誰が勝つか分からない。
個性光るライバルたち
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamが、WRCで対峙するライバル、Mスポーツ、ヒュンダイ、シトロエン
その中から2017年シーズン勝利を手にした4人のドライバーを紹介します。
Sébastien
Ogier セバスチャン・オジエ
WRCドライバーズ選手権4連覇中
現在最強のオールラウンダー
Mスポーツ・ワールドラリーチームのエースで、現在WRC4連覇中の絶対的王者がセバスチャン・オジエだ。スキーのインストラクターの資格を持つ彼の出身地は、ラリーモンテカルロの起点ともなっているフレンチアルプスの麓、ギャップ。2000年代のWRCで圧倒的な強さを誇った同国出身のセバスチャン・ローブと入れ替わるかたちで、チャンピオンの座に君臨している。彼のタイトルはすべてフォルクスワーゲンで獲得したものだが、昨シーズン末に同チームが撤退を決めたため、Mスポーツへの移籍を決めた。未舗装路・舗装路問わず、どんな路面にも対応するオールラウンダーであり、苦手とする路面はない。
Ott
Tanak オット・タナック
Mスポーツの長期育成ドライバー
今シーズン、ついに悲願の初勝利
Mスポーツ・ワールドラリーチームでセバスチャン・オジエのチームメイトを務めるエストニア出身のオット・タナック。国内では早くから注目されていた彼が世界に飛び出したのは2010年。ピレリタイヤの若手育成プログラム、「ピレリ・スタードライバー」に選ばれ、WRC転戦の機会を得た。ここでの活躍がMスポーツ代表のマルコム・ウィルソンの目にとまり、同チームに抜擢。昨年のラリーポーランドでは、優勝まであと一歩に迫る2位を獲得。そして、今シーズンのWRC第7戦サルディニアで、ついに初勝利を挙げた。冷静沈着で、決して言葉数は多くないが、内なる闘志を秘めたドライバーだ。
M-SPORT WORLD RALLY TEAM M スポーツ ワールド ラリー チーム
フォード・フィエスタWRC
Thierry
Neuville ティエリー・ヌービル
ヒュンダイを率いる若きエース
次の王者を狙うベルギー期待の星
次世代のワールドチャンピオン大本命と言われているのが、ヒュンダイ・モータースポーツのエース、ティエリー・ヌービル。ジュニア世界ラリー選手権(JWRC)やインターコンチネンタル・ラリーチャレンジ(IRC)で経験を積み、2012年にシトロエンに加入。13年はMスポーツから参戦し、14年からはWRC復帰を果たしたヒュンダイに移籍。その年のドイツでは念願のWRC初勝利を手にした。これまでベルギー出身ドライバーは大成できないという、WRC界のジンクスを打ち破る快進撃を見せている。初勝利を挙げたドイツをはじめ、舗装路のラリーを得意とするが、「自分自身はオールラウンダーだと思っている」と言い切るように、ここ数年でどんなラリーでも勝ち切るだけのスピードを身につけた。
HYUNDAI MOTORSPORT ヒュンダイ・モータースポーツ
ヒュンダイi20クーペWRC
Kris
Meeke クリス・ミーク
コリン・マクレーの意志を受け継ぎ
久々の英国出身王者を狙う
シトロエン・トタル・アブダビ・ワールドラリーチームのエースを務めるのはイギリス出身のクリス・ミーク。ワークスドライバー最年長である。母国イギリスの英雄コリン・マクレーのサポートを受けて、ジュニア世界ラリー選手権(JWRC)に参戦。 MINIで初のワークスチーム加入となったが、シーズン途中でプログラムを休止してしまう。そのため、2012年はWRCに一戦も出場することができなかった。それでも14年にシトロエンに加入すると、15年のアルゼンチンでWRC初勝利を達成。先輩のマクレーを彷彿とさせる切れ味抜群のドライビングは、特に未舗装路ラリーで真価を発揮する。
Citroën Total Abu-Dhabi World Rally Team シトロエン・トタル・アブダビ・ワールドラリーチーム
シトロエンC3 WRC