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「2007年F1GP開幕直前イベント」リポート2007.03.13
2007年3月11日(日)、MEGA WEB(東京・お台場)とアムラックス東京(東京・池袋)の2カ所で[2007年F1GP開幕直前イベント]が開催されました。実は今回のイベントにはヤ ルノ・トゥルーリ選手がゲストで登場する予定だったのですが、直前に体調を崩してしまったため残念ながら欠席となってしまいました(ファンの皆さん、本当 にごめんなさい!)。それではMEGA WEBで行われたこの日のイベントの様子をご報告します。
雨にもかかわらず、大勢のファンの皆さんが集結!
この日の東京は朝から雨模様。それでも座席の整理券を配布する午前11時直前には40~50人ほどの列ができるなど、熱心なファンの皆さんが続々と会場に 集結してきました。なかにはラルフの着ぐるみやトヨタベアーの着ぐるみと一緒に記念撮影されるご家族連れの姿なども見受けられました。
午前11時をまわり、壇上にはまずTDP(トヨタ・ヤングドライバーズ・プログラム)所属の石浦宏明選手と松井孝允選手が登場。そして早めに会場入 りして抽選に当たったお客さまと一緒にF1シミュレーターに挑戦しました。このF1シミュレーターは実寸大のトヨタF1カーに乗り込んで、モニター画面を 見ながらF1のドライビングをバーチャル体験できる優れもので、シートの後ろのカウルの中にはエンジン音を轟かせるウーハー・スピーカーが搭載されてお り、迫力も十分。はじめての“F1走行”を体験された皆さんは何度かコースアウトするなど手こずりながらも、貴重な体験を楽しんでいただけたようです。
耳より情報が満載のトークショー
メインイベントのトークショーは午後1時30分からスタート。この頃には用意された240席のシートもほぼ満席となりました。出演は新居章年DTC(技術 コーディネーション担当ディレクター)、解説に今宮純氏をお迎えし、フジテレビアナウンサーの伊藤利尋氏が司会を務めました。
新居DTCはまず「ヤルノは先週のヘレステストで本当にがんばってくれました。その後、風邪の影響のせいか胃の調子が悪くなってしまいました。開幕戦がす ぐ目の前ですので大事をとって今日は欠席させていただくことにしました」と状況を説明。続いて今シーズンからワンメイクになるタイヤについて、「フロント とリアのパフォーマンスの差が縮まり、どちらかといえばリアのほうがタレがキツい感じ。周回を重ねた時のラップタイムの落ちを少なくするセッティングが重 要になります」と解説。そのセッティングについては、「バーレーンテストでは苦労したものの、ヘレステストではクルマのメカニカルなバランスのいい方向が 見つかった」と心強いコメントを披露。
エンジンパワーに手応えあり!
エンジンについては「2月中旬にオーストラリアGP仕様を決定し、現状で720~730馬力程度まで出ている。回転数が1万9000回転以下に制 限される分、トルクを上げて、ドライバーにとってはドライブしやすいエンジンになった」と話し、「手応えはある」と自信を見せてくれました。
続いて金曜日のフリー走行について。今シーズンから走行時間が合計で1時間増えることになりますが、これについては「どんどん走り込むつもり」との こと。金曜日の走行に限り、2レースを走り切らなければならないレース用エンジンではなく、別のフリー走行用エンジンを使用できるのがその理由のひとつで す。また、金曜日にはサードドライバーも走行できるのですが、トヨタは「ラルフとヤルノのふたりに走らせる」と明言。
気になる今シーズンのクルマ、TF107についてですが、「エンジンとミッションが100ミリ前方に移動したため、リアタイヤの前のスペースが相当絞り込 まれている」とその特徴を説明。また「重心がセンターに近づいたためクルマの動きがより敏捷になるのでは?」という今宮氏の質問にも「その通りですね」と 答えていました。空力パッケージについては、新車発表会時のクルマと比較するとフロント/リアウィング、サイドポッド側面の板状の整流パーツが変更になっ ているとの注目発言がありました。また、空力開発はとにかく24時間体制で風洞を稼働させてがんばっているとのこと。さらに、富士スピードウェイを走ると きには「おそらくアメリカGP時のパッケージに近いものになるのでは」というコメントもありました。
タイヤ戦略は入念にシミュレーション中
TF107についてラルフとヤルノふたりの手応えはどうなのか、という質問に新居DTCは「ラルフは初めて乗ったときから“いいクルマだ”と言って、昨年 のクルマからの進化もしっかり感じ取れていた」と回答。「ヤルノはTF105Bで苦労した部分がありましたが、TF107はふたりの要望に合わせたクルマ になっている」とし、「ヤルノはなかなかいいか悪いか言わないけれども、それはつまり悪くないということでしょうね」と続け、「ヘレスでの最終テストでは ふたりとも納得のいい感触を得ています」と結びました。
ところで間近に迫ったオーストラリアGPでは、タイヤ戦略(ハードとソフトの両方をレースで使わなければならない)も注目点です。これについてはチームで シミュレーションを入念に繰り返しているとのことで、「たとえば、58周のレースですからソフトでスタートして20周目と41周目くらいに2回のストップ を行うというのが順当な戦略」としつつも「遅いクルマに引っかかるなどした場合、状況に応じた対応が必要になるだろう」とし、また「そのときの順位と自分 のクルマ自体の速さで対応は変わってくる」とのこと。具体的に説明してくれたお陰で会場の皆さんも「なるほど」といった様子でした。
そして最後は毎年恒例の会場の皆さんと一緒の記念撮影を行い、トークショーは終了となりました。さあ、開幕戦はもう目の前です。今シーズンもパナソニック・トヨタ・レーシングの応援、よろしくお願いいたします!
スペシャルシートに当選された皆さんの声
このトークショーのためにtoyota-f1.comではファンの皆さんのためにステージ間近にスペシャルシート(25組50席)をご用意しました。トークショーの後に感想をうかがいましたのでご紹介します。
「ヤルノが来れなかったのが残念でしたけれど、でも新居さんが詳しく説明してくれて楽しめました。ずっとトヨタのファンなんですよ。ファンイベントにもずっと参加しています! 今シーズンはぜひ優勝してもらいたいですね!」(奥様、お子様とご一緒にいらっしゃっていたお父様)
「新居ディレクターの話をうかがってチームの方針が見えました。これで来週の開幕がまた楽しみになりましたね。2000年からずっとトヨタのファンなんです。ドライバーはふたりとも好きですが、どちらかと言ったらヤルノ。人間性が好きだからです。こういったイベントがあればまた必ず参加したいですね」(おふたりでご来場された女性)
「今年はぜひ表彰台の頂点を取ってほしいです。もうひとつの日本のチームは7年目で勝ちましたけど、トヨタが今年勝てば6年目での達成ですしね。富士スピードウェイの日本GPにも行きます。希望としては、ぜひ日本GPでトヨタ応援席を作ってもらいたいですね。そうしないと応援合戦もできないですから、これはなんとか実現してもらいたいです」(おふたりでご来場された女性)
「昨夜は夜の9時まで仕事をして夜行バスで来たんですよ。ヤルノが目当てだったので残念でしたけど、こういう機会のお陰でMEGA WEB内のいろいろな展示が見れましたし、今宮さんも間近で生で見れましたからね。それに新居ディレクターの話もわかりやすかったです。たとえばエンジンの位置が変わるとクルマの走りにどう影響するのかといったことなど、本を読んで知っているつもりのことでも、実際に今日のように説明してもらえると改めてよく理解できました。もちろん富士スピードウェイ(日本GP)にも行きますよ。もうホテルも予約しているんです。私たちにとっては初めての富士スピードウェイですから、やっぱり見たいですよね。今シーズンのトヨタには当たり前のように表彰台に上がってもらいたいです。だってそのために新居さんもヤルノもラルフもがんばっているわけですし、私たちも応援しているわけですからね。レース後の記者会見にも当然のようにどんどん出て来てほしい。それを期待しています」(名古屋よりおふたりでご来場された女性)
キッズ・カート教室開催!
この日のイベントではMEGA WEBの屋外の走行スペースでキッズ・カート教室も併催されました。これは、お子様たちに日頃はなかなか乗ることができないカートを実体験していただくミニ教室。試乗したのは身長115センチ以上のお子様たちで、ほとんどがカートは初体験。排気量50ccの子ども用カートに乗ったちびっこたちが、指導員のアクセルオン/オフ、ブレーキオン/オフの合図に合わせ、約25メートルの直線コースでカートを体験しました。カートはレース入門に最適で、またカート全日本選手権で活躍すればTDPに採用されるケースもあるとのこと。F1ドライバーを目指すなら、まずはカートからどうぞ!