プレビュー - 2009 第13戦 イタリアGP
ヨーロッパラウンド最終戦で、上位を目指す
2009年9月7日(月)
パナソニック・トヨタ・レーシングは今週末、モンツァのイタリアGPが行われる舞台で、F1で最も歴史があるサーキットの1つへ向かう。モンツァは、2週間前にベルギーGPが行われたスパ・フランコルシャンと同様、高速サーキットで、F1世界選手権が始まった年に、F1を開催した。イタリアGPは、F1の聖地というだけではなく、2002年の4位がモンツァでの最高成績であるヤルノ・トゥルーリが、得意とする場所だ。GP2時代の2007年に、優勝と3位の好成績を収めたティモ・グロックは、モンツァのトラックには嬉しい思い出がある。トヨタのモンツァでの特筆すべき記録は、7度の参戦のうち、5回も予選でトップ10入りしていることと、2005年に5位と6位でフィニッシュしたこと。モンツァの特徴は、長いストレートと厳しいシケインで、チームはスパで使用したものに近い、低ダウンフォースの空力パッケージを調整して投入する。スパで、予選の調子を取り戻したチームは、今週末、ポイント圏内への復帰を狙う。
ヤルノ・トゥルーリ - カーナンバー9
「イタリアのファンの前で走ることは、いつも素晴らしく、モンツァの雰囲気が本当に大好きだ。もちろん、私のホームレースで、グランドスタンドにはサポーターたちがたくさんいるので、そんな熱心なファンの前で競い合うのはとても楽しい。モンツァのレースで良い結果を出すことは、私にとって、多くの意味があり、そのためには出来ることは何でもやる。ベルギーでフロントローからスタートできたことは、とても励みになった。これは、予選で、クルマのポテンシャルをフルに引き出せたという証拠だと願う。決勝で私はツキがなかったが、上位集団で戦えたように、イタリアでも、またそうできればと思う。スパで、私たちのクルマはとても強かったので、今週末に向けても、少し変更をするだろう。レースは必ず、非常に接戦になると思うが、ポイント圏内に戻るチャンスはある。モンツァは調子を戻すには完璧な場所で、チャレンジする準備はできている」
ティモ・グロック - カーナンバー10
「モンツァは高速で有名だけど、私のサーキットの思い出は、週末中ずっとウェットコンディションに見舞われた、昨年の雨。予選はうまく行き、決勝に大きく期待したが、最悪のタイミングで状況が変わり、表彰台を逃した。モンツァの雰囲気はいつも、信じられないほど素晴らしく、熱狂的なファンを前に走るレースは、特別な体験だ。F1ドライバーは皆、速く走るのが大好きなので、シケインでつながれた長いストレートに、とてもエキサイティングなレズモコーナーがあるモンツァは、明らかにレースのしがいがある楽しい場所だ。予選で良い戦いができたことは前向きな兆候だが、スパで私たちのクルマは、とても競争力が高かったので、決勝で実力を発揮できなかったのは残念。私たちのクルマの性能が決勝で出しうる最高の結果につなげるために、今回も、予選で2台揃えてのトップ8入りが目標だ。今週末のGPが早く始まらないかとうずうずしている。祝福すべき結果をチームにもたらす自信がある」
パスカル・バセロン - シャシー部門シニア・ゼネラル・マネージャー
「これまでは毎回、完全にモンツァに合わせた空力パッケージを準備してきたが、今年は少し違う。私たちの基本設定と比較したとき、ドラッグのレベルを大きく低下させる必要があるトラックは、スパとモンツァの2つだけなので、ダウンフォースレベルが減ったことと、前戦と日程が近いことを考慮して、ここではスパに似たようなパッケージを投入する。最高速度の点から見ると、モンツァは最も難しいコースで、フロントウィングとリアウィングを改良するので、再び、競争力を出せると信じている。しかし、スパと異なり、モンツァにはシケインがあるので、ブレーキング時に生じるエネルギーが大きく、安定したブレーキングが必要だ。ヤルノがスパで苦しんだ過度な磨耗が二度と起きないように、ブレーキ冷却を改善し、ヘビーブレーキング仕様にする。ベルギーで、私たちのパッケージのパフォーマンスは良かったので、他の要因により表彰台獲得を逃したことは不運だった。しかし、これがレースの世界。今週末も懸命に戦う」