ヤルノ・トゥルーリ -レースドライバー カーナンバー9-

ヤルノ・トゥルーリ プロフィール

国籍 イタリア
出生 1974年7月13日イタリア・ペスカーラ
未婚/既婚 既婚(バーバラ婦人)、
子供2人(エンツォ、マルコ)
身長 173cm
体重 60kg

2008年、ヤルノ・トゥルーリは彼のF1キャリアの中でも最良の部類に数えられる1年を過ごすこととなり、パナソニック・トヨタ・レーシングが上位争いへと復帰するために重要な役割を果たした。

データがそれを物語っている。トゥルーリはフランスGPで3位に入り、チームにとって、2006年のオーストラリアGP以来となる表彰台に上った。また、最終戦ブラジルGPでも、3年ぶりとなる最前列グリッドを得た。彼は今季10戦で入賞を果たし、合計31ポイントを獲得。2002年にチームがF1参戦を開始して以来、3番目に多い年間ポイントを獲得したドライバーとなった。

34歳になるトゥルーリは、現在のF1で最も経験の長いドライバーの1人だ。しかし、彼は12年というF1キャリアを経てもなお、モチベーションを失っていない。それどころか、2009年シーズンは、果てなき熱意によって、更に経験を積み重ねていくことになるだろう。

トゥルーリの目標は常に非常に高いものであり、それは彼の履歴を見るまでもなく明らかだ。多くの同世代ドライバーと同じように、彼もカートでレースのキャリアをスタートし、3度に渡ってCIK-FIA世界選手権を制した。この結果は、単なる成功というだけに留まらず、彼は有望な若手ドライバーとして注目を集めることとなった。彼の情熱と献身はレースを始めたときから明確であった。「結局のところ、私がカートレースを選んだのではなく、レースへの情熱と共に生まれた私が選ばれたのだと信じている」とトゥルーリは語った。

カートで成功したドライバーでも、シングルシーターフォーミュラへの移行に失敗することは少なくない。しかし、トゥルーリはステップアップに苦しむことなく、フォーミュラレース参戦初年度の1996年、ドイツF3選手権を勝ち取った。そして、1997年にはF1チーム、ミナルディでF1への扉を開けた。

「私のF1以前のキャリアは、金が無く、誰も財政的に支援してくれなかったので、非常に貧乏で、短いものだったよ」とトゥルーリは冗談を言った。「物事が起こるのはあっという間だった。私はチャンスを得て、それを勝ち取った。主流とは異なる方法でこの世界に入ったため、自分の道を切り開き、良いレーシングカーを手にするために、一生懸命に努力しなくてはならなかった」

トゥルーリはグリッド後方で苦戦していたミナルディにおいて印象的な走りを見せ、すぐにチームの信頼に報いた。1997年の中盤にはプロストチームへと移籍。信じられないことに、オーストリアGPでは、エンジントラブルに見舞われるまで勝利を争った。「振り返ってみれば、私のF1キャリア初勝利はデビュー初年度のオーストリアGPで得られるはずだったが、不運に見舞われてしまった」と彼は語る。「私は別の方法で、底辺から始めて着実に頂点へ向けて進んでいる」

そのシーズンの終わりまでには、トゥルーリが真のF1ドライバーとしての能力を有しているということは明らかになっていた。その後のシーズンでも、彼はプロストチーム、ジョーダンチームで健闘を続け、そしてルノーチームで、彼の才能に値するレーシングカーを最終的に手に入れることとなった。決してグリッド上で最速のレースカーを手に入れたわけではないにもかかわらず、トゥルーリはレースカーの限界以上の力を引き出し、予選で最前列グリッド、決勝での表彰台を勝ち取り、敬意を受けることとなった。

2004年、トゥルーリは更に競争力の高いルノーのレースカーを得ることとなり、モナコGPでは、ポールポジションから素晴らしいドライビングを見せて初優勝を飾った。「どのドライバーにとっても、F1GPで初優勝を挙げることは夢であり、加えて私は予選と決勝レースの両方を支配して勝つことが出来た。それは本当に素晴らしい思い出だ」

しかし2004年シーズンが終わる前に、トゥルーリはルノーチームを離れ、パナソニック・トヨタ・レーシングへと移籍。その後彼にとってF1で最も長く籍を置くこととなるチームでのキャリアを開始した。それまでと同様に、2005年シーズンに彼は、新しいチームの信頼に応え、トヨタにF1で初めての表彰台フィニッシュをもたらすと共に、チームを活気づけ、コンストラクターズランキングでこれまで最高の4位獲得に貢献した。

2006年から2007年にかけて、チームは厳しいシーズンを過ごしたが、2008年はパナソニック・トヨタ・レーシングにとって大きな躍進のシーズンとなった。トゥルーリはティモ・グロックと強力なコンビを組み、チームを表彰台争いへと復帰させた。2009年シーズンは、トゥルーリにとってトヨタでの5年目のフルシーズンとなるが、将来の成功へ向けての土台は確実に築かれている。

ヤルノ・トゥルーリ F1での経歴:*2008年終了時点

GPデビュー
1997年オーストラリアGP
GP出走回数*
199
勝利数*
1
表彰台獲得回数*
8
ポールポジション獲得数*
3
通算獲得ポイント*
214
シリーズ最高位:
6位(2004)
1997年
ミナルディ・ハートで7戦、プロスト・無限ホンダで7戦 シリーズ15位(3得点)
1998年
プロスト・プジョー シリーズ15位(1得点)
1999年
プロスト・プジョー シリーズ11位(7得点)
2000年
ジョーダン・無限ホンダ  シリーズ10位 (6得点)
2001年
ジョーダン・無限ホンダ  シリーズ9位 (12得点)
2002年
ルノー  シリーズ8位(9得点)
2003年
ルノー  シリーズ8位(33得点)
2004年
ルノーで15戦/1勝 パナソニック・トヨタ・レーシングで2戦
シリーズ6位(46得点、1勝、PP1回)
2005年
パナソニック・トヨタ・レーシング シリーズ7位(43得点、表彰台3回、PP1回)
2006年
パナソニック・トヨタ・レーシング シリーズ12位 (15得点)
2007年
パナソニック・トヨタ・レーシング シリーズ13位 (8得点)
2008年
パナソニック・トヨタ・レーシング シリーズ9位 (31得点)
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