10月4日(金)、2019年FIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦ラリー・グレートブリテン(GB)のデイ2がウェールズ北部のスランディドノを基点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC 8号車)が総合1位に、クリス・ミーク/セブ・マーシャル組(5号車) が総合3位につけました。なお、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)は、SS7でクラッシュしリタイアとなりました。
- 8号車(オィット・タナック、マルティン・ヤルヴェオヤ)
ラリーGBのデイ2は、サービスパークの南側に広がるスノードニア山脈周辺の森林地帯を中心に、9本計116.52kmのSSが行われました。前夜、オウルトンパーク・サーキットで行われたSS1でベストタイムを刻み首位に立ったミークは、デイ2でも好調を維持。SS2とSS3で2番手タイムを記録し、SS9まで首位の座を守り続けました。一方、デイ1でやや出遅れたタナックは、前夜から降り続いた大雨で泥状となった森林地帯の道を快走し、午前中のSS3とSS4でベストタイムを記録。午後のステージでも暗闇の中SS9とSS10でベストタイムを刻み、首位に立ちました。ミークはSS10で総合3位に順位を落としましたが、2位の選手とは0.2秒差、首位タナックとの差は3.6秒と、十分優勝を狙える位置につけています。
デイ1で総合8位につけたラトバラは、SS4で2番手タイム、SS5ではライバルとベストタイムを分け合うなど徐々に調子を上げ、一時は総合3位まで浮上しました。しかし、SS7でクレスト(丘)を越えた際にコントロールを失いクラッシュ。ダメージがクルマのロールケージまで及んだため、残念ながらデイ2で競技を終えることになりました。
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- <<トミ・マキネン(チーム代表)>>
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オィットとクリスにとっては良い1日でした。非常に難しいコンディションながら彼らは素晴らしい走りで1位と3位につけ、チームとしても満足しています。残念ながらヤリ-マティは、小さなミスで大きな代償を払うことになりましたが、ラリーではしばしば起こり得ることです。オィットとクリスは明日のステージに自信を持っているようですし、道幅が広く流れるようなコーナーが続くので、我々のクルマが力を発揮しやすいステージだと思います。
- <<オィット・タナック (ヤリスWRC 8号車)>>
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本当に厳しい1日でした。今朝の路面は全体的に予想よりもグリップが高かったのですが、一定ではなく見極めは至難でした。午後は路面が荒れ、フロントウインドウに付着した泥で視界を奪われ苦労しました。しかし、日没後に行なわれた最後の2本のステージはクルマのフィーリングが良く、なかなか良いタイムを出すことができました。明日のステージは我々に合っているとは思いますが、それでも激しい戦いが続くでしょう。
- <<ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)>>
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今朝の走り始めは思うようにリズムを掴めなかったのですが、その後のディフナントとアベルヒルナントでは、路面のグリップ変化が大きかったにも関わらず走りが好転しました。しかしSS7でクレストを越えた時に突然クルマのリヤが浮いてコントロールを失い、土手にぶつかり転倒してしまいました。ほんの少し速度が高く、遠くに飛んだだけだったのですが、このような形でラリーを終えることになって残念ですし、チームにマニュファクチャラーポイントをもたらす事が自分の役目だったので、それを果たすことができず申しわけなく思います。
- <<クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)>>
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日没後オィットに抜かされるまではラリーをリードしていたので、良い1日だったと思います。朝は路面がかなり濡れていましたが、雨が止んだ午後はグリップレベルが少し安定しました。午後はやや遅れをとりましたが、それでもトップとは3秒程度の差なので満足しています。明日のダイフィは、その昔自分が初めてラリーカーで走ったステージですし、メイヘリン、スウィートラム・ハフレンも伝統的なステージなので、とても楽しみです。
- <<ラリー・グレートブリテン デイ2の結果>>
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1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) 1h14m30.8s
2 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC) +3.4s
3 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +3.6s
4 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +8.4s
5 アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +25.7s
6 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +33.5s
7テーム・スニネン/ヤルモ・レーティネン (フォード フィエスタ WRC) +37.4s
8 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (フォード フィエスタ WRC) +51.8s
9 ポントゥス・ティディマンド/オーラ・フローネ(フォード フィエスタ WRC) +2m56.6s
10 ヤン・コペツキ/パヴェル・ドレスラー (シュコダ ファビア R5) +4m01.1s
R ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC)
(現地時間10月4日22時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
- <<明日のステージ情報>>
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10月5日(土)のデイ3は、サービスパークの南側、ウェールズ中部の森林地帯を中心に7本のSSが行なわれます。出走順がトップの選手は午前6時前にサービスを出発し、ラリーGBの名物である「ダイフィ」「メイヘリン」「スウィートラム・ハフレン」という3本のステージを各2回走ります。そして、1日の最後には、サービスパーク近くのコルウィン・ベイの海岸沿いに設けられたターマック(舗装)ステージを走行します。デイ3は日中のサービスが設定されず、タイヤフィッティングゾーンでのタイヤ交換のみで1日を走り切らなくてはなりません。しかしながら、7本のSSの合計距離は151.24kmと4日間で最も長く、リエゾン(移動区間)を含めた1日の総走行距離は573.48kmに達します。
- <<注目のステージ>>
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SS12/14 メイヘリン 全長22.91km
- <<セブ・マーシャル(ヤリスWRC 5号車 コ・ドライバー)>>
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「メイヘリン」は難しくも、全てのドライバーが楽しいと思えるようなステージです。今年は、過去2年くらい使われていなかったパートが復活しました。風力発電用の風車のすぐ近くを走る有名なセクションは霧が出る事もあり、森の中の道は非常に滑りやすくとても難しいステージです。