けてしまい、タイヤを交換しなくてはなりませんでした。右コーナーで道路の端に開いていた穴に落ちるミスをしてしまったのです。明日の最終日は良いドライビングをできるように頑張ることで、最終ステージに向けて勢いがつくと思います。
- <<クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)>>
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今日は、特に午後のステージでは走りを楽しむことができました。今朝は出走順が1番手だったため、路面にタイヤのラバーが付着していない状態で走り、とても滑りやすく感じました。きっと、理想的な出走順ではなかったと思います。日中のサービスでセッティングを少し変更したところ、クルマはとても良くなりました。上位の選手が激しい優勝争いをする中、良いリズムで走ることができ、ベストタイムを記録し速さを見せられたのは良い事です。クルマの速さを優勝争いに繋げられなかった自分に依然腹立しさを感じますが、明日のパワーステージに照準を合わせ、自分の力を試したいと思います。
- <<ラリー・フランス(ツール・ド・コルス) デイ2の結果>>
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1 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) 2h56m50.0s
2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (フォード フィエスタ WRC) +4.5s
3 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC) +44.8s
4 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +49.9s
5 テーム・スニネン/マルコ・サルミネン (フォード フィエスタ WRC) +1m32.1s
6オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) +1m54.5s
7 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (シトロエン C3 WRC) +1m59.3
8 セバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ (ヒュンダイ i20クーペWRC) +3m21.4s
9 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +3m55.9s
10 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +6m35.4s
(現地時間3月30日21時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
- <<明日のステージ情報>>
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競技3日目最終日となるデイ3は、コルシカ島西北部カルヴィの周辺で、2本のSSが行なわれます。SS13は全長31.85kmと今大会2番目に長いステージで、その後リグループを挟み、最終ステージのSS14「カルヴィ」が行なわれます。全長19.34kmのSS14は、トップ5タイムを記録した選手に対し、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。2本のSSの合計距離は51.19km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は194.20kmとなります。
- <<注目のステージ>>
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SS13 オー・ド・ジリア 全長31.85km
- <<セブ・マーシャル(ヤリスWRC 5号車 コ・ドライバー)>>
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SS13は、他のステージとキャラクターが大きく異なり、途中で道幅が狭く非常にバンピーなセクションを走行します。そのため、私とクリスは「一部分はまるでアイルランドみたいなステージだね」と話していました。ステージの最後には美しいヘアピンコーナーが続くダウンヒルセクションを走行し、フィニッシュを迎えます。とても長いSSですが、途中にはコルシカ島のステージには珍しく200〜300mの直線区間が多くあります。