今回で42回目を迎えるニュルブルクリンク24時間レース。今年は天候も比較的安定している6月での開催となり、チームは戦略を立てやすくなるプラス面が多そうですが、もちろんメリットばかりではありません。
ニュル開催1週間前には、もう1つの24時間レース「ル・マン」がフランスで開かれており、2つにエントリーしているドライバーにとってはレースウィークが2週続くタフなスケジュールとなっているのです。
参戦する各チームですが、やはり注目はニュル常勝メーカーの図式を完全にぶち壊したメルセデスベンツSLS AMG GT GT3勢。昨年、初優勝を果たし、今年もSP9クラスから参戦するブラックファルコンレーシングに注目です。そして王者奪回に燃える、ポルシェを駆るマンタイレーシングやBMWワークス、アウディ勢も黙ってはいないでしょう。
また、今年は日本勢からも参戦が増えました。
まず、最高峰SP9クラスにGT-R NISMO GT3を投入する日産。前哨戦となるVLN3ではポールポジションを獲得するなど、上位を争える高い実力を持っており、史上初の日本勢によるニュル総合チャンピオン誕生に期待が持てます。
そして今年で7年目の挑戦となるスバル&STIは、日本未発売の新型WRX STIを投入し、クラス優勝の奪還を目指します。イギリスのJOTA Sport(ジョタ スポーツ)と提携して参戦するマツダは、ロードスター発売25周年を記念しMX-5(ロードスター)を投入することが決まっています。
GAZOO RacingからはSP8クラスにNo.48 LFA、SP8クラスにはNo.86 86が出走。2012年にダブルクラス優勝を飾っているだけに、その時の周回数を超えるパフォーマンス、そして総合順位でもどこまで上げられるのか注目したいですね。もう一台のNo.53 LFA Code Xが出走するSP PROクラスでは、同じクラスの強豪チームにどの様に挑むかが見どころです。
1年に1度、チームがそしてマシンが、己を鍛えるために帰ってくる場所。ドライバー、メカニック、サポートなど、競技をする人間と、そしてマシンにとってとても厳しい場所。ニュルブルクリンクでの長い長いお祭りが間もなく始まります。