Elfyn Evans エルフィン・エバンス Elfyn Evans エルフィン・エバンス

2021年アークティックラリー・
フィンランドを終えて、
3⼈のドライバーにインタビューを
実施。
今シーズンの彼らの思いとは。

プロフィール

  • エルフィン・エバンス
  • ドライバー
  • ⽣年⽉⽇:1988年12⽉28⽇
  • 国籍:イギリス(ウェールズ)

主な戦歴

  • 2008年 フィエスタトロフィー イギリス/アイルランド シリーズチャンピオン
  • 2010年 イギリス ジュニアラリー シリーズチャンピオン
  • 2012年 WRCアカデミー シリーズチャンピオン
  • 2016年 イギリス ラリー選手権 シリーズチャンピオン
  • 2017年 WRC初優勝(ラリー・グレートブリテン)
  • 2020年 WRCドライバー選手権 2位

イギリス人ラリードライバー。イギリス国内ラリー王者であるグウィンダフ・エバンスを父に持ち、2006年にニッサン・マイクラでラリーデビュー。2007年のラリーGBではやくもWRC初出場を果たす。2010年にイギリス・ジュニア・ラリー王者に輝き、2012年はWRCのジュニアシリーズであるWRCアカデミーに挑戦し6戦4勝でチャンピオンに。2013年からはMスポーツ・フォードの一員となり、WRカーでサルディニア(イタリア)にスポット出場し総合6位に入った。また、同年はR5カーでWRC 2にも挑み、地元のラリーGBで優勝。2016年は3勝を挙げ、WRC 2選手権2位となった。2017年シーズンよりWRカーによるフル参戦を開始し、同年のラリーGBでWRC初優勝を達成。また、総合2位に2回入るなど安定した強さを示し、選手権5位を得た。2019年はツール・ド・コルス(フランス)で最終ステージまでラリーをリードするなど、ターマックラリーでも優勝する実力を備えたオールラウンダーである。2020年からTOYOTA GAZOO Racing WRTに加入し、ラリー・スウェーデンとラリー・トルコで優勝。ドライバー選手権2位を獲得した。

開幕戦のラリー・モンテカルロは昨年よりもひとつ上の順位の総合2位でしたが、結果には満足していますか?

合2位というのは、今シーズンのスタートとしてはまあまあな結果だったと思います。純粋にチーム全体としてのパフォーマンスとして考えれば良い結果だったともいえますが、私自身は100%満足しているわけではありません。全体的にクルマのフィーリングは良かったのですが、新しいピレリタイヤに適応していく過程で、セブ(セバスチャン・オジエ)のように限界までプッシュして走るための自信が、僅かに欠けていたのかもしれません。開幕戦としては悪くなかったと思いますが、本来であればもう少しやれたのではないかと感じています。

第2戦アークティック・ラリー・フィンランドの方が、さらに難しい戦いだったのではないですか?

ークティックは、自分たちが望んでいた週末ではなかったと思います。私もセブも、ライバルよりもはやいスタート順でステージに出走するのは理想的なことではないとあらかじめ理解していましたが、実際に困難なラリーのスタートになってしまいました。とはいえ、いいペースで走ることができたステージもありました。残念ながら、ステージを2回目に走行する時に良いフィーリングを掴めず、フロントタイヤの摩耗にも悩まされ、表彰台を目指すことはできませんでした。特に、土曜日の午後以降はあまりうまく行きませんでした。何本かベストタイムを刻み、速く走れた区間もあったので悪いことばかりではなかったのですが、期待していたような内容のラリーではなかったことは確かです。

開幕2戦を戦い終えて、今年のヤリスWRCのフィーリングはどうでしょうか?

ちろん2020年に乗っていたクルマと基本的には同じなので、全体のパッケージが強力なのは分かっています。良いクルマであることは間違いありませんが、それでも常に小さな改善を積み重ねていますし、今は新しいピレリタイヤにできる限りクルマを適応させようとしています。シーズン序盤の特徴的なラリー2戦では、それが重要なテーマのひとつだったと思います。今後は、より一般的なターマックラリーのクロアチア、そしてさらに一般的なグラベルラリーのポルトガルと続きます。ですから、できる限りクルマを新しいタイヤに合わせ込み、小さな改善作業を続けなくてはなりません。それでも、ヤリスWRCにはほぼ満足していますし、ドライビングを楽しんでいます。

成長著しいチームメイトのカッレ・ロバンペラは成長著しいですが、今シーズン強力なライバルになると思いますか?

え、間違いなく彼は強くなるでしょう。昨年のWRカー参戦初年度でも既に、ほとんどのラリーで抜群の速さを発揮していたので、今年さらに強くなることは確実です。他のチームのライバルとの競争のみならず、チーム内でも厳しい競争に直面しています。誰もが最大限の努力をしているので、競争はとても激しいですね。

第3戦クロアチア・ラリーへの意気込みを聞かせてください。

クロアチアはまったく新しいイベントなので、今はまだ多くのことが分かっていません。現地に行く前にできるだけ多くのことを学ぼうと、ステージのビデオを見て勉強しています。それでも、実際に現地に行ってレッキ(ステージの下見走行)をすることにはかないません。新しいラリーでは、実際に自分でステージを走ってみない限り、何が起こるかわからないものです。

今シーズン、特に楽しみにしているラリーはありますか?

にこの1戦というラリーはありませんが、いくつか挑戦しがいがありそうなイベントはあります。カレンダーにはサファリラリー(ケニア)が入っていますが、これもまた未知なるラリーです。どんなイベントなのか、とても興味があります。他にもイープル(ベルギー)など新しいラリーがいくつもあります。新しいチャレンジがとても多いシーズンですが、こうした新しいイベントを戦えるのはいつだって嬉しいものです。

今シーズンの目標は何でしょうか? 昨年惜しくも果たせなかった、初タイトル獲得へのモチベーションは高まっていますか?

ちろん、できることならタイトルに挑みたいです。それが簡単なことではないのは分かっていますし、昨年、そのことを強く実感しました。全てが終わるまでは、終わりではないのだと。今年は、もっと長いシーズンになりそうです。もちろん、ハングリーな気持ちですし、開幕からここまでの展開にも満足していません。ただし、パーフェクトではありませんが最悪でもないので、これからのラリーで攻めの戦いを続け、少しでも選手権の順位を上げていきたいと思っています。シーズンの終わりにドライバーズタイトルとマニュファクチャラーズタイトルの両方を獲得することが、私の目標です。

最終戦として予定されている、ラリージャパンに期待することは何でしょうか? 日本に行くことは楽しみですか?

リージャパンでトヨタのクルマをドライブするのはとても特別なことです。幸運なことに、2019年にセントラルラリー愛知・岐阜のコースをレッキ(下見走行)する機会があったので、既にいくつかのステージの雰囲気を味わっています。簡単なラリーではないことは確かです。ツイスティで道幅が狭いところもあれば、高速で広い道もあり、我々にとってはまた新たなる挑戦になるでしょう。ステージを見たことがあっても、実際に走ってみないと何が起きるかわからないものです。それでも、トヨタにとってのホームラリーでもあるこのイベントに参加することを、心から楽しみにしています。