Round1
スーパー耐久 第1戦 もてぎ
レポート
参戦4年目の“初ポールポジション”と次戦に繋がる“2位表彰台”

参戦4年目の“初ポールポジション”と
次戦に繋がる“2位表彰台”

TOYOTA Team TOM’S SPIRIT(86号車)

トヨタ86が参戦しているST-4クラスは“最激戦区”と呼ばれ、22台が犇めきあっている。今年のTOYOTA Team TOM’S SPIRIT(86号車)はチーム体制やドライバーの変更はないが、マシンは新車に変更された。
3/31(木)、4/1(金)に行なわれた練習走行では、今シーズン初のツインリンクもてぎでの走行かつ新車と言うことで、セットアップも難航した上にエンジントラブルも発生。
4/2(土)に行なわれた予選は、昨日と異なるセットが功を奏し、Aドライバーの松井孝允選手がトップタイムを記録。Bドライバーの井口卓人選手も3位を記録し、合計タイムで予選1位を獲得。実は86号車がポールポジションを獲得したのは参戦4年目にして初である。

TOYOTA Team TOM’S SPIRIT(86号車)
TOYOTA Team TOM’S SPIRIT(86号車)

4/2(日)の12時15分、早朝から降っていた雨は午前中に完全に止み、完全なドライ路面で5時間レースの火蓋が切られた。序盤はトップを死守したが、決勝用のセットアップが路面と上手くマッチしなかったようでペースアップができず。周回を重ねるごとに他の86やホンダ勢にパスされ5位まで順位を落としてしまう。しかし、3人のドライバー/メカニックは冷静に与えられた役割を確実にこなし、ライバルの脱落もあり順位は少しずつアップしていった。
昨年はミスも多かった若手3人のドライバーやメカニックも、成長を感じる部分があり、TOYOTA GAZOO Racingのテーマである「人を鍛える」は、S耐でも着実に実を結んでいる。
そしてゴールまで残り1時間弱、ラストドライバーとなる松井孝允選手へ交代時する時には2位へと浮上、その後もクレバーな走りで17時15分にゴールを迎えた。
影山正彦監督は「もちろん優勝を狙っていましたが、金曜日の状態を考えれば今回の2位は大きいです。序盤に予想以上に順位を落としてしまったのは反省点ですが、ドライバー/メカニック共にノーミスで頑張ってくれた結果です。2戦目以降に繋がるレースだったと思っています」。

TOYOTA Team TOM’S SPIRIT(86号車)
TOYOTA Team TOM’S SPIRITドライバー

Aドライバーでマシンのセットアップを中心に行なってきた松井孝允選手は、「チーム全体で『クルマを良くしたい!!』と言う気持ちが今回の結果に表れたと思っています。本音を言えば勝ちたかったですが、今回の反省を元に我々に足りないところを改善していけば、次戦は優勝できると思います」。
シリーズタイトルを目指すTOYOTA Team TOM’S SPIRITにとっては、幸先のいい初戦となった。昨年とは違ってチームの歯車は着実に噛みあい始めている。ちなみにST-4クラスは1位13号車(エンドレススポーツ)、3位55号車(オートファクトリー)と表彰台はトヨタ86が独占。実はツインリンクもてぎでホンダ車以外がクラス優勝したのは初であった。4年目にしてトヨタ86の芽は大きく成長している。

TOYOTA Team TOM’S SPIRITドライバー

マシンラインナップ
スーパーカーからコンパクトカーまで、
多種多彩なマシンが一斉にレースを行なうシーンに圧倒!!

スーパー耐久シリーズは量産車をベースに改造を施したマシンで争われるため、「日本のハコレースの最高陣」とも呼ばれる。マシンラインナップも憧れのスーパースポーツから、街で見かけるスポーツカー/スポーツセダン/コンパクトハッチまで多種多彩。コース上は性能が大きく異なる6クラスのマシンが一同にバトルしている光景は、他のレースカテゴリーではなかなか見る事ができない光景だろう。

  • ST-Xクラス
    ST-Xクラス
    スーパー耐久シリーズは量産車をベースに改造を施したマシンで争われるため、「日本のハコレースの最高陣」とも呼ばれる。マシンラインナップも憧れのスーパースポーツから、街で見かけるスポーツカー/スポーツセダン/コンパクトハッチまで多種多彩。コース上は性能が大きく異なる6クラスのマシンが一同にバトルしている光景は、他のレースカテゴリーではなかなか見る事ができない光景だろう。
  • ST-1クラス
    ST-1クラス
    エンジン排気量3501cc以上のマシンによるクラス。昨年は年間エントリーがなかったが、今年は2台のマシンがエントリーされクラスが復活。参戦マシンはBMW Z4とST1クラス久々に登場となるポルシェ911 GT3 CUP(通称カップカー)。どちらのマシンも過去にタイトル連覇もある実績の高いマシンなので、2台のガチンコバトルは必見かもしれない。
  • ST-2クラス
    ST-2クラス
    エンジン排気量2001~3500ccの4輪駆動のマシンによるクラス。古くから「スバルvs三菱」のガチンコバトルが有名で、ウエットコンディション時は総合争いにも食い込むポテンシャルを備えている。孤軍奮闘のスバルWRX STIがシリーズ3連覇を達成しているが、多数派の三菱ランサーエボリューション軍団がタイトル獲得を虎視眈々と狙っている。
  • ST-3クラス
    ST-3クラス
    エンジン排気量2001~3500㏄の2輪駆動のマシンによるクラス。長年日産フェアレディZが引っ張ってきたが、昨年はレクサス勢がRC350の投入により接戦となった。その2強に挑むのが、昨年の最終戦でデビューしたトヨタマークX G’s。レクサスRC350と同じV6-3.5Lエンジンと軽量ボディの組み合わせは、熟成が進めば「台風の目」になるかも!?
  • ST-4クラス
    ST-4クラス
    エンジン排気量1501~2000ccのマシンによるクラスで、駆動方式による制限はない。今シーズンは9車種、22台がエントリーでクラス最多である。これまでホンダ勢(S2000、インテグラ、シビック)がクラスを引っ張って来たが、ここ数年でトヨタ86のエントリーが増え、昨年はクラスタイトルを獲得。兄弟車スバルBRZと合わせ10台の勢力となっている。
  • ST-5クラス
    ST-5クラス
    モータースポーツの敷居を下げることを目的に設定されたエンジン排気量1500cc以下のマシンによるクラス。ホンダフィット/トヨタヴィッツ/マツダデミオによるコンパクトハッチバックバトルが展開されてきたが、今年から何と新型ロードスター(ND)が参戦。デミオはディーゼル車に加えてガソリン車の参戦と、マツダ勢の攻勢も気になる所である。

次戦予告

スーパー耐久 第2戦
開催予定:2016.5.14 ~ 15
場所:スポーツランドSUGO

※プレビューページは2016年5月中旬公開予定です。