TRDラリーチャレンジ Rd1 in 唐津レポート

TRDラリーチャレンジ2015シリーズ開幕。潮風香る唐津を駆ける!

2015.04.13 TRDラリーチャレンジ2015

2015年ラリーシーズンの始まりを告げるエキゾースト

2015年4月12日、佐賀県唐津市においてTRDラリーチャレンジカップ in 唐津が行われた。2015年TRDラリーチャレンジの開幕戦となる本戦は、全日本ラリー選手権第1戦「ツール・ド・九州 2015 in 唐津」内にTRDラリーチャレンジカップクラスとして併設され、全国から22台のエントリーを集めた。今回競技に使われるSS(スペシャルステージ)は、3.62kmの「白木々場SS」と7.52kmのロングSSとなる「陣の山SS」の2本の林道コース。そしてギャラリーSSの唐津東港特設コース「SSSシーサイド」の3箇所。午後からの天候の崩れが心配される予報だったが、全日本戦ということもあって、唐津東港の特設会場には朝から大勢のラリーファンが訪れていた。

  • 全日本ラリー選手権も開幕戦となり、会場には張り詰めた緊張感があった。結果はラリーチャレンジにも馴染みのある勝田・足立組が優勝。
    全日本ラリー選手権も開幕戦となり、会場には張り詰めた緊張感があった。結果はラリーチャレンジにも馴染みのある勝田・足立組が優勝。
  • 昨年同様、唐津東港をメインステージとして行われた。海の近くの素晴らしいロケーションを楽しめる。
    昨年同様、唐津東港をメインステージとして行われた。海の近くの素晴らしいロケーションを楽しめる。

地元出身の牟田選手がダントツの速さを見せつける

今回、86限定エキスパートクラスであるE-2クラスに参戦し注目を集めたのが、地元福岡出身の牟田周平選手。過去に全日本ラリー選手権においてシリーズチャンピオンの獲得経験もある実力派で、その前評判の通りSS1・SS2からダントツの速さを見せつけ他を寄せ付けない。しかも、同SSの繰り返しとなるセクション2では更にタイムを短縮し、見事優勝を果たした。昨年のC-3クラスチャンピオンの角谷・秋田組も3位に入る好走を見せた。
同じく86限定となるC-3クラスでは、初参加となる長崎・三輪組がE-2クラスに食い込むタイムを記録し続け、他車に1分以上の差を広げての快勝となった。

  • 牟田選手の駆る「クスコレーシング86」。抜群の安定感とスピードを見せつけた。
    牟田選手の駆る「クスコレーシング86」。抜群の安定感とスピードを見せつけた。
  • 昨年のチャンピオンマシン2台に加え、C-3クラスにもう1台投入したチームNAVUL。両クラスの連覇を狙う。
    昨年のチャンピオンマシン2台に加え、C-3クラスにもう1台投入したチームNAVUL。両クラスの連覇を狙う。

各クラスに激戦の予感

E-3クラスには、昨年C-2クラスでシリーズチャンピオンを獲得した松嶌・赤木組がステップアップ参戦した。昨年のE-3クラスチャンピオンの加藤・塩田組とチャンピオン同士のバトルを繰り広げ、見事松嶌・赤木組が優勝を飾った。E-1クラスは、地元福岡から新型ヴィッツで参戦の片山・熊倉組と稲垣・兼原組の抜きつ抜かれつの展開となったが、片山・熊倉組がバトルを制した。C-2クラスは神奈川からの参戦となる天野・森組が優勝。初代1000ccヴィッツの戦いとなるC-1クラスは、序盤で小林組がリードしたが、SS5で丸山・大野組が大幅なタイムアップを果たし、見事逆転勝利した。

  • 激戦が予想されるE-3クラス。連覇を飾り全日本にステップアップしたい加藤選手と、成長著しい松嶌選手のバトルにも注目。
    激戦が予想されるE-3クラス。連覇を飾り全日本にステップアップしたい加藤選手と、成長著しい松嶌選手のバトルにも注目。
  • 新型のヴィッツRSで参戦した地元の片山組。黄色の鮮やかなボディと鮮烈な走りがギャラリーの目を惹いた。
    新型のヴィッツRSで参戦した地元の片山組。黄色の鮮やかなボディと鮮烈な走りがギャラリーの目を惹いた。

今年もGAZOO Racingチーム参戦

今回GAZOO Racingチームから参戦したのは2チーム。
E-2クラスに「GR ラリーアカデミー 86」でエントリーしたのは大阪晃弘選手・小林剛選手。普段からマイカーとして86をドライブする大阪選手はラリー初参加とのことで緊張した面持ちだったが、周囲のラリースト達のアットホームな雰囲気にいつしか緊張も解けていたようだった。
クラスE-1に「GR ヴィッツ CVT」でエントリーしたドライバーの安藤裕一選手は、昨年E-2クラスにコ・ドライバーでエントリーし、見事シリーズ優勝を果たした。今回はドライバーとしてラリーに挑戦する。そのコ・ドライバーを務めるのは、トヨタ車両評価ドライバーでニュル24時間レースなどにも参戦経験のある勝又義信選手。昨シーズン、コ・ドライバーの魅力に目覚めた勝又選手の活躍にも期待が集まる。

  • ラリーチャレンジの会場でおなじみとなったGAZOO Racingチームのマシン。今年はどんなドラマが待ち構えているのだろうか。
    ラリーチャレンジの会場でおなじみとなったGAZOO Racingチームのマシン。今年はどんなドラマが待ち構えているのだろうか。
  • ラリー初挑戦となる大阪選手だったが、ラリー後には「楽しかった!」を連発するほど。ラリーの魅力を身体一杯に感じる一日となった。
    ラリー初挑戦となる大阪選手だったが、ラリー後には「楽しかった!」を連発するほど。ラリーの魅力を身体一杯に感じる一日となった。

ドライバー兼コ・ドライバー?

GRラリーアカデミー86での参戦となった大阪選手。「初めてのラリーでどうなることかと思っていましたが、周りの方がいろいろと教えてくれたので、すぐに馴染めました。ただ、林道のドライビングは難しかったですね。あんな狭い道を全開で走るのか?と。でもペースノートを使っての走り方も分かってきて、後半は良い走りができました。本当に楽しかった」。その満足気な言葉の通り、後半のセクション2は大幅なタイムアップを見せていた。
GRヴィッツCVTの安藤選手は、慣れないCVT車両に苦戦していたが徐々にペースを上げていく。「CVT車を速く走らせるのはなかなか大変でしたが、ラリーチャレンジでは珍しい下りセクションもあったので、気持ちよくラリー を楽しめました」と笑顔で語った。
コ・ドライバーの勝又選手は「昨年の最終戦・新城でミスコースを多発してしまったので、今回はそのリベンジのつもりで臨みました。安藤選手はコ・ドライバーとして豊富な経験があり、ペースノートの書き方やドライバーへの指示の出し方など、逆に教えてもらいながらのラリーでした。彼はドライビングに集中できなかったかもしれませんね…」と苦笑していた。

  • コ・ドライバーの育成教室も行っているという安藤選手。レベルアップを目指す勝又選手にとって、この上ないパートナーとなった。
    コ・ドライバーの育成教室も行っているという安藤選手。レベルアップを目指す勝又選手にとって、この上ないパートナーとなった。
  • 唐津城を眺めながらのリエゾン(一般道を使っての移動)。カラフルな車両に、街を歩く人々が振り返っていrた。
    唐津城を眺めながらのリエゾン(一般道を使っての移動)。カラフルな車両に、街を歩く人々が振り返っていた。

クラス別順位結果(上位3クルー)

class - E-2
1位 ドライバー/コ・ドライバー
牟田 周平/星野 元
トヨタ 86
2位 ドライバー/コ・ドライバー
小倉 康宏/高田 高志
トヨタ 86
3位 ドライバー/コ・ドライバー
角谷 豪也/秋田 典昭
トヨタ 86
class - C-3
1位 ドライバー/コ・ドライバー
長崎 雅志/三輪 静秋
トヨタ 86
2位 ドライバー/コ・ドライバー
塚本 政弘/中畑 光敏
トヨタ 86
3位 ドライバー/コ・ドライバー
増元 信彦/大矢 啓太
トヨタ 86
class - E-3
1位 ドライバー/コ・ドライバー
松嶌 裕貴/赤木 弥生
トヨタ ヴィッツ
2位 ドライバー/コ・ドライバー
加藤 英祐/塩田 卓史
トヨタ カローラレビン
3位 ドライバー/コ・ドライバー
本多 真由美/松家 照幸
トヨタ ヴィッツ
class - E-1
1位 ドライバー/コ・ドライバー
片山 義章/熊倉 健太
トヨタ ヴィッツ
2位 ドライバー/コ・ドライバー
稲垣 和也/ 兼原 洋治
トヨタ ヴィッツ
3位 ドライバー/コ・ドライバー
安藤 裕一/勝又 義信
トヨタ ヴィッツ
class - C-2
1位 ドライバー/コ・ドライバー
天野 浩明/森 真貴子
トヨタ ヴィッツ
2位 ドライバー/コ・ドライバー
鐘江 浩一/佐々木 要
トヨタ ヴィッツ
   
 
 
class - C-1
1位 ドライバー/コ・ドライバー
丸山 剛史/大野 千明
トヨタ ヴィッツ
2位 ドライバー/コ・ドライバー
小林 直広/小林 紀子
トヨタ ヴィッツ
   
 
 

TRDラリーチャレンジのクラス区分はこちらを参照ください。