The History of Rally Japan 2004 - 2025

チャプター1 -2004〜2010年- ラリージャパンが芽吹く WRCの有力ドライバーたちが
北海道を駆け抜ける
2026.5.20掲載

 WRC(世界ラリー選手権)の日本大会であるラリージャパンが初開催にこぎ着けるまでには、とても長い時間がかかりました。日本では古くから数多くのラリー大会が行われてきてはいましたが、WRCで求められるスペシャルステージの長さやイベントの規模は国内格式の大会とは比べ物になりません。特にラリーは公道を使う競技であることから、その最高峰であるWRCを開催できる基盤を作り上げることは容易でなかったのです。だからこそ、この国でのWRC開催は、日本のラリー関係者、そして日本のラリーファンにとって長年の夢であり続けたのでした。

1992年 ツール・ド・コルス カルロス・サインツ/ルイス・モヤ(トヨタ・セリカ GT-FOUR グループAラリーカー)

1992年 ツール・ド・コルス カルロス・サインツ/ルイス・モヤ(トヨタ・セリカ GT-FOUR グループAラリーカー)

 それでも1990年代になると、日本でのWRC開催を目指す動きが活発になっていきました。その背景には、トヨタ自動車、三菱自動車、富士重工業(スバル)といった日本の自動車メーカーがWRCの頂点を目指したワークス参戦を積極的に行い、ラリーで培った技術とイメージを盛り込んだ乗用車を販売したことなどがありました。そして、関係者の多大な努力をもって、2004年にはWRCラリー・ジャパン※の第1回大会がついに行われたのでした。

 2004年から2010年までの間に計6回行われたWRC日本大会は、すべて北海道で行われ、すべてグラベルラリーとして開催されました。なお、2007年大会までは十勝地方、2008年および2010年大会は札幌を中心とした道央で開催されています。

 2004年の第1回大会を制したのは、前年である2003年にWRCチャンピオンとなっていたペター・ソルベルグでした。2026年からTOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)の一員となったオリバー・ソルベルグの父です。スバル・インプレッサWRCに乗った彼は、ライバルを圧倒するスピードで十勝地方の大地を駆け抜け、WRC日本大会の初代ウイナーとなりました。 ※日本語の大会名称は2006年以降「ラリージャパン」に統一された。

2004年 ラリー・ジャパン ペター・ソルベルグ/フィル・ミルズ(スバル・インプレッサWRC2004)

2004年 ラリー・ジャパン ペター・ソルベルグ/フィル・ミルズ(スバル・インプレッサWRC2004)

 2005年大会では、プジョーに当時在籍していた2000年&2002年WRCチャンピオンのマーカス・グロンホルムが勝利。5回もWRCでマニュファクチャラーズタイトルを獲得しているプジョーにとって、WRCでの総合優勝はこれが目下最後のものとなっています。

 通算80勝を誇るWRC最多勝ドライバーのセバスチャン・ローブは日本戦で一度だけ優勝しましたが、それが2006年のこと。前年大会の覇者であるグロンホルムの追撃を5.6秒差で振り切りました。

 そして、2007年と2008年のラリージャパンは同じドライバーによって優勝が飾られました。連覇を成し遂げたのは、現在はTGR WRCチャレンジプログラムのチーフインストラクターとして活躍しているミッコ・ヒルボネン。当時はMスポーツ・フォードに所属しており、2008年のチームメイトはヤリ‐マティ・ラトバラ(現TGR-WRTチーム代表)でした。

2008年 ラリー・ジャパン ミッコ・ヒルボネン/ヤルモ・レーティネン(フォード・フォーカス RS WRC08)

2008年 ラリー・ジャパン ミッコ・ヒルボネン/ヤルモ・レーティネン(フォード・フォーカス RS WRC08)

 WRCの日本開催がなかった2009年を挟んで迎えた2010年大会では、シトロエンのワークスチームから出場したセバスチャン・オジエと、自らのプライベートチームでシトロエンのマシンを走らせていたペター・ソルベルグが僅差の好勝負を展開。オジエが競り勝ってWRCでの2勝目をつかみました。なお、オジエは2020年からトヨタ(TGR-WRT)のドライバーとして活躍。2025年には15年ぶりのラリージャパン制覇を果たし、WRCでの勝数は67に達しました。

 北海道時代のラリージャパンはこの2010年大会をもって終了。それから10年以上にわたって日本でのWRC開催がない期間がありましたが、関係者の努力が実り、愛知・岐阜に舞台を移しての新生ラリージャパンが2022年にスタートしました。そして2026年5月には同エリアで5年目の開催を迎えます。

北海道時代のWRC日本ラウンド

開催日 ラウンド/大会名称 開催地 総合優勝
2004年9月2日〜5日 WRC第11戦 ラリー・ジャパン 北海道・十勝エリア ペター・ソルベルグ/フィル・ミルズ(スバル・インプレッサ WRC2004)
2005年9月29日〜10月2日 WRC第13戦 ラリー・ジャパン 北海道・十勝エリア マーカス・グロンホルム/ティモ・ラウティアイネン(プジョー 307 WRC)
2006年8月31日〜9月3日 WRC第11戦 ラリージャパン 北海道・十勝エリア セバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ(シトロエン・クサラ WRC)
2007年10月25日〜28日 WRC第14戦 ラリージャパン 北海道・十勝エリア ミッコ・ヒルボネン/ヤルモ・レーティネン(フォード・フォーカス RS WRC07)
2008年10月30日〜11月2日 WRC第14戦 ラリージャパン 北海道・道央エリア ミッコ・ヒルボネン/ヤルモ・レーティネン(フォード・フォーカス RS WRC08)
2010年9月9日〜12日 WRC第10戦 ラリージャパン 北海道・道央エリア セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C4 WRC)

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