2002年7月15日(月)配信

悪夢の第9戦クリーブランド C.ダ・マッタ5連勝ならず
絶好調と不調は紙一重。4位のK.ブラックと7位の「虎」高木が完走

予選
トヨタチーム最上位4位入賞のK.ブラックとトヨタ・ローラ
トヨタチーム最上位4位入賞のK.ブラックとトヨタ・ローラ
 五大湖3連戦の締めくくりは、第9戦クリーブランド。トヨタチームは、シカゴでの1-2、トロントでの1-2-3フィニッシュに続き、五大湖3連勝を目指してクリーブランドへ集結。
クリーブランドは、米国東部オハイオ州の北部に位置し、ロックンロールの故郷としても知られる商業都市。  レースが行なわれるのは、エリー湖に面したローカル空港であるバーク・レイクフロント・エアポート。毎年レースの行なわれる週末だけ空港を閉鎖して、特設コースが作られる。全長2.106マイル(3.39Km)のストレートと直角コーナーで構成される起伏の無い完全フラットな空港ならではのコースは、グランドスタンドから一望出来るユニークなレイアウト。C.ダ.マッタの前人未踏5連勝の記録達成に期待がかかった。
 快進撃の続くC.ダ.マッタは、7月12日(金)に行なわれた予選第1日目から絶好調。早々に暫定ポールポジションを決め、13日(土)の予選第2日も余裕でトップタイム。今期4度目のポールポジションを確定した。また、4番手にC.フィッティパルディ、8番手にB.ジュンケイラ、9番手にK.ブラック、そして高木虎之介は、予選10番手から決勝レースへ臨む事になった。

決勝
 7月14日(日)、午前1時30分に115周の決勝レースがスタート。しかし、2戦連続でフライングスタートがあり、イエローコーションのまま、1周後にレースが開始された。その直後、第1ターンで高木虎之介を含む、J.バッサー(フォード)、M.ドミンゲス(フォード)などが接触。T.ベルは戦線離脱。高木虎之介は、フロントウィングを破損、再スタートを切るものの、最後尾16位からの追い上げとなってしまった。
 一方、ポールポジションからスタートを切ったC.ダ・マッタは、圧倒的な速さで2位以下を引き離しにかかっていたが、19周目、エンジンから白煙を吐き、ピットイン。一旦はピットアウトするものの、すぐに再びピットイン。そのまま5連勝への戦列復帰はならなかった。
 代わってトヨタチームをリードしたのは、5位で上位進出を狙うチームメイトのC.フィッティパルディ。続く6位には、B.ジュンケイラが付けて後半戦へと持ち込んだが、B.ジュンケイラは、87周目、突然白煙を吐いてストップ。93周目には、3位へと躍進したC.フィッティパルディも、97周目には、まさかの燃料切れでストップ。
 次々と悪夢のようにトラブルに見舞われたトヨタチームであったが、この苦戦をよそにK.ブラックは、慎重に戦い続け、4位でフィニッシュ。また、高木虎之介も、最後尾から粘り強く追い上げて7位でチェッカーを受けた。快進撃に水を注されたトヨタチームは、次戦バンクーバーでの復活戦にかける。

K.ブラック(チップ・ガナッシ・レーシング)のコメント:
この週末はセットアップに苦しみ、決して完璧とは言えない状況で決勝に臨んだが、決勝は何が起こるかわからないので、諦めずチャンスを待った。ここ何戦かは、決して悪いフィニッシュではないが、望みはもっと高いポジションにある。より上位のポジションでフィニッシュすべく次戦も全力を尽くす。

高木虎之介(ウォーカー・レーシング)のコメント:
オープニングラップでダッシュをかけていたらJ.バッサーと接触し、スピンを喫してしまった。幸いにもフロントウィングを壊しただけだったので、とにかく夢中で追い上げた。しかし、最後尾からの追い上げには、厳しいものがあった。苦しいレースとなってしまったが、好調に変わりはないので次戦にかける。

TRD-USA社長 J.オーストのコメント:
C.ダ・マッタの連勝新記録達成もトヨタチームの連勝も逃がしてしまった。しかし、これがレースだ。いまだにC.ダ・マッタはドライバーズポイント首位を堅守しているし、2位には、50ポイント差でB.ジュンケイラが付けている。リードを保ち、チャンピオンを獲得するためにも、さらに気を引き締めて邁進する。

TRD-USA 林 博美のコメント:
今日は、トラブルとミスが立て続けに出てしまい、5連勝はならなかった。絶好調と不調は紙一重ということを思い知らされた。高木選手も最初にクラッシュ、最後尾となってしまい、それでも、猛烈な追い上げで7位に返り咲いてくれた。この調子で次に期待したい。次戦バンクーバーは昨年勝利を得ているコースなので気持ちを新たに、各チームと共に体制を整えて、全力で臨みたい。それにしても、CARTレースの厳しさを実感した。

リザルト

決勝結果
順位No.ドライバーエンジンシャシーチームLapタイム/差ST
132P.カーペンティアフォードレイナードフォーサイス11502:00:05.7852
239M.アンドレッティホンダローラモトローラ11517.0595
326P.トレーシーホンダローラグリーン11528.29511
412K.ブラックトヨタローラチップ・ガナッシ11532.5269
533A.タグリアーニフォードレイナードフォーサイス11537.15214
75高木虎之介トヨタレイナードウォーカー11551.89610
1211C.フィッティパルディトヨタローラニューマン・ハース9619 Laps4
134B.ジュンケイラトヨタローラチップ・ガナッシ8728 Laps8
1544S.ディクソントヨタローラチップ・ガナッシ2788 Laps12
166C.ダ・マッタトヨタローラニューマン・ハース2194 Laps1
1820T.ベルトヨタレイナードパトリック1114 Laps15
Race DATA
ポールポジションC.ダ・マッタ (57.040)
ファステストラップP.トレーシー (58.473)
最多リードラップP.カーペンティア(66周)
気温摂氏26度
天候晴れ
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1位C.ダ・マッタトヨタ120
2位B.ジュンケイラトヨタ70
3位D.フランキッティホンダ64
6位K.ブラックトヨタ60
7位C.フィッティパルディトヨタ58
10位S.ディクソントヨタ52
13位高木虎之介トヨタ36
17位T.ベルトヨタ19
マニュファクチャラーズポイント
順位エンジンポイント
1位トヨタ166
2位ホンダ134
3位フォード114